柔道整復師の年収はどれくらい?企業規模・年齢別の目安と収入アップのコツを解説
更新日 2026年01月08日 公開日 2026年01月08日

文:詠村太郎(柔道整復師)
柔道整復師として働くうえで、「自分の年収は平均と比べてどうなの?」「将来的にどれくらい昇給が期待できるのか?」など、収入は多くの方が関心を持つ部分です。
将来、柔道整復師として働くことを考えている方にとっても、収入は生活やライフプランに直結するだけに大変気になるところでしょう。
この記事では、年齢別・職場別に柔道整復師の平均年収を詳しく解説していきます。また、ほかの医療職との比較や、今後さらに収入を上げていくための具体的な方法も紹介します。ぜひ今後のキャリアプランを考えるための参考にしてください。
目次
柔道整復師の平均年収は?

ここでは、厚生労働省の「職業情報提供サイト(job tag)」と「令和6年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、全体の平均年収から初任給、賞与、地域差まで、収入の実態を整理します。
全体の平均年収と月収の目安
柔道整復師の平均年収は全国平均で430.2万円で、求人賃金(月額)の平均は27.2万円です。
この2つの数値は、年収が賞与(ボーナス)などを含む「総支給額」の実績であるのに対し、月収は「募集時の基本給与」の目安となります。 算出の前提が異なるため、月収を12倍しても年収とは一致しないため注意が必要です。
初任給の目安
柔道整復師の新卒(経験0年)の所定内給与額は月額23.83万円となっています。 これは、残業代は含まれませんが、基本給に加えて固定的に支払われる手当を含む金額になります。
ちなみに、新規学卒者(産業計・企業規模10人以上)の平均所定内給与額は、専門学校卒は22.28万円、大学卒では24.83万円となっています。
賞与・ボーナスの傾向
「その他の保健医療従事者」(柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などを含む)の「年間賞与その他特別給与額」は平均で65.9万円です。
ただし、これはあくまで全体の平均値なため、賞与の有無や支給額(基本給の何か月分か)は、勤務先の経営状況や給与規定によって大きく異なるケースがあります。
地域別の年収差
勤務する地域によっても年収は異なります。主要都市圏の平均年収は以下の通りです。
| 地域 | 平均年収 |
|---|---|
| 東京都 | 490.8万円 |
| 愛知県 | 510.1万円 |
| 大阪府 | 423.5万円 |
| 福岡県 | 515.5万円 |
| 全国平均(参考) | 430.2万円 |
愛知県や福岡県のように全国平均を80万円以上も上回る地域もあれば、大阪府のように平均を下回る地域もあり、地域によって大きな差があることがわかります。
年齢別に見た柔道整復師の年収目安
「職業情報提供サイト(job tag)」によると、柔道整復師の年齢別平均年収は以下のようになっています。
| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| ~19歳 | 321.44万円 |
| 20~24歳 | 355.45万円 |
| 25~29歳 | 393.6万円 |
| 30~34歳 | 418.9万円 |
| 35~39歳 | 450.21万円 |
| 40~44歳 | 500.05万円 |
| 45~49歳 | 455.45万円 |
| 50~54歳 | 447.59万円 |
| 55~59歳 | 489.61万円 |
| 60~64歳 | 382.87万円 |
| 65~69歳 | 318.35万円 |
| 70歳~ | 232.13万円 |
データを見ると、年収は20代から30代にかけて上昇し、40〜44歳でピークの500.05万円に達します。その後は400万円台で推移しますが、60代以降はゆるやかに減少していく傾向が見られます。
職場別に見た柔道整復師の年収目安
柔道整復師の年収は、勤務先の施設の規模によっても傾向が異なります。
「令和6年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、施設規模別の年収目安を算出しました。
施設規模別の収入目安(令和6年)
| 企業規模 | およその平均年収(目安) |
|---|---|
| 10~99人 | 約406万円 |
| 100~999人 | 約422万円 |
| 1,000人以上 | 約459万円 |
出典:令和6年賃金構造基本統計調査
※年収は「月給 × 12か月 + 全体平均の年間賞与額(65.9万円)」として算出
企業規模10~99人(多くの接骨院や個人のクリニックが含まれると想定される)の年収目安は約406万円です。
これが100~999人規模(中規模の病院や複数の施設を持つ法人など)になると、年収目安は約422万円に上がります。
さらに1,000人以上規模(大病院や医療法人グループなど)では、年収目安は約459万円となります。
規模が大きくなるにつれて年収が上昇する傾向があります。これは基本給の設定のほか、福利厚生や各種手当の充実度が影響していると考えられます。
ほかの医療職との比較
柔道整復師の年収を、ほかの医療系国家資格を持つ職種の平均年収(全国平均)と比較してみましょう。
| 職種 | 平均年収(全国平均) |
|---|---|
| 理学療法士(PT) | 444.2万円 |
| 作業療法士(OT) | 444.2万円 |
| はり師・きゅう師 | 430.2万円 |
| 柔道整復師 | 430.2万円 |
理学療法士や作業療法士(いずれも444.2万円)が、柔道整復師(430.2万円)をやや上回っています。
ただ、柔道整復師が理学療法士、作業療法士と異なっている点は、独立開業が認められている資格であることです。そのため、自身の働き方や経営努力次第で、平均年収を上回る可能性を秘めています。
出典:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」|理学療法士(PT)
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」|作業療法士(OT)
年収を上げるためのポイント

柔道整復師が収入を上げるための主な方法として、「職場環境の見直しと昇進」「資格取得によるスキルアップ」「独立開業」の3点があります。
ここでは、それぞれの方法を具体的に解説します。
職場環境の見直しと昇進
現在の職場で昇給が頭打ちになっている場合、年収を上げるための手段としてより高い給与体系の職場へ移ることが挙げられます。
その際に注目してほしいのは、基本給に加えて、施術実績がインセンティブとして反映される「歩合制」を導入している職場です。
また、「分院長」や「マネージャー」といった役職(ポジション)を募集している求人も、能力や実績が収入に直結しやすいため、大幅な年収アップが期待できます。
私が勤務していた接骨院も、基本給に「施術数」「自費」「物販」「院の売上(院長の場合)」などの成績に応じて、歩合がついていました。収入増につながるため、日々の業務のモチベーションも高まったように感じます。
また、エリアマネージャーや役職などにつく選択肢もありました。独立開業というリスクを負わずに、およそ800〜1,000万円の収入を得られる可能性がある点はメリットでした。一方で、運営に回ると現場を離れないといけないため、現場にいたい方には向いていないかもしれません。
柔道整復師としてのキャリアを考えるうえで、「施術家として技術で収入を伸ばす」か「組織内で昇進によって収入を上げる」かの選択があることを、知っておいて損はないと思います。
複数資格の取得・スキルアップ
さらに関連する資格やスキルを習得すれば、対応できる業務の幅が広がり、自身の市場価値を高められます。
たとえば、「鍼灸師」の国家資格も取得して施術の幅を広げることや、介護分野で需要が高い「機能訓練指導員」の要件を満たすことなどが挙げられます。
ほかにも、スポーツトレーナーとしての専門知識や高度なテーピング技術、外傷への対応力といった実践的スキルも自身の強みとなり、収入増加につながる可能性が高まります。
独立・開業で年収を伸ばす
自ら施術所を開業し経営が軌道に乗れば、平均年収を大きく上回る収入が期待できます。
独立開業する場合、施術の技術だけでなく、集客のためのマーケティングや院を運営する経営知識も必要となります。将来の独立を視野に入れ、分院長などのポジションで運営実務を経験しておけば、開業後にその経験が活かせるでしょう。
まとめ:平均データと現状を比較し、今後の働き方を考える
柔道整復師の年収は、地域や施設規模、年齢によって幅がありますが、全国平均で430.2万円という水準です。
年収アップを目指すなら、歩合制や役職のある職場への転職、鍼灸師など複数資格の取得によるスキルアップ、そして独立開業という選択肢があります。独立開業は、経営努力次第で平均を大きく上回る収入を得ることも可能です。
施術家として技術を磨き続けるか、マネジメントの道を選ぶか、あるいは独立して経営者になるか。自分のキャリアビジョンに合わせた働き方を選択できるのが、柔道整復師という資格の魅力といえるでしょう。
まずは現在の立ち位置を把握し、将来を見据えた戦略的なキャリアプランを描いてみることをおすすめします。
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参考
3学会合同呼吸療法認定士の活動状況に関するアンケート調査結果(概要)
柔道整復師の年収は、資格を取得しただけでは大きく伸びにくく、就業先の形態や役職、働き方によって大きく左右されます。特に民間主体の医療・施術分野であるため、勤務先の経営状況や自費診療の割合、地域ニーズなどの影響を強く受けます。一方で、他の医療職にはない「独立開業」という道が開かれており、経営能力や集客力を身につければ高収入も期待できます。重要なのは、施術者としての専門性を高めつつ、経営的視点やサービス提供力を意識してキャリアを設計することです。
著者プロフィール

詠村 太郎
柔道整復師
柔道整復師として接骨院に6年間勤務、述べ32,000人を施術。院長も歴任。100人規模の受講生が集まる治療系のセミナーで2年間インストラクターとして働いた経験もある。現在は治療現場を離れ、少しでも多くの方に有益な健康情報を届けられるよう、ライターとして活動中。
監修者プロフィール

関 勇宇大
理学療法士
2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。













