理学療法士は転職回数が多くても大丈夫?転職を成功させるポイントも
一般的には「転職回数が多いほど、転職が不利になる」といわれています。しかし、理学療法士に関しては、転職回数の多さが必ずしもマイナスに働くとは限りません。実際、転職回数が多くても、転職を成功させている理学療法士はたくさんいらっしゃいます。
この記事では、理学療法士の平均転職回数・勤続年数、転職回数の多さがマイナスにならない理由などを詳しく解説します。転職回数が多い理学療法士が転職を成功させるためのポイントについても取り上げるので、転職に不安に感じている方はぜひご覧ください。
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目次
理学療法士の平均転職回数|転職回数の多さがマイナスにならない理由
厚生労働省をはじめとする公的機関が公開している資料を探しても、理学療法士の平均転職回数がわかる調査やデータは見あたりません。したがって、理学療法士の明確な平均転職回数は不明です。
そのため、厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」で、2022年における理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均勤続年数を確認したところ、7.3年という結果でした。
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/index.html)
勤続年数の短さは、同じ職場で働き続けるケースが多くないことを示すため、理学療法士は比較的転職回数が多い職種だと推測されるでしょう。
ただし、理学療法士の転職活動において、転職回数の多さが不利に働くケースはほとんど見られません。ここでは、転職回数の多さがマイナスにならない理由を、4つの視点から解説します。
転職が受け入れられている業界であるため
前述したように、理学療法士は転職が珍しくない職種のため、転職回数が多くても職場側が受け入れやすい傾向にあります。
人の入れ替わりが少ない業界だと、「転職回数が多いのは、本人に何か問題があるのかもしれない」と見られ、不利になることがあるかもしれません。しかし、転職が一般的な理学療法士の業界では、他の応募者も転職を重ねているケースが多く、転職回数がマイナスに働くことはあまりありません。
以下で紹介するように、転職回数よりも熱意や人柄、経験といった要素を重視する職場のほうが多いでしょう。
仕事への熱意や人柄が重視されるため
理学療法士の求人においては、仕事への熱意や人柄を重視する職場が多く見られます。
理学療法士の役割は、病気やけがなどで身体に障害がある方や、障害の発生が予見される方をサポートすることです。そして、そのためには患者さまに寄り添う姿勢や、患者さまとの信頼関係の構築が必要不可欠となります。
それを踏まえれば、仕事への熱意や人柄で高い評価を得られる理学療法士は、転職回数にかかわらず採用される可能性が高いでしょう。
転職を「キャリアアップの手段」と見てもらえるため
理学療法士の場合、転職の理由が明確であれば、回数が多くても「キャリアアップの手段」として見てもらえます。
一般的には、転職回数が多いと「同じ職場で腰を据えて働くのが苦手なのかも」と思われがちです。しかし、転職回数が多くなったことに明確な理由があり、転職で得た経験を生かそうとする意志があれば、必ずしもマイナスの印象にはならないでしょう。
特に、「特定のリハビリ分野について専門性を高めたい」という目的で転職が多くなっている場合は、キャリアアップのために必要な転職だったことがアピールできます。
キャリアアップを目指した転職であれば、応募先も理解を示してくれることが多く、転職回数の多さはマイナスになりません。
中途採用者のニーズが高いため
理学療法士の業界では、中途採用者のニーズが高い傾向にあります。中途採用者には、さまざまな業務を経験してきた方や、人間関係の構築に慣れている方が多く、それらを「貴重なスキル」だと捉える職場が多いためです。
理学療法士は幅広い知識や経験が求められるため、転職によって仕事の幅を広げ、新たな経験・経験を身につけることは大きな武器となります。
理学療法士の転職に理解を示し、中途採用者を積極的に採用する職場は多いので、転職回数の多さをマイナスだと考える必要はないでしょう。
理学療法士の転職で転職回数が与える影響
ここまで、転職回数の多さが理学療法士の転職においてマイナスにならないことを解説してきました。しかし、まったく影響がないかというとそうではありません。以下では、転職の「回数・頻度」や「年齢」が採用に与える影響について紹介します。
回数・頻度による影響
転職回数が極端に多かったり、非常に短い期間で転職していたりすると、採用担当者に好ましくない印象を与える可能性があります。
「専門性を磨きたい」「理学療法士としてキャリアアップを目指したい」といった目的のある転職であれば、回数が多くてもマイナスにはなりません。一方で、今までに十数回も転職している場合や、1年程度の短い期間で転職している場合は、目的のある転職とは見てもらえず、「ネガティブな理由で転職を繰り返しているだけではないか」と思われやすいでしょう。
ただし、転職の回数・頻度だけで採用か不採用かが決まるわけではありません。面接の際、転職が多くなった事情や自身の経験・熱意をきちんと伝えることで、マイナスの印象を打ち消すことは十分可能です。
年齢による影響
転職においては、年齢が若いほうが転職回数が多くても採用されやすい傾向にあります。
職場側は、求人を行うにあたって「長く活躍してくれる人材がほしい」と考えているため、年齢が若いほうが求める人物像にマッチしやすいのです。反対に、年齢を重ねている方は、「今まで転職を繰り返しているなら、採用してもまた転職する可能性が高い」という印象を持たれる可能性があります。
ただし、年齢を重ねている方のなかには、経験や知識、スキルを十分に積んでいる方が少なくありません。転職回数が多く、年齢も重ねている方は、そうした強みを採用担当者にアピールしましょう。
理学療法士の転職におすすめの時期
理学療法士が転職する場合、おすすめの時期は「4月」と「10月」です。
4月は年度末、10月は上半期が終わった時期であり、医療機関や福祉施設、企業では異動・退職による人の入れ替わりが活発になります。理学療法士の人数が不足する職場も増えるため、その時期に向けて求人募集が出やすくなるでしょう。
4月と10月の入社は、現在勤務している職場を退職するにあたっても適切なタイミングです。年度末・期末で仕事の区切りがつけやすいので、退職までの流れが比較的スムーズになるでしょう。
なお、転職活動は入社時期の3か月ほど前にスタートするのがおすすめです。求人サイトや転職エージェントを上手に活用しながら、自己分析や情報収集を進めていきましょう。
転職回数が多い理学療法士が転職を成功させるためのポイント
理学療法士は転職回数の多さがマイナスにはならないものの、回数・頻度や年齢によっては、転職活動がスムーズに進まないケースも考えられます。
最後に、転職回数が多い理学療法士が、転職を成功させるために押さえるべき3つのポイントを紹介しておきましょう。
長く勤務する意思を示す
履歴書の志望動機や面接などでは、「応募先で長く勤務したい」という意思を示しましょう。
転職回数が多い方は、「採用してもすぐに離職するのではないか」という懸念を持たれやすい傾向にあります。長く勤務する意思を示すことは、採用担当者の懸念を打ち消すために必要な対策といえるでしょう。
長く勤務する意思を示すには、応募先で達成したいキャリアやポジションを具体的に伝えることが大事です。「リハビリチームとして患者さまのサポートに努め、将来的にはリーダーとして活躍したい」など明確な言葉にすると、採用担当者に意思が伝わりやすくなります。
転職理由をポジティブなものにする
採用担当者の好印象につながるように、転職理由はポジティブに伝えましょう。
転職回数が多い方の場合、「職場の人間関係の悪化」や「給与・待遇面への不満」といったネガティブな理由が転職の動機になっているケースもあるでしょう。
転職は、職場における課題や不満を解消する手段の1つですが、ネガティブな理由をそのまま伝えるのはおすすめできません。採用担当者に「採用しても課題や不満が発生したら、また辞めてしまうかもしれない」という印象を与えかねないからです。
転職の理由がネガティブなものであっても、書類や面接ではポジティブな内容に変換して伝えましょう。「職場の人間関係の悪化」であれば、「同僚や他の職種と協力し合う機会が多い職場で、チームワークを大切にしながら働きたいと感じた」と伝えることで、ポジティブな転職理由になります。
失敗の原因を分析して転職活動を進める
すでに転職活動を行っていて、面接に落ちた経験がある場合は、失敗の原因をきちんと分析することが重要です。
特に、転職回数・頻度が多かったり、年齢を重ねていたりするケースでは、不利な点を払拭できるように対策を練る必要があります。転職活動で失敗した原因を分析し、改善することで、合格の可能性を高めましょう。
ただし、転職活動における失敗の原因は、自己分析だけでは把握できないこともあります。そうした場合は転職エージェントを活用するなどして、転職の専門家に相談してみるのがおすすめです。
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まとめ
理学療法士の転職回数に関する公的なデータはありませんが、平均勤続年数が7.3年と短いことから、「理学療法士は転職回数が多い職種」だと推測されています。
しかし、理学療法士の転職では経験やスキル、人柄、熱意などが重視される傾向にあるため、転職回数の多さが不利に働くわけではありません。転職の理由が「専門性を磨くこと」や「キャリアアップ」であれば、転職回数の多さに理解を示してくれる職場も多いでしょう。
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※当記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています
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