管理栄養士の資格を生かせる副業|メリット&デメリットを解説
更新日 2026年02月09日 公開日 2026年02月05日

文:清水花菜(管理栄養士/フードコーディネーター)
働き方改革や副業解禁、オンラインサービスの広がりを背景に、管理栄養士のあいだでも副業が少しずつ広がっています。
「今の給与だけでは将来が不安」「専門性をもっと生かしたい」「いつか独立も視野に入れて経験を積んでおきたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
管理栄養士の副業は、収入アップだけでなく、本業では得にくいスキルや人脈を広げるきっかけにもなります。一方で、本業との両立や就業規則、税金・確定申告など、注意しておきたいポイントがあるのも事実です。
この記事では、管理栄養士の副業ニーズが高まっている理由や、副業を始めるときのステップ、資格を生かしやすい副業の例、メリット・デメリット、注意点、よくある質問までを解説します。「副業するべきか、転職するべきか」と迷っている方の判断材料になれば幸いです。
目次
管理栄養士の副業ニーズが高まっている理由
管理栄養士のあいだで副業への関心が高まっている背景には、「収入への不安」「働き方の多様化」「企業の副業解禁」という3つの流れがあります。ここでは、それぞれの理由を整理しながら、なぜ今、副業が注目されているのかを見ていきましょう。
本業の給与だけでは将来が不安
管理栄養士の給与水準は、医療・福祉・保育など安定した分野で働ける一方で、決して高収入とはいえない職場も少なくありません。昇給ペースがゆるやかで、ライフイベント(結婚・出産・教育費・住宅ローンなど)を考えると、今の収入だけに不安を抱く管理栄養士も多いです。
こうした不安から、単にお小遣いを増やすためではなく、将来を見据えた収入源の分散や、独立・開業を見据えた準備として副業を始める人が増えています。
オンライン化で副業の選択肢が増加
テレワークやオンラインサービスが広がったことで、管理栄養士が自宅にいながら取り組める副業も増えてきました。たとえば、栄養やレシピに関するWeb記事の執筆、オンラインでの栄養相談、レシピ開発や栄養価計算などは、パソコンと通信環境があれば全国どこにいても仕事ができます。
通勤時間をかけずに働けるため、「フルタイム勤務+短時間の副業」「育児や介護と両立しながらの在宅副業」といった柔軟な働き方も選びやすくなりました。管理栄養士として培った専門性を別のフィールドで生かしやすくなった点も、大きな追い風といえます。
副業解禁やリスキリングの流れ
近年は、国のガイドライン整備や企業の就業規則見直しにより、副業や兼業を認める動きが広がっています。働き手に複数のキャリアパスを持ってもらう「パラレルキャリア」や「リスキリング(学び直し)」の注目も高まり、本業以外の場で経験を積むことが肯定的に受け止められるようになりました。
管理栄養士にとっても、副業で得たスキルや人脈が本業に生きるケースは少なくありません。こうした社会全体の変化が、副業という働き方を選びやすい環境づくりにつながり、管理栄養士の副業ニーズを押し上げているといえます。
管理栄養士が副業を始めるには

管理栄養士の資格を上手に活用できれば、副業で収入を増やしたり、新しいキャリアの選択肢を広げたりできます。
ただし、ひとくちに管理栄養士といっても、置かれている状況や知識・スキル、働き方はさまざまです。本業と副業を無理なく両立するためには、なんとなく良さそうな仕事を選ぶのではなく、自分に合った副業の始め方を押さえておくことが大切です。
ここでは、副業を始めるまでの基本的なステップを確認していきましょう。
①自分の強み・副業の目的を決める
まず最初に、「自分のどのような強みを生かして、何のために副業をしたいのか」をはっきりさせることです。目的があいまいなまま仕事を選ぶと、思ったほど収入が増えなかったり、忙しいだけでスキルアップにつながらなかったりする恐れがあります。
たとえば、
- ・収入を少しでも増やしたい
- ・本業では生かしにくい専門性を発揮したい
- ・将来の独立や開業の準備をしたい
といったように、優先したい目的を書き出してみましょう。
そのうえで、管理栄養士としての知識・経験に、自分の得意分野を掛け合わせて考えていきます。
文章を書くのが好きな方は、栄養指導やレシピ紹介などのWeb記事制作が向いているかもしれません。スポーツやダイエットの知識が豊富な方は、ジムやオンラインサービスでの食事・ダイエット指導が候補になります。子どもが好き、育児経験があるといった方なら、保護者向けの栄養相談や離乳食・幼児食のサポートなども選択肢に入るでしょう。
「目的」と「強み」をセットで整理しておくと、副業選びの方向性がぐっと定まりやすくなります。
②勤務規則を確認する(副業が可能かどうか)
副業を具体的に探し始める前に、必ず勤務先の就業規則を確認しましょう。医療機関や介護施設、保育園などでは、安全管理や情報管理の観点から、副業や兼業に制限を設けている場合があります。
就業規則に副業禁止・許可制などの記載がある場合は、その内容に従う必要があります。許可制であれば、事前に上司や人事担当者に相談し、書面で申請しておくと安心です。あいまいなまま自己判断で始めてしまうと、後からトラブルにつながる可能性もあります。
副業の内容や勤務時間、本業との関係性によって判断が分かれることもあるため、不安があれば早めに確認・相談しておきましょう。
③働き方を選ぶ(在宅か通勤かなど)
副業の目的と勤務規則を確認できたら、無理なく続けられる働き方を考えます。働き方改革やコロナ禍をきっかけに、近年はテレワークやオンラインサービスが普及し、パソコンとインターネット環境があれば自宅でできる仕事も増えてきました。
通勤時間がかからず、仕事量や勤務時間の調整がしやすい在宅ワークは、スキマ時間を活用したい方や、育児・介護で外出が難しい方に向いています。一方で、「気分を切り替えたい」「対面で人と関わりたい」といった方は、ジムやサロン、家事代行など、実際に現場に出向くタイプの副業が合う場合もあります。
本業の勤務シフトや家族との時間、体力面なども踏まえながら、
- ・在宅か通勤か
- ・夜間・早朝・週末のどこで働くか
- ・1週間あたりどのくらいの時間を副業に使えるか
といった条件を具体的にイメージしてみましょう。
④副業を探す・応募する
ここまでのステップを踏んだら、実際に副業探しをスタートします。管理栄養士向けの求人サイトで業務委託の仕事を探したり、クラウドソーシングサービスで栄養・レシピ関連の案件に応募したりといった方法があります。
このとき、いきなり条件や報酬だけで選ぶのではなく、自分の目的に合っているか、本業と両立できる働き方かをあらためて確認することが大切です。最初は負担の少ない案件から始めて、無理なく続けられるペースをつかんでいくと、副業を長く続けやすくなります。
【関連リンク】管理栄養士の主な働く場所10選|
将来性や転職時のポイントも
管理栄養士に向いている副業10選

ここでは、管理栄養士としての専門性を生かしやすく、本業とも両立しやすい副業を10種類紹介します。
それぞれの仕事内容や特徴、収入の目安、どんな人に向いているかを確認しながら、自分に合った働き方をイメージしてみてください。
食品・健康関連の記事作成(Webライター)
食品や健康、美容に関する記事作成は、在宅で取り組みやすい代表的な副業です。栄養素の基礎知識や食事指導の経験を生かしながら、一般の読者にわかりやすく情報を伝えます。
薬機法や健康増進法などに配慮しながら執筆する必要があるため、正確な知識を持つ管理栄養士は重宝されやすい分野です。
収入相場:1記事3,000円〜10,000円程度(2,000文字を想定)
文字単価の報酬の場合、専門性が高い案件で1.5~5.0円程度
【こんな人におすすめ】
・文章を書くのが好きで、自分のペースで仕事を進めたい人
・最新の健康情報や論文を調べることに抵抗がない人
健康・栄養系コンテンツの監修
記事やコラム、パンフレットなどの原稿を専門家の立場からチェックし、内容の正確性を担保する仕事です。栄養成分やエビデンスの確認、表現の修正・補足などを行います。自分で一から原稿を書くよりも短時間で対応しやすく、複数メディアを掛け持ちする管理栄養士も少なくありません。
収入相場:1記事あたり15,000~50,000円程度
【こんな人におすすめ】
- ・専門性を生かして「裏方」として支える役割が好きな人
- ・細かい表現や数字のチェックが得意な人
オンライン栄養相談・カウンセリング
ビデオ通話やチャットを用いて、生活習慣や食事内容の相談に応じる副業です。ダイエット、生活習慣病予防、妊娠中・授乳中の食事など、さまざまなテーマの相談を受けます。時間や場所の制約が少なく、本業のシフトに合わせて予約枠を調整しやすい点が魅力です。
収入相場:単発カウンセリング:30分あたり2,000~4,000円程度
コース制の場合は、月額10,000~20,000円程度
【こんな人におすすめ】
- ・相手の話をじっくり聞きながら、寄り添ってサポートしたい人
- ・コミュニケーションが好きで、モチベーション維持の声かけが得意な人
トレーナー・アドバイザーとしての食事・ダイエット指導
スポーツジムやパーソナルジム、エステサロンなどで、食事指導やダイエットサポートを行う働き方です。体組成や運動量、生活リズム、食事の好みなどを踏まえ、現実的に続けやすい食事プランを提案します。「アドバイスして終わり」ではなく、継続的なフォローを通じて目標達成を一緒に目指します。
収入相場:60分あたり8,000円前後
月額で受け持つ形だと、月額10,000~20,000円程度
【こんな人におすすめ】
- ・スポーツ栄養やボディメイクに興味がある人
- ・対面でのコミュニケーションや指導が好きな人
特定保健指導
特定健診(メタボ健診)の結果から、生活習慣の改善が必要と判断された方に対して食事・運動・睡眠などの指導を行う仕事です。初回面談で目標設定を行い、その後のフォロー面談や電話・オンライン面談を通じて生活習慣の見直しを支援します。マニュアルや研修が整っている事業所も多く、副業として始めやすい分野です。
収入相場:初回・対面など:1件あたり2,000~5,000円程度
継続支援:メール・電話フォロー1件500~1,000円程度
【こんな人におすすめ】
- ・生活習慣病予防や公衆栄養に関心がある人
- ・中長期的なサポートをコツコツ継続するのが得意な人
栄養価計算・栄養成分表示の作成
献立やレシピに含まれるエネルギー・栄養素量を算出し、栄養成分表示や資料を作成する仕事です。介護福祉施設や給食会社、飲食店、レシピサイト、食品メーカーなど、ニーズは幅広く存在します。専用ソフトやオンラインツールを使って在宅で対応できる案件も多く、数字の扱いが得意な管理栄養士に人気の副業です。
収入相場:1品あたり1,000~3,000円程度
【こんな人におすすめ】
- ・数字やデータの扱いが苦にならない人
- ・正確さが求められるコツコツ作業が好きな人
レシピ開発・献立作成
企業やメディア、保育園・高齢者施設などから依頼を受けて、目的に合ったレシピや献立を作成する仕事です。「減塩」「たんぱく質アップ」「アレルギー対応」「離乳食・幼児食」など、ターゲットやテーマに合わせたメニュー提案が求められます。家庭料理が得意な方はもちろん、流通している食材やコストを意識したメニュー作りが得意な方にも適しています。
収入相場:一般企業へのレシピ開発:1品3~5万円
フリーランス個人の管理栄養士:1品あたり数千~30,000円程度
給食向け「献立作成サービス」では、月額50,000円前後
【こんな人におすすめ】
- ・料理が好きで、オリジナルメニューを考えるのが得意な人
- ・予算や調理時間などの条件も踏まえて献立を組み立てられる人
家事代行・作り置き料理サービス
依頼者の自宅に訪問し、買い出しや調理、片付けなどを行う仕事です。管理栄養士として作り置き料理を中心にサービスを提供すれば、栄養バランスに配慮した家庭料理を求める利用者から信頼を得やすくなります。冷蔵庫にある食材を活用した献立提案を求められるケースもあり、応用力が生きる分野です。
収入相場:時給ベース:1時間2,500~3,500円程度
1回3時間の作り置きプランで 8,000~10,000円前後/回
【こんな人におすすめ】
- ・家庭料理や段取り上手を生かして働きたい人
- ・人の生活に寄り添いながら「助かった」と実感される仕事がしたい人
セミナー講師・講演(企業・自治体・学校など)
企業の健康経営セミナーや自治体・学校の講座などで、食生活や健康管理について講演する仕事です。資料作成やプログラム構成などの準備は必要ですが、一度作ったコンテンツをブラッシュアップしながら複数の場で活用できるメリットがあります。オンラインセミナーの需要も増えており、在宅で登壇できるケースもあります。
収入相場:地域の栄養ケア・ステーションなど:
60分あたり15,000円~
90分で20,000円~ という例
調理実習付き講座(3時間)は、20,000円~+材料費 など
【こんな人におすすめ】
- ・人前で話すことに抵抗がなく、プレゼンが得意な人
- ・食育や健康啓発など、教育的な活動に関心がある人
保護者・子ども向けの食育コンテンツ制作
幼稚園・保育園・小学校などで配布するプリントや、自治体の広報誌、オンライン講座用の資料など、子どもや保護者向けの食育コンテンツを制作する仕事です。難しい専門用語をかみくだき、イラストや写真を活用しながら「楽しく学べる形」にする工夫が求められます。
収入相場:30,000~100,000円/案件 程度
【こんな人におすすめ】
- ・子どもが好きで、やさしい表現で伝えるのが得意な人
- ・食育や家庭での食習慣づくりに関心がある人
アンケートモニター・商品モニター(専門家枠)
食品や健康関連商品の試用・試食を行い、アンケートやコメントを提出する仕事です。一般モニターよりも「管理栄養士」という専門家視点を求められるケースもあり、商品開発や改良に意見が反映されることもあります。スキマ時間に取り組みやすい一方で、単価は比較的低めのことが多いため、「+αの収入源」として活用されることが多い副業です。
収入相場:一般的なWebアンケート:
1件あたり数円~数十円程度(2~5分で数ポイント)
商品モニター系(試供品付きなど)は、1件数百円相当
【こんな人におすすめ】
- ・まとまった時間は取りにくいが、すき間時間を有効活用したい人
- ・新商品を試したり、率直な意見を伝えたりするのが好きな人
SNS発信・オンラインコミュニティ運営
InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどで栄養やレシピ情報を発信し、広告収入や企業案件、オンラインサロンの運営などにつなげる働き方です。
収益化までは時間がかかるケースもありますが、ファンやフォロワーが増えると、副業や独立後の大きな強みになります。自分のペースで発信を続けられれば、将来的なキャリアの選択肢を広げるきっかけにもなります。
収入相場:
タイアップ投稿:フォロワー数×2~3円程度 がよく使われる目安
※フォロワー1万人なら 1回投稿あたり約20,000~30,000円
マイクロインフルエンサー(1万フォロワー前後)で、「1投稿1,000~10,000円」目安
海外情報も含むが、「1万人あたり約100ドル(約15,000円)」という目安も
【こんな人におすすめ】
- ・発信や写真・動画づくりが好きで、コツコツ継続できる人
- ・将来的に独立やフリーランスも視野に入れて、土台づくりをしたい人
【関連リンク】マイナビコメディカルで
管理栄養士/栄養士の求人を探す
管理栄養士が副業を探す方法

管理栄養士が副業を探す方法にはさまざまな選択肢がありますが、ウェブサービスを利用するのが最も効率的です。管理栄養士の副業探しでは、以下の2つを利用するのがおすすめです。
管理栄養士向けの求人サイト
近年は、特定の専門職や資格に特化した求人サイトが増加しています。管理栄養士の知識やスキルを生かせる副業を探す際は、マイナビコメディカルのような専門性の高い求人サイトを活用するとスムーズでしょう。
求人サイトでは、勤務地や勤務形態などの細かな条件を指定して検索できるので、副業を見つけたい場合には、「業務委託形式」の募集から仕事を探してください。
「本業に影響が出ないように、できれば在宅OKの副業を探したい」という方が多いかもしれませんが、在宅勤務の条件には一定期間の実務経験を求められることが少なくありません。希望の仕事がなかなか見つからない場合は、求人サイトのキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
【関連リンク】マイナビコメディカルで管理栄養士/栄養士の非常勤・パート求人を探す
クラウドソーシングサービス
安価な案件からスタートして、少しずつ実績を積みたい方は、クラウドソーシングサービスを利用するのもよいでしょう。
クラウドソーシングサービスとは、仕事のマッチングサイトです。案件の検索画面で「管理栄養士」の資格欄にチェックを入れたり、フリーワードとして資格名を入力したりすれば、管理栄養士向けの案件を探すことが可能です。また、プロフィールに管理栄養士であることや職歴などを入力しておくと、クライアント側から案件を依頼されるケースもあります。
クラウドソーシングサービスには、WebライティングやWebデザイン、システム開発などの案件が多いため、料理関連の記事作成やレシピ考案、レシピの栄養価計算などの副業は比較的見つかりやすいでしょう。
なお、クラウドソーシングサービスでは多様なジャンルの仕事を探せるので、食事や栄養とは別のジャンルから副業を探したいときにもおすすめです。
【関連リンク】管理栄養士の年収はいくら?職場別の平均給与を公開
管理栄養士が副業を始めるメリット

管理栄養士が副業を始めると、収入面だけでなく、専門性やキャリアの広がりといった面でもさまざまなメリットがあります。ここでは代表的なポイントを整理して確認していきます。
専門性を生かしつつ、新たな知識・スキルが得られる
勤務先によっては事務作業の比率が高く、管理栄養士としての専門性を十分に発揮しづらい場合があります。そうしたとき、副業で栄養指導やレシピ作成、健康コラムの執筆などに取り組むと、培ってきた知識を直接生かしやすくなります。
また、管理栄養士の仕事は医療・福祉・介護だけでなく、美容・スポーツ・保育・食品メーカーなど、多様な分野と結びついています。本業とは異なるフィールドで副業を行うことで、新しい知識やスキル、人脈が広がる可能性があるでしょう。
収入源を増やし、将来への不安をやわらげられる
「給与だけでは先々の生活が心配」「子どもの教育費や住宅ローンが気になる」といった不安から、副業を検討する管理栄養士も少なくありません。副業で毎月数万円でも収入が増えると、貯蓄や投資にまわせるお金が増え、将来に備えやすくなります。
また、本業の職場環境が変化した場合でも、一定の副業収入があれば心理的な支えになります。収入源を一つに絞らないことは、リスク分散という意味でもメリットがあると言えるでしょう。
独立やキャリアチェンジの準備につながる
管理栄養士のなかには、本業と副業の両方で経験を積みながら、将来的な独立・開業やフリーランスとしての働き方を目指す方もいます。
いきなり会社を辞めて独立するのはリスクが大きいですが、副業として小さく始めれば、仕事の進め方や単価感覚、クライアントとのやり取りを少しずつ学べます。
管理栄養士としての実績がほとんどないまま独立すると、思うように仕事を獲得できない可能性がありますが、副業で実績やポートフォリオを積み重ねておけば、将来の選択肢を増やしやすくなります。
副業を行うデメリット

副業には注意しておきたいデメリットもあります。メリットだけで判断せず、自分の体力や家庭の状況、本業の働き方をふまえたうえで検討することが大切です。
プライベートの時間が減り、心身への負担が増えやすい
本業以外の時間を使って副業をするため、どうしても自由に使える時間は減ります。平日の夜や休日に副業を詰め込みすぎると、休息の時間が確保しにくくなり、疲れやストレスが蓄積しやすくなります。
短期間であれば乗り切れても、長期的には体調を崩してしまうおそれもあります。収入アップやスキルアップを目指す場合でも、睡眠時間や家族との時間をどの程度までなら削れるのか、一度立ち止まって考えることが大切です。
本業のパフォーマンスや評価に影響するおそれがある
副業に気持ちや時間を取られすぎると、本業での集中力やパフォーマンスが下がるリスクがあります。残業続きのなかで無理に副業を続けていると、ミスの増加や勤務態度の変化につながりかねません。
職場側が副業に対して慎重なスタンスをとっている場合、副業が本業に支障をきたしていると判断されると評価に響く可能性もあります。勤務先の文化や人間関係もふまえたうえで、どこまで副業に時間を割くか考える必要があります。
就業規則や税金など、確認・手続きの負担が増える
職場によっては、副業そのものが就業規則で禁止されていたり、事前の届出や許可が必要だったりします。規則を確認せずにこっそり副業を始めると、住民税の金額から発覚するケースもあるため注意が必要です。
また、一般的な会社員の場合、副業による所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。収入の管理や経費の整理、税金の申告など、本業だけのときにはなかった事務作業も増えます。
キャリアや給料のことなど、転職のプロにお気軽にご相談ください♪(完全無料)
管理栄養士が副業をするときの注意点

管理栄養士が副業を始める際は、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。副業がきっかけで起こるトラブルはけっして少なくないため、ポイントを押さえてトラブルを未然に防ぎましょう。
ここでは、管理栄養士が副業するときに注意すべき点について、詳しく解説します。
本業を圧迫しない範囲で副業をする
副業が軌道に乗ると、業務に割く時間を増やしたくなるかもしれません。しかし、副業はあくまで副業です。本業に支障をきたさないように、業務量やスケジュールの調整を心がけましょう。
厚生労働省によると、副業を認めている企業の63%は、本業がおろそかになる点を懸念しています。
(出典:複数就業者に係る労災保険給付等について(参考資料)「副業・兼業の現状(企業側①)」/https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000579348.pdf#page=6/)
副業によって本業のクオリティが下がったと判断されれば、職場からの注意や処分がないとも限らないので注意が必要です。
事実、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、「会社への労務の誠実な提供に何らかの支障をきたす」副業を無断で行っていた社員が、解雇有効とされた判例が紹介されています。
(出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000204092.pdf#page=3)
副業には多くのメリットがあるのも確かですが、副業に力を入れすぎて本業がおろそかになってしまうのは考えものです。時間や体力と相談しながら、本業に影響しないバランスを探りましょう。
確定申告を正しく行う
一般的な会社員の場合、副業による所得が年間20万円を超えているか、複数の企業から支払われた給与所得が年間20万円を超えている場合は、確定申告が必要です。
確定申告が必要となる条件は、次のとおりです。
- 1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
- 3 2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
- 4 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
- 5 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
- 6 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
- 7 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人
(引用:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm)
所得の計算式は、「収入金額-経費」です。たとえば、副業で年間25万円の収入を得ていても、経費として10万円使っていれば所得は15万円となり、確定申告をする必要はありません。
業務委託契約などにより、本業に加えて別の会社などから給与が支払われている場合は、2つの収入を合算し、総額で所得税を計算して確定申告する必要があります。
確定申告は、スマートフォンやタブレットなどの端末からe-taxを利用して済ませることが可能です。また、税金の納付についても端末からキャッシュレス決済できるため、税務署に行く必要はありません。
注意点として、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う場合は、副業で得た所得が20万円以下であっても、申告が必要だということを覚えておいてください。また、確定申告がいらないケースでも、住民税の申告は必要です。
職場だけでなく家族の同意も得る
副業を始める際は、会社だけでなく家族やパートナーの同意を得ることも重要です。
副業は収入アップにより家計を助けられる一方で、本業の退勤後や休日に働くケースもあり、家族と過ごす時間が減るというデメリットがあります。そのため、これまで家事を分担していた家庭や小さな子どもがいる家庭では、パートナーの家事・育児の負担増加につながりかねません。
副業が家庭トラブルのきっかけにならないように、事前の同意を得るとともに、収入と業務量のバランス、家事や育児の分担についても十分に話し合いましょう。
【関連リンク】管理栄養士は大変な仕事!
つらい・疲れたと感じたときの対処法
収入を増やしたい場合は転職も検討しよう
勤務先での収入額や拘束時間の長さに納得できていない方は、副業よりも転職を検討したほうがよいかもしれません。「現在の仕事が忙しくて困っている」という方が副業を始めると、自由時間がさらに減ってしまい、根本的な解決が難しくなるからです。
副業と転職のどちらを選ぶべきか迷った場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーにアドバイスしてもらうのもおすすめです。数多くの管理栄養士の転職を支援してきたキャリアアドバイザーに、自身の希望、目標などの相談に乗ってもらえば、大きな安心につながるでしょう。
【関連リンク】マイナビコメディカルで管理栄養士/栄養士の求人を探す
管理栄養士の副業に関するよくある質問
管理栄養士が副業をする場合に、よくある質問をまとめました。
副業で月5万円は現実的?
副業で月5万円の収入アップを目指すことは十分現実的です。たとえば、1件5,000円の案件を月に10件受注できれば、月5万円に到達します。
ただし、いきなり高単価の仕事を受けるのは難しい場合が多いため、最初は単価が低めの案件からスタートし、実績を積みながら徐々に単価アップや案件数の調整をしていくイメージを持っておきましょう。「月5万円を3か月で達成」など、期間にも目安を決めておくとペース配分がしやすくなります。
初心者でも始めやすい副業は?
初めて副業に挑戦する場合は、マニュアルやフォロー体制が整っている仕事から始めると安心です。具体的には、次のような副業がスタートしやすいでしょう。
- ・特定保健指導(マニュアルや研修がある事業所が多い)
- ・栄養価計算やレシピ入力など、ルールが決まっている在宅の事務作業
- ・クラウドソーシングを通じた、食や健康に関するWeb記事の作成
最初から完璧な副業を探そうとせず、経験を積みながら、自分に合う働き方を見つけていく気持ちで取り組むことが大切です。
フルタイム勤務でも始めやすい副業は?
フルタイムで勤務している管理栄養士さんの場合は、通勤時間が不要で、夜や休日のすき間時間に取り組める在宅ワークが始めやすくなります。たとえば、次のような副業です。
- ・食品・健康関連のWebライター
- ・栄養価計算、栄養成分表示の作成
- ・オンラインでの栄養相談(夜間や週末に予約枠を設定)
平日の夜は1〜2時間、休日は半日だけなど、自分で働く時間をコントロールしやすい副業を選ぶと、本業との両立がしやすくなります。無理なく続けられる時間を先に決めてから仕事量を調整していくとよいでしょう。
副業と転職、どちらを選ぶべき?
「収入を増やしたい」「仕事内容に不満がある」という理由で副業を考えている場合、転職したほうが根本的な解決につながるケースもあります。たとえば、次のような場合です。
- ・現在の職場の給与水準が大きく相場とかけ離れている
- ・残業が多く、副業をする余裕がほとんどない
- ・仕事内容や人間関係に強いストレスを感じている
まずは「今の職場で何を変えたいのか」「副業で補いたいのか、環境ごと変えたいのか」を整理してみましょう。判断が難しいときは、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談し、副業と転職それぞれのメリット・デメリットを一緒に整理してもらうのもおすすめです。
まとめ
管理栄養士の資格を生かして副業を行う場合は、食品・健康関連の記事執筆やオンライン栄養指導、レシピ開発などがおすすめです。新たな知識・スキルを得られるだけではなく、管理栄養士として独立するためのウォーミングアップにもつながるでしょう。
副業するか転職するか迷った場合は、自分が現在置かれている状況と将来の目標をよく考えつつ慎重に決断することが大切です。心身の健康とワークライフバランスを考えながら、悔いのない選択を行ってください。
管理栄養士として転職を検討している方は、一度マイナビコメディカルにご相談ください。マイナビコメディカルでは、専任のキャリアアドバイザーが豊富な求人のなかから希望に合った求人を無料でご紹介します。書類の添削や面接対策も行っておりますので、管理栄養士としての希望を実現するための働き方を、一緒に考えていきましょう!
マイナビコメディカルのキャリアアドバイザーに転職相談する(完全無料)
【関連リンク】マイナビコメディカルへのよくあるご質問
※当記事は2025年12月時点の情報をもとに作成しています
著者プロフィール

清水花菜
管理栄養士/フードコーディネーター
2001年に管理栄養士免許を取得。委託給食会社を経て、総合病院、クリニック、特別養護老人ホームなど、医療や介護の現場で従事。25年間の管理栄養士歴のなかで、転職を10回以上行い、さまざまな職場で経験と人脈を広げてきた。現在はライターとしての活動とオンラインでの健康や栄養相談の準備をしている。













