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理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

公開日:2021.07.27 更新日:2021.08.03

理学療法士が公務員として働くには?

文:rana(理学療法士)

公務員といえば、「安定した職」「社会的な信用度が高い」といった良いイメージを持つことが多いかもしれません。実は、理学療法士も公務員として働くことが可能です。

なぜなら国や都道府県、市町村が運営する病院や行政に勤務する理学療法士は公務員として扱われるからです。今回は、理学療法士が公務員になるメリットや、公務員になるにはどうすればよいのかについて詳しく解説します。

公務員理学療法士とは?民間との大きな違い

理学療法士の勤務先としては、一般病院、クリニック、老人保健施設などが代表的です。基本的には個人や法人が経営している施設が多く、雇用されれば会社員の扱いとなります。民間であることから、施設の経営次第では給料が変動する可能性があり、最悪の場合、勤務先がつぶれて職を失ってしまうことも考えられます。

一方、県立病院や市立病院、保健所など、市や県が運営する病院や行政機関で働く場合は、国や地方公共団体に雇用されることになり、公務員として勤務します。

これらの病院は営利目的ではなく、地域住民に対して医療を提供することを目的としています。そのため経営が悪化したとしても、基本的には税金によって補てんされ、勤務先がつぶれて職を失うことはほとんどありません。

公務員理学療法士のメリットは休日・雇用の安定・福利厚生

では、理学療法士が公務員として働くと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。代表的な3つのメリットをまとめました。

1.カレンダー通りに休日が取りやすい

リハビリテーション病院や民営の病院では、土日や祝日もリハビリを行っているところもあり、希望通りに休みが取れないことがあります。

しかし、県立病院や市立病院などの公的施設は基本的に土日や祝日、お盆や正月などを休診日としていることも多く、休みが取りやすいのが特徴です。

公務員になれば、プライベートを充実させやすいのが魅力の1つといえるでしょう。

2.雇用が安定している

民間の病院や施設では、経営次第で解雇されたり、閉鎖になって職を失ってしまったりする可能性があります。

しかし公務員の理学療法士が働く施設の場合は、国や自治体が経営しているため、経営不振による解雇や閉鎖の心配が少なく、安定して働けるというメリットがあります。

3.手当や退職金など福利厚生が充実している

公務員は家族手当や住宅手当、通勤手当など、福利厚生が充実しているのが特徴です。

また、民間の病院や施設と比べて、賞与や退職金が多い傾向にあることや、勤続年数を重ねるごとに昇給しやすいのもメリットといえるでしょう。

公務員理学療法士のデメリットは副業禁止と年功序列

公務員として働く場合、メリットがある反面、デメリットも生じます。

1.副業ができない

公務員は原則、副業が禁止されています。

そのため、休みの日に非常勤で他の施設で働いたり、セミナー講師を務めたりして報酬を得ることができません。副業による収入の確保を行っている人や、副業に対してやりがいを感じている人にとってはデメリットといえるでしょう。

2.実力主義ではなく年功序列

公務員は勤続年数に応じて昇給し、キャリアアップしていきます。そのため、多くのスキルを取得して、他者よりも結果を出したとしても、それに見合った収入や地位が得られるとは限りません。

年功序列のため、場合によっては自分よりスキルの劣る先輩が役職に就くこともあるでしょう。そうした状況に不満を感じる人は、モチベーションを維持することが難しいかもしれません。

公務員理学療法士になるには?まずは採用試験に応募を

理学療法士が公務員として働くには?
公務員理学療法士になるには、理学療法士の資格を取るだけでなく、地方自治体が運営する事業所が設定した「公務員採用試験」に合格する必要があります。

試験内容は採用先によって異なりますが、理学療法士の専門知識を問われる「専門試験」と、言語・数的能力や一般常識が問われる「一般教養試験」の2つの試験をパスしなければいけません。勤務先によっては教養試験ではなく、「一般性格診断検査」が行われることもあります。

そのうち一般教養試験は養成校では教わらない内容なので、理解するのに苦労する人もいることでしょう。自身で関連書籍を購入して独学することも可能ですが、なかには予備校や専門学校に通ったり、通信講座を受講したりしながら合格を目指す人もいます。

また民間と同様に面接もあります。面接は専門試験合格後に行われる場合と、専門試験・一般教養試験両方に合格した後に行われる場合があり、採用先によって異なります。

面接で問われる内容も民間の病院と大きな差はなく、理学療法士を目指した経緯や、当施設の志望動機、自己PRなどが主となります。

公務員理学療法士の給料は?民間データと比較した結果

「地方公務員給与実態調査結果(2019年度)」によると、医療技術職のの平均給与月額は37万9,876円でした。
※扶養手当・地域手当は含まない
※薬剤師・医療技術職の区分を参照

一方、理学療法士の平均給与月額を「賃金構造基本統計調査(2019年度)」で確認したところ、決まって支給する現金給与額は28万7,500円でした。
※企業規模計(10人以上)
※理学療法士、作業療法士の区分を参照
※平均年齢33.3歳

平均年齢が異なる可能性はあるものの、公務員理学療法士の方が平均月額が高いことがわかります。続いて、初任給を比べてみましょう。

賃金構造基本統計調査(2019年度)」によると、理学療法士全体の初任給平均は男性が22万9,800円、女性が22万7,900円で、約23万円程度となっています。
※企業規模計(10人以上)
※20~24歳、いずれも経験年数0年目の所定内給与額

一方、公務員理学療法士の初任給は「独立行政法人国立病院機構の新卒募集情報」を参考に見てみましょう。大卒で基本給18万6,100円、短大卒で17万4,900円とされており、そこに扶養手当や特殊業務手当が加算される計算です。

これらをまとめると、公務員理学療法士は初任給は低いものの、民間の施設で働く理学療法士と比べて昇給率が高く、長く勤務するほど給料が上がる傾向にあるといえます。

▼編集部コメント
地方公務員給与実態調査結果では平均年齢がわからないため、その分年収が高くなっている可能性があります。地域差もあるため、就職を希望する自治体のデータを調べてみることをおすすめします。

公務員理学療法士は狭き門、求人募集のチェックはこまめに

公務員として働ける理学療法士の求人は、募集数が非常に少ないものです。一般病院やリハビリテーション病院では、たいていの場合、新年度に複数人が募集されますが、公務員理学療法士は毎年募集が出るわけではありません。

基本的に欠員が出た場合に募集され、募集人数も1~2人と少ないことがほとんどです。募集情報を得るためには、各自治体のホームページや求人募集をこまめにチェックする必要があります。

また、採用試験があることや、応募人数が多いということもあって、競争率が非常に高いのも特徴です。応募する場合は万全の準備をして臨む必要があるでしょう。

自身の将来や今後のキャリアを見据えて、公務員理学療法士を目指してみてはいかがでしょうか。

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rana

rana

理学療法士
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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