理学療法士で医療機器メーカーの転職はあり?働くメリットや転職のポイントを解説

更新日 2026年01月14日 公開日 2026年01月14日

理学療法士で医療機器メーカーの転職はあり?働くメリットや転職のポイントを解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

理学療法士で医療機器メーカーへの転職はありなのか、気になる方もいるのではないでしょうか。理学療法士の知識や経験は医療機器メーカーで活用できるため、転職後も活躍しやすい領域といえます。

この記事では、理学療法士が医療機器メーカーで働くメリットや具体的な仕事内容をご紹介します。どのような仕事なのかを知ることで、今後の転職先を決めるきっかけになるでしょう。

 

理学療法士は医療機器メーカーで働ける?

結論からいうと、理学療法士は医療機器メーカーで働くことが可能です。臨床現場での経験を活かして医療機器メーカーに転職し、さまざまな分野で活躍している理学療法士は少なくありません。

医療機器メーカーにとって、理学療法士の専門知識や臨床経験は重要といえます。たとえば、臨床現場の経験があれば「もっとこういう機能があれば使いやすい」といった具体的なアイデアを出せます。営業職であれば、医師やほかのセラピストに対して、製品の利点や効果的な使い方を専門的かつ具体的に説明できるでしょう。このように、理学療法士の知識とスキルは、医療機器メーカーの多様な職種で活かせるのです。

理学療法士が医療機器メーカーで働くメリット

理学療法士が医療機器メーカーで働くメリット</h2 理学療法士が医療機器メーカーで働くと、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットをご紹介します。

給与アップが期待できる

医療機器メーカーへの転職によって、理学療法士のときと比較して給与アップが期待できます。理学療法士の平均年収は、令和6年度の賃金構造基本統計調査によると「約444万円」とされています。しかし、医療機器メーカーであればそれ以上の給与を得られる可能性は十分にあるでしょう。

医療機器メーカーの給与体系は、基本給に加えてインセンティブ(歩合給)が上乗せされることも珍しくありません。とくに営業職では売上目標の達成率に応じて報酬が加算されるケースも多く、自身の努力や成果が給与に反映されやすいです。成果を出すことでより高い収入を目指せる環境が整っている点は、大きなメリットといえます。

身体的負担を軽減できる

医療機器メーカーへの転職により、身体的な負担を減らせる点もメリットです。臨床現場での仕事は、患者さんの移乗や歩行介助など、体力を要する業務が中心です。長時間の立ち仕事や中腰での姿勢も多く、腰や膝を痛める理学療法士も少なくありません。

一方で、医療機器メーカーの業務はデスクワークが中心になることが多いです。身体的な負担が少ないため、年齢を重ねても働きやすく、長期的な視点でのキャリア形成が可能です。

さまざまなビジネススキルを学べる

医療機器メーカーで働くことで、さまざまなビジネススキルを学べます。たとえば、製品の企画・開発部門では、市場のニーズを調査・分析し、どのような製品が求められているかを考える必要があります。営業職であれば、医師や病院の経営層に対して製品を提案するためのプレゼン能力や交渉力を磨けるでしょう。

これらのビジネススキルは、社内でのキャリアアップはもちろん、将来の働き方の選択肢を広げるきっかけになります。

理学療法士が医療機器メーカーで働く際のおもな仕事内容

理学療法士が医療機器メーカーで働く際のおもな仕事内容</h2 理学療法士が医療機器メーカーで働く場合、どのような仕事を行うのでしょうか。ここでは、具体的な仕事内容について解説します。

営業・マーケティング

営業職は医療機関や介護施設などを訪問し、自社の医療機器を販売・提案する仕事が中心です。単に製品を売るだけでなく、導入後のアフターフォローやサポートまで一貫して担当することも多いです。

理学療法士の資格があれば、製品の専門的な説明や操作方法の案内を的確に行えるでしょう。マーケティング部門では、医療機器を広めるための宣伝戦略を立てる役割を担います。臨床知識を活かすことで、より効果的なプロモーションの企画につながります。

製品企画・開発

理学療法士の専門性を活かせる職種の一つが、製品の企画・開発です。まず医療現場の現状を研究し、現場のニーズにもとづいて、新しい製品のコンセプトを企画します。

開発・設計の段階では、エンジニアやデザイナーなどと協力してアイデアを形にします。理学療法士であれば臨床現場のニーズを深く理解できるため、自分のアイデアが製品となり、医療現場の課題解決に貢献できるでしょう。

事務作業

医療機器メーカーでの仕事は、製品に直接関わるものだけではなく、企業全体を支える事務職として働く選択肢もあります。具体的な仕事内容としては、人事や総務などの部門での業務が中心です。

人事は従業員の採用や育成、労務管理などを担当し、総務はオフィスの環境整備や備品管理など、社員が快適に働けるためのサポートをします。理学療法士としての経験とは異なる分野ですが、企業運営を支える仕事として活躍の場があります。

医療機器メーカーで求められるスキル

医療機器メーカーでは、どのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、求められる具体的なスキルについて解説します。

コミュニケーションスキル

医療機器メーカーで働くうえで、コミュニケーションスキルは職種を問わず重要です。医療機器メーカーの仕事では、多くの人と連携しながら仕事を進める必要があります。

とくに営業職の場合、訪問先の医師や看護師などの医療スタッフと直接話す機会が頻繁にあります。製品の機能や特徴を分かりやすく説明したり、相手のニーズを引き出したりするためには、コミュニケーションスキルが欠かせません。

【営業職の場合】普通自動車免許

医療機器メーカーの営業職を目指す場合、普通自動車免許の取得が必須となるケースがほとんどです。営業職は、基本的に車で移動して病院やクリニックなどの医療機関を訪問する必要があります。そのため、多くの企業が応募の必須条件として普通自動車免許をあげています。免許がない場合は、まずは取得を目指しましょう。

【研究職の場合】臨床工学技士の資格

医療機器メーカーの研究開発職を目指す場合、臨床工学技士の資格を持っていると転職時に有利になる場合があります。この資格は、医療機器のスペシャリストであることを証明する国家資格です。

研究開発の現場では、理学療法士としてのリハビリの知識だけでなく、工学的な専門知識も求められることが多いです。臨床工学技士の知識があればスムーズな医療機器の開発につながるでしょう。この資格は必須ではありませんが、臨床工学技士があれば研究開発職として活躍できる幅は大きく広がります。

理学療法士から医療機器メーカーへ転職する際のポイント

理学療法士から医療機器メーカーへ転職する際は、どのような点をおさえるべきなのでしょうか。ここでは、転職する際のポイントを解説します。

自分がしたいことを明確にする

転職活動する際は、まずは自分が何をしたいのかを明確にすることが大切です。なぜ転職するのか、医療機器メーカーでどのような働き方をしたいのか、その目的を具体的にしましょう。一口に医療機器メーカーといっても営業職や製品開発など、仕事内容は多岐にわたります。

また、これまでの臨床経験やコミュニケーション能力など、自分の強みを整理しておくことも重要です。転職の目的と自身の強みをはっきりさせることで、自分にあった転職先を発見しやすくなります。

転職サイトを活用する

転職活動の進め方に迷った場合は、転職サイトを活用してみましょう。とくに、理学療法士や医療業界に特化した転職サイトの利用がおすすめです。専門の転職サイトであれば、理学療法士の経験を活かせる求人を探しやすくなります。

転職エージェントに相談すれば、自分の希望にあった転職先を紹介してくれることもあります。ひとりで転職活動を行うのが不安な方は、こうしたサービスを活用してみましょう。

希望する転職先の情報をよくチェックしておく

希望する転職先が見つかったら、その企業の情報を事前にしっかりとチェックしておきましょう。企業について十分にリサーチしておけば、面接の際に根拠を持って熱意を伝えられます。具体的には、以下のような情報をチェックしておきましょう。

  • ・企業の社風
  • ・扱っている製品分野
  • ・教育研修
  • ・キャリアパス

理学療法士から医療機器メーカーへの転職を成功させよう

医療機器メーカーは、理学療法士の経験や知識を活かせる転職先の一つです。医療機器メーカーの転職により、給与アップや肉体的な負担軽減などのメリットが期待できます。

転職する際は自分がしたいことを明確にしつつ、気になる企業を徹底的にリサーチすることが重要です。ぜひ今回の記事を参考にして、医療機器メーカーへの転職を検討してみましょう。

参考

政府統計の総合窓口|令和6年賃金構造基本統計調査

【監修者コメント】
理学療法士の臨床経験は、医療機器メーカーでの就業において強いアドバンテージになります。特に製品の提案や教育、臨床サポートにおいて具体的な利用場面を説明できる点は評価が高いです。また、給与や負担軽減といったメリットもありますが、仕事内容の違いや求められるビジネススキルの習得が必要です。転職を検討する際は、業務内容・社風・キャリアパスを慎重に比較し、自身の経験と希望が一致するかを見極めることが成功の鍵となります。

 

著者プロフィール

内藤 かいせい

理学療法士

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

監修者プロフィール

関 勇宇大

理学療法士

2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。

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