治験コーディネーターの転職動向|医療機関・SMO別の平均給与も

更新日 2023年04月01日 公開日 2021年02月15日

#治験コーディネーター #応募 #面接・選考

治験コーディネーター(CRC)は専門性が高く、臨床検査技師や臨床工学技士、看護師などの転職先として検討されることが多い職種です。みなさんのなかにも、「治験コーディネーターの仕事に興味がある」という方や、治験コーディネーターの転職市場における動向、平均給与などが気になっている方は多いのではないでしょうか。

当記事では、治験コーディネーターの転職動向から、平均給与、治験コーディネーターに転職しやすい職業までを徹底解説します。治験コーディネーターへの転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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治験コーディネーターの転職動向|医療機関・SMO別の平均給与も

治験コーディネーターの転職に関する動向と特徴

治験コーディネーターは、新薬開発のための治験をサポートする仕事で、医師や製薬会社と協力しながら、スケジュール調整や関係機関に向けた報告書の作成、被験者対応などを行います。

治験コーディネーターの働き方には2つのパターンがあり、治験施設支援機関(SMO)に所属して医療機関に派遣されるケースと、医療機関に所属して院内治験コーディネーターとして働くケースがあります。

ここでは、治験コーディネーターの転職に関する動向と特徴を紹介しましょう。

治験コーディネーターは不足状況にある

厚生労働省が発表した資料によれば、臨床研究・治験を実施する医師や研究支援人材は、「数と質の両方で、いまだ十分でない」とされています。

(出典:厚生労働省「臨床研究・治験の推進に関する今後の方向性について 2019年版とりまとめ」/https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000572442.pdf

また、SMO業界で働く従事者も減少傾向にあり、2013年が4,552人だったのに対して、2020年は3,314人。6年間で約1,200人も減っています。

(出典:日本SMO協会「JASMOデータ2020(2021年4月実施)」/https://www.jasmo.org/assets/pdf/about/data2021.pdf

そのため、現在は治験コーディネーターの需要が非常に高く、しばらくは売り手市場が続くと推測して良いでしょう。

がん領域に知見がある人は重宝される傾向にある

がん領域に知見がある方は、治験コーディネーターへの転職を検討する際に、有利となる傾向があります。

治験は、製薬会社が「薬機法」や「医薬品の臨床試験の実施基準に関する省令(GCP)」に基づいて、治験実施計画書(プロトコール)を作成し、治験責任医師が計画書に合意することでスタートします。そのため、CRCは担当するプロトコールを読み込んだ上で、臨床開発モニターや医師、看護師から情報を集めるなどして、理解を深めなければなりません。

また、日本SMO協会のデータによれば、治験の際に提出されるプロトコールのうち、抗悪性腫瘍薬を対象としたプロトコールは増加傾向にあり、2012年度が303件だったのに対して、2020年度は1,013件となっています。

そのため、がん領域に詳しい方は、治験コーディネーターとしての需要がより高く、即戦力として活躍しやすいと言えるでしょう。

(出典:日本SMO協会「JASMOデータ2020(2021年4月実施)」/https://www.jasmo.org/assets/pdf/about/data2021.pdf

SMO求人が大半を占める

SMOとは、「治験施設支援機関(Site Management Organization)」の略であり、医療機関が実施する治験業務が、適正かつ円滑に進むように支援する組織です。

近年では、多くの医療機関が治験をSMOに外注する傾向にあり、治験コーディネーター求人の大半は、SMOからの募集となっています。

多くの職場で医療関連資格が求められる

治験コーディネーターとして働くには、医学や薬学、医療システムに関する知識が不可欠です。そのため、多くの職場で臨床検査技師や臨床工学技士、看護師、薬剤師などの医療関連資格を求められる傾向にあります。

日本SMO協会のデータによれば、治験コーディネーターが保有する資格のなかで、いちばん多いのが臨床検査技師であり、全体の約28.8%が保有しています。次いで、看護師資格が約26.8%、管理栄養士が約7.9%、薬剤師が約4.5%となっています。

一方で、医療関連資格を保有していない治験コーディネーターも一定数存在しており(全体の27.8%)、医療関連資格がない方でも、挑戦することが可能な職種だと言えるでしょう。

(出典:日本SMO協会「JASMOデータ2020(2021年4月実施)」/https://www.jasmo.org/assets/pdf/about/data2021.pdf

【関連リンク】SMOとは?主な業務やサポートの流れ・CROとの違い

治験コーディネーターの平均給与

治験コーディネーターの仕事に興味を持つ方にとって、「治験コーディネーターの平均給与がどのくらいか?」は、非常に気になる点でしょう。

以下は、マイナビコメディカルの求人情報から概算した、治験コーディネーターの平均年収です。

治験コーディネーターの平均年収
約370万~430万円

(出典:マイナビコメディカル/https://co-medical.mynavi.jp/

マイナビコメディカルで、治験コーディネーターの求人をさらに細かく見ていくと、SMO勤務の治験コーディネーターの平均年収は約320万~420万円、医療機関・クリニックでは約350万円~480万円となっています。

以上のことから、SMOよりも医療機関・クリニックのほうが、治験コーディネーターの平均年収がやや高い傾向にあると言えそうです。

【関連リンク】治験コーディネーターの平均年収|
給料の特徴・主な福利厚生も

治験コーディネーターへの転職に成功しやすい職業

日本SMO協会のWebサイトによれば、「治験コーディネーターとして働く場合、医療関連資格や医療機関での臨床経験を有する人は、活躍しやすい」とされています。

(出典:日本SMO協会「CRCとして働くには」/http://jasmo.org/recruit/working/index.html

先に紹介したように、治験コーディネーターになるのに特別な資格は必要ありませんが、医療系の知識や医療従事者としての業務経験は、治験コーディネーターの業務に十分役立てられるでしょう。

ここでは、治験コーディネーターへの転職が成功しやすい職業を紹介します。

臨床検査技師

臨床検査技師は、患者さまから採取した血液、尿などの検体を調べる「検体検査」や、心電図や超音波などを使って患者さまの体を直接調べる「生体検査」を行い、医師やその他の専門職に科学的なデータを提供する職種です。

「検査のプロ」として高い専門性を持っているため、治験者に何らかの異常が発生した場合でも、速やかに察知して医師に報告できる点が強みとなるでしょう。

臨床工学技士

臨床工学技士は、医師の指示のもとで人工呼吸器、人工透析装置、人工心肺装置などの操作を行うほか、そうした医療機器を安全かつ的確に使用できるように、保守・点検する役割も担っています。

臨床工学技士の業務を通じて身に付けた、透析の知識やカルテ判読の経験などは、治験コーディネーターの業務にも十分生かすことができます。

診療放射線技師

診療放射線技師は、放射線を使用したレントゲン検査、MRI検査をはじめ、さまざまな検査・治療に携わる技術者です。

診療放射線技師は画像診断の経験が豊富なため、多くの画像診断が求められる新薬開発の現場では、特に重宝される傾向にあります。また、臨床工学技士と同様に、カルテ判読の経験治験コーディネーターの業務に生かせるでしょう。

薬剤師

薬学の専門家である薬剤師は、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行う職種です。薬剤師は、医薬品に関する知識が豊富なため、治験で扱われる新薬の有効性や安全性、研究開発の意図について理解しやすい職業と言えるでしょう。

また、服薬指導で培った薬の効能・用法を分かりやすく患者さまに説明するスキルは、治験における被験者へのケアやサポートでも生かすことができます。

看護師

看護師は、療養上の世話や医師の診療補助を通じて、傷病者や妊産婦、高齢者など、健康にさまざまな問題を抱える方たちの生活を支える仕事です。医師や患者との円滑なコミュニケーションが求められる職業でもあるため、業務を通じて培ったコミュニケーションスキルは、治験コーディネーターの仕事にも役立てられるでしょう。

また、症状に関する知識や被験者の容体を確認するスキルも身に付いているため、看護師から治験コーディネーターへの転職は、比較的成功しやすい傾向にあります。

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治験コーディネーターが転職する際に押さえるべきポイント2つ

医療資格の保有者や治験業務経験者は、治験コーディネーターへの転職に有利であるため、治験コーディネーターに興味がある場合は、積極的に挑戦してみましょう。

治験コーディネーターへの転職においては、以下のポイントを押さえることが大切です。

〇都心部の求人を探す
都心部は、がん領域などの先端医療に関する治験が増加傾向です。そのため、治験コーディネーター求人の多くは都心部に集まっています。
〇治験コーディネーターの転職に強い求人サイトを利用する
看護師、薬剤師などの医療関連職と比較した場合、治験コーディネーターは、求人数がやや少ない傾向です。治験コーディネーターの転職に強い求人サイトを利用することで、転職の成功確率を上げることができるでしょう。

マイナビコメディカルは、治験コーディネーターの求人を多く扱っているだけでなく、履歴書の書き方や面接対策といった、転職者向けのサポートも充実しています。治験コーディネーターへの転職をお考えの方は、ぜひ一度「マイナビコメディカル」にご相談ください。

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まとめ

厚生労働省の資料によれば、臨床研究・治験を実施する人材は数と質の両方で、いまだ十分でない」状況にあり、治験コーディネーターの需要は非常に高い傾向にあります。

治験コーディネーターとして働くには、医学や薬学、医療システムに関する知識が求められるため、臨床検査技師や臨床工学技士、看護師、薬剤師といった医療関連資格の保有者は、治験コーディネーターへの転職に成功しやすい職種と言えるでしょう。

なお、病院・クリニックなどで働く治験コーディネーターは、求人数こそ少ないものの、平均給与はSMOよりも高めとなっています。いままでの経験や資格を生かして、治験コーディネーターへの転職をお考えの方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください。

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※当記事は2022年5月現在の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

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