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理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

公開日:2026.03.16

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

文:伊東浩樹(理学療法士/保育士)

公務員という職種には一般的に「雇用が安定していて長く働き続けやすい」「社会的信用が高くライフイベントにも柔軟に対応しやすい」といった好印象が持たれやすい傾向がありますが、実は理学療法士も国や都道府県、市町村が設置・運営する医療機関や保健・福祉といった行政分野の職場で勤務する場合には公務員として位置づけられ、その身分は一般の行政職と同様に法律や条例に基づき守られた安定したものとなります。理学療法士としての専門的な技術を活かしつつ、行政が担う地域医療や公衆衛生、保健予防活動などの一端を支える役割を果たすことができるため、公務員として働くことで得られるやりがいは医療現場にとどまらず社会全体の健康づくりにまで広がっていきます。今回は、理学療法士が公務員として働くことにはどのようなメリットがあるのか、また公務員として採用されるためにはどのような流れを踏む必要があるのかについて、最新の状況を踏まえながら分かりやすく、そしてできるだけ詳しく解説していきます。

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公務員理学療法士とは?民間との大きな違い

理学療法士の主な勤務先として一般病院やクリニック、老人保健施設、通所・訪問リハビリ事業所などが挙げられ、多くは個人や医療法人、社会福祉法人といった民間主体によって運営されているため、雇用されると会社員としての扱いとなります。

民間施設では経営状況が給与や賞与に反映されることが多く、患者数の増減や事業方針の影響を受けやすい立場に置かれ、場合によっては事業縮小や閉鎖といったリスクにより職場を失う可能性もゼロではありません。

これに対して、県立病院や市立病院、保健所、障害者支援施設、療育センター、行政の保健福祉部門など、国や地方自治体が運営主体となる医療機関・行政機関で勤務する理学療法士は公務員として任用され、公的機関の一員として働くことになります。

これらの施設は地域住民へ必要な医療や支援を安定的に提供することを目的として設置されており、営利追求を前提としないため、たとえ一時的に運営が厳しくなったとしても税金による財源で補填される仕組みが整えられており、民間のように突然施設が閉鎖されて職を失うといった状況は極めてまれです。

このように、公務員理学療法士は民間勤務と比べて雇用の安定性が高く、社会的信用度も得やすいという点で大きく異なる働き方といえます。

理学療法士が公務員として働ける職場

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

理学療法士が公務員として働ける職場は想像以上に幅広く、市や県が運営する自治体病院をはじめ、リハビリテーションセンター、保健所や保健センター、障害者支援施設や福祉施設、児童発達支援センター、さらには学校や特別支援学校など多岐にわたり、行政職として採用されるケースも含めれば理学療法士の資格を生かした公的分野での活躍の場はさらに広がります。

これらの職場では、医療やリハビリテーションを通じて地域住民の健康づくりや生活支援を担うだけでなく、予防・公衆衛生・福祉政策の実施など、民間施設では経験しにくい公共性の高い業務に携わることができ、安定した雇用環境のもとで専門性を活かしながら長期的なキャリア形成が可能になる点も特徴です。

自治体病院(市民病院・県立病院)

自治体が運営する市民病院や県立病院は、理学療法士が最も公務員として働きやすい代表的な職場です。採用は自治体の職員採用試験を経て行われ、多くの場合は「医療技術職(理学療法士)」として募集されます。

仕事内容は一般病院とほぼ同様ですが、急性期から回復期、地域包括ケアまで幅広い医療ニーズに応え、地域医療の中核として住民の健康管理に携わる役割が求められます。民間病院との大きな違いは、病院経営の安定性や福利厚生の手厚さで、長期的なキャリア形成を見据えて働ける環境が整っています。

リハビリテーションセンター

都道府県や市町村が設置するリハビリテーションセンターでは、重度身体障害者や難病患者、発達障害児、地域住民のリハビリ支援など、専門性の高い地域リハビリテーションを提供します。

採用は自治体の技術職として行われ、病院よりも「長期的な支援」「生活期の機能維持」「地域リハ普及活動」など、生活に根ざした支援が中心です。また、利用者の就労支援や地域支援機関との連携など、医療と福祉の橋渡し役を担うことが多い点も特徴です。

保健所・保健センター

保健所や保健センターでは、公衆衛生や地域保健の観点から理学療法士の専門性が活かされます。採用は「保健師・栄養士・医療技術職」といった枠組みで行われ、業務内容は介護予防事業の企画運営、高齢者の機能評価や訪問指導、地域住民への健康教育、難病対策、障害者支援など多岐にわたります。

個別のリハビリ提供よりも、地域全体の健康づくりに関わる政策的な活動が中心となるため、行政職に近い専門職として働くことになります。

障害者支援施設・福祉施設

障害者支援施設や福祉施設では、主に身体障害者や重度障害者、高齢者の生活支援を目的として理学療法士が配置されます。採用は自治体直営施設や社会福祉事務所の技術職として行われ、日常生活動作の獲得・維持支援、座位保持や姿勢管理、福祉用具の提案、虐待防止の観点を含む総合的な支援が求められます。

医療機関のような短期的な介入とは異なり、長期的な生活支援を継続することが特徴で、利用者との関係性を深めながら専門性を発揮できます。

児童発達支援センター

児童発達支援センターでは、発達に遅れや障害のある子どもを対象に、理学療法士が運動発達支援、姿勢・動作の評価、家族支援などを行います。自治体が設置している場合は公務員として採用されることがあり、就職は医療技術職または児童支援関連職として募集されることが一般的です。

医療・福祉・教育が密接に連携して支援を行うため、他職種連携が非常に重要となり、保護者支援や学校との調整まで含めた包括的な支援が求められます。

学校・特別支援学校

特別支援学校では、肢体不自由児や病弱児などを支援するために理学療法士が配置されることがあり、各自治体の教育委員会が採用を行います。

仕事内容は児童生徒の姿勢管理や移動動作のサポート、学校生活を送るうえでの身体的課題の評価と環境調整、教員への助言など多岐にわたり、教育現場で専門性を生かせる貴重な職場です。医療機関とは異なり、長期的な成長支援を前提として関わるため、子どもの発達過程に寄り添う支援が求められます。

その他(行政職+PT資格を活かすケースなど)

自治体の行政職として採用され、理学療法士の資格を生かしながら介護保険事業の計画策定、地域包括ケアの推進、障害福祉施策の企画、地域リハビリテーション体制整備などの政策業務に携わるケースもあります。専門性を持つ人材として、委員会活動や調査研究、地域関係機関との連携調整など幅広い職務を担うことが可能です。

直接的なリハ提供は少ないものの、地域全体の健康・福祉政策を支える立場としてキャリアの幅が大きく広がります。

その他、消防本部(救急分野)に一部自治体では、救急救命分野で理学療法士資格を持つ職員を採用するケースがあります。救急隊の教育・訓練、後方支援、地域住民向けの救急講習の企画などに関わる可能性があります。

また、保健福祉事務所(ケースワーカー的業務)にて雇用された場合には、身体障害者手帳の判定補助、サービス利用調整、地域リハ推進事業などで理学療法士が任用されることがあります。

珍しいケースだと自治体の研究機関・発達支援研究所などでも地域医療や発達支援の研究・分析に携わる専門職として採用されることもあります。

公務員理学療法士のメリットは休日・雇用の安定・福利厚生

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

では、理学療法士が公務員として働くと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。代表的な3つのメリットをまとめました。

1.カレンダー通りに休日が取りやすい

公務員として働く理学療法士は、民間のリハビリテーション病院やクリニックなどと比較すると、一般的にカレンダー通りの休日を確保しやすい環境にあります。

民間医療機関では患者の回復を優先して土日祝日もリハビリ提供を行うケースが珍しくなく、シフト制で勤務している場合には自分の希望どおりに休みを取得できないことや、連休を取りにくいといった状況が発生することもあります。

それに対して、県立病院や市立病院といった自治体が運営する医療機関は、診療体制が行政の方針や法令に基づいて整えられているため、土日祝日、お盆、年末年始などを休診日として設定していることが多く、基本的にカレンダーどおりの休日が守られている点が大きな特徴です。

そのため、年間を通して計画的に休暇を取得しやすく、家庭の予定やプライベートの時間を確保しやすいという働きやすさにつながり、ワークライフバランスの観点からも魅力的な勤務形態といえます。

2.雇用が安定している

民間の病院や介護施設では、患者数の変動や運営方針の変更、医療報酬改定による収益への影響など、経営状況によって雇用が左右される可能性があり、ときには人員削減や施設の統廃合によって職を失うリスクが生じることもあります。

理学療法士は専門職として需要が高いとはいえ、民間事業者である以上、経営判断が直接雇用の安定性に影響する点は避けられません。

その一方で、公務員として採用される理学療法士が勤務する自治体病院や保健所、行政機関、福祉施設などは、国や地方自治体といった公的機関によって運営されており、営利を目的とせず住民サービスとして必要な医療・福祉を継続することを前提に組織が維持されています。

そのため、一時的に財政状況が厳しくなったとしても税金による公的資金で補填される仕組みがあるため、経営悪化による急な解雇や施設閉鎖といったリスクは極めて低く、長期的に安定して働き続けられる点が大きなメリットです。こうした雇用の安定性は、公務員理学療法士が安心してキャリアを築き、生活基盤を整えながら働ける大きな理由のひとつとなっています。

3.手当や退職金など福利厚生が充実している

公務員として働く理学療法士は、給与だけでなく各種手当や退職金制度が非常に充実している点も大きな魅力です。家族手当や住宅手当、通勤手当など生活を支えるための基本的な手当が安定して支給されるほか、自治体によっては扶養手当、地域手当、寒冷地手当などが追加される場合もあり、民間では施設ごとの裁量に委ねられる部分が公務員では制度として明確に整備されています。

また、賞与(ボーナス)は自治体ごとの規定に基づいて毎年安定的に支給される傾向が強く、退職金についても公務員共済制度など手厚い仕組みによって民間施設より高水準になるケースが多く見られます。さらに、公務員の給与体系は勤続年数に応じて段階的に昇給する“年功的な要素”が一定程度維持されており、長く働けば確実に給与が上がるという安心感が得られる点も特徴です。

このように手当・賞与・退職金・昇給制度といった福利厚生の充実は、将来的な生活設計を立てやすくするだけでなく、長期的に安定して働き続けられる大きなメリットといえるでしょう。

公務員理学療法士のデメリットは副業禁止と年功序列

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

公務員として理学療法士の職に就くことには多くの利点がある一方で、安定性の高さゆえに一定の制約や自由の少なさといった側面も避けられず、働き方によってはデメリットとして感じられる点が生じることもあります。

1.副業ができない

公務員として勤務する理学療法士は、法律や各自治体の条例によって原則として副業が禁止されているため、本業以外で収入を得ることがきわめて難しいという制約があります。

民間であれば、休日に非常勤として別施設で勤務したり、専門知識を生かして講演会やセミナーの講師を務めたり、オンラインでの情報発信や個別相談などに取り組んで報酬を得ることも可能ですが、公務員の場合は営利活動に該当する行為が厳しく制限されているため、同じような働き方を選択することはできません。

副業によって収入の幅を広げたいと考えている人や、自分の専門性を活かした活動にやりがいを感じている人にとっては、この副業禁止の規定が大きなデメリットとなる場合があり、キャリアの自由度が制限されることに不満を感じることもあるでしょう。

2.実力主義ではなく年功序列

公務員として働く理学療法士は、民間と異なり能力や成果よりも勤続年数が重視される給与体系が基本となっており、昇給や役職登用も年齢や在職期間に応じて段階的に進んでいく仕組みが採用されています。

そのため、専門スキルを積極的に磨き、研修参加や資格取得を重ねて周囲より高い成果を上げていたとしても、その努力が直接的に給与やポジションへ反映されにくいという現実があり、能力主義を望む人には物足りなさを感じる場面があるかもしれません。

また、年功序列が基本であることから、自分より経験が浅く成果も少ないと感じる先輩職員が制度上先に管理職へ昇進することも起こり得ます。

そのような状況が続くと、自分の実力が正当に評価されていないと感じてモチベーションの維持が難しくなるケースもあり、成果に応じた評価やスピード昇進を望む人にとっては、この年功序列制度が大きなデメリットとなることがあります。

公務員理学療法士に向いている人の特徴

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

公務員として働く理学療法士には、民間施設での勤務とは異なる役割や働き方が求められるため、向いている人にはいくつか共通した特徴があります。

地域住民の健康を守るという公共性の高い仕事であることから、日々の臨床だけでなく長期的な視点で地域の健康づくりに関わりたい人や、組織のルールに沿って安定的に働くことを望む人には特に向いており、専門職としての知識を活かしつつ行政的な視点も持ちながらキャリアを形成していくことが求められます。

これらの特性を理解したうえで公務員理学療法士を目指すことで、自分の価値観や働き方に合った納得のいくキャリアを築きやすくなるでしょう。

1.安定した環境で長く働きたい人

公務員理学療法士は、雇用が極めて安定しており、急な人員整理や施設閉鎖といったリスクがほとんどないため、腰を据えて長期間働きたい人に向いています。給与体系も勤続に応じて着実に昇給していく仕組みが整っていることから、将来の見通しを立てやすく、家族計画や住宅購入など生活基盤の設計がしやすい点も魅力です。

また、土日祝日を中心とした休暇制度が整っている職場が多いため、プライベートとのバランスを大切にしたい人にとっても働きやすい環境といえます。民間のように患者数や経営状況に左右されず、安定したペースで働けることを重視する人には特に適した働き方といえるでしょう。

2.地域医療や公衆衛生に興味がある人

公務員としての理学療法士は、病院でのリハビリ業務にとどまらず、地域住民の健康づくりや介護予防、難病支援など地域全体を支える幅広い活動に関わる機会があります。保健所や保健センターでは、個別のリハビリだけでなく、地域の健康課題を把握し、予防事業の企画運営や評価に携わることも求められます。

こうした業務は「目の前の患者を治す」という臨床とは異なり、より広い視点で地域を俯瞰し、住民の生活を支える政策的なアプローチが必要になります。そのため、地域医療や公衆衛生、行政的な仕事に興味があり、社会全体の健康改善に貢献したいという志向を持つ人にとっては、大きなやりがいを感じられる環境です。

3.組織のルールを守り、粘り強く業務に取り組める人

公務員という職種は、法令や行政の規定に基づき業務を進める必要があるため、ルールを遵守しながら粘り強く仕事に取り組める人に向いています。民間のように柔軟な裁量で動くことが難しい場面もあり、手続きや申請、文書作成など細かな業務に根気強く取り組む姿勢が重要になります。

また、年功序列がある程度残っている職場も多いため、短期的な昇進を求めるより、着実に経験を積みながらキャリアを築くタイプの人が適応しやすい傾向があります。組織内の調整力やコミュニケーション力が求められる場面も多く、個人プレーよりもチームで協力しながら地道に業務を進められる人に向いています。

公務員理学療法士になるには?

公務員理学療法士として働くためには、まず理学療法士の国家資格を取得したうえで、自分が勤務を希望する自治体が実施する公務員採用試験に合格する必要があります。

採用試験の内容は自治体や配属先によって異なるものの、多くの場合は理学療法士としての専門的な知識や臨床能力を問う「専門試験」と、文章理解・数的処理・社会常識など幅広い基礎力を測る「一般教養試験」の二つが課され、これらを突破することが求められます。

自治体によっては教養試験の代わりに適性を確認する「一般性格診断検査」を実施する場合もありますが、いずれにせよ一般教養分野は理学療法士養成校のカリキュラムには含まれない内容が多いため、初学者にとって負担が大きく、勉強方法に悩む受験者も少なくありません。

そのため、市販の問題集を用いて独学する人もいれば、効率よく勉強を進めるために予備校や専門学校、通信講座を利用して体系的に準備する人もいます。
また、公務員試験には民間採用と同様に面接があり、専門試験に合格した後に実施されるケースや、専門・教養の両試験を通過した後に行われるケースなど、自治体の運用によって面接のタイミングは異なります。

面接で聞かれる内容は民間との大きな差はなく、理学療法士を志した理由、志望する職場で何を実現したいか、自身の強みや経験をどう活かせるかといった、職業観や適性を確認する質問が中心です。
こうした選考を通過し、公務員としての任用が決まることで、晴れて公務員理学療法士として働くことができます。

公務員理学療法士に関するよくある質問

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

理学療法士が公務員になる上で、質問となることが多い内容について見ていきましょう。

公務員理学療法士はどこで募集されている?

公務員理学療法士の募集は、主に都道府県や市町村といった各自治体が行う職員採用試験の案内ページや、自治体病院の公式採用情報、ハローワーク、公務員専門の求人サイトなどで確認することができます。自治体によっては年に1回の定期採用試験のほか、欠員が出た際に臨時的に募集が行われる場合もあり、掲載されるタイミングは地域によって異なるため、こまめに情報をチェックすることが重要です。

また、保健所、保健センター、リハビリテーションセンター、障害者支援施設、特別支援学校など幅広い部署で理学療法士が採用される可能性があるため、希望職種だけでなく自治体全体の職員採用情報に目を通すことで、より多くの募集枠を把握しやすくなります。

筆記試験はどのような内容が出題される?

筆記試験では、理学療法士としての専門的知識を問う「専門試験」と、文章理解・数的推理・資料解釈・社会常識など幅広い基礎学力を測る「一般教養試験」が課されることが一般的です。専門試験では、臨床評価の方法、治療手技、疾病別の理学療法、解剖学・運動学など国家試験レベル以上の専門性が問われることもあり、学習範囲はかなり広くなります。

一方、一般教養試験は、理学療法士養成課程で習わない分野が多いため、最初は難易度を高く感じる受験者が多く、数的処理や文章理解を中心に体系的な学習が必要になるケースもあります。自治体によっては一般教養に代わって適性検査が行われる場合もありますが、いずれにしても公務員試験特有の出題形式に慣れておくことが重要です。

面接で重視されるポイントは?

面接では、志望動機や業務への理解に加えて、地域住民を対象とした公共サービスとして医療に関わる姿勢があるかどうかが重視されます。民間と同じく「理学療法士を志した理由」や「これまでの経験で活かせる強み」などの基本的な質問はもちろん、自治体が抱える地域医療や福祉課題にどう向き合いたいかという視点で答えることが求められる場合があります。

また、公務員はチームで業務を進めることが多く、協調性やコミュニケーション能力も重要な評価項目です。さらに、年功序列や行政手続きなど公務員特有の働き方を理解し、組織のルールに沿って粘り強く業務に取り組めるかどうかも見られるため、単に臨床能力をアピールするだけでなく、行政職としての適性を示すことがポイントとなります。

未経験・新卒でも応募できる?

多くの自治体では、理学療法士の資格を取得していれば新卒や未経験でも応募可能であり、実際に卒業と同時に公務員として採用されるケースも珍しくありません。公務員採用試験は学歴や職歴よりも筆記試験と面接による評価が重視されるため、臨床経験の有無が合否に大きく影響するわけではありません。

ただし、保健所や行政職など、より専門性や企画力が求められる部署では、実務経験者が優先される傾向があるため、希望する職種に応じて採用条件を事前に確認しておくことが重要です。未経験であっても、学生時代の実習経験や地域医療への関心などをしっかりと伝えることで十分に評価される可能性があります。

公務員理学療法士になるための年齢制限はある?

公務員採用試験には自治体ごとに年齢制限が設けられており、多くは「30歳前後まで」または「35歳程度まで」という制限が一般的ですが、地域や職種によって差があります。

若年層の採用を中心とする自治体が多い一方で、経験者採用枠や社会人枠を設けて年齢制限を引き上げている地域もあり、中には40代でも応募可能な場合があります。また、障害者採用枠では年齢制限が緩和されているケースも見られます。

そのため、公務員理学療法士を目指す際は、自分の年齢が応募資格に該当するかどうかを必ず自治体の募集要項で確認することが重要です。

公務員理学療法士の給料は?民間データと比較した結果

理学療法士が公務員になるには?給料や試験内容など民間との違いも解説

地方公務員給与実態調査結果(2023年度)」によると、医療技術職の平均給与月額は38万3,144円でした。
※扶養手当・地域手当は含まない
※薬剤師・医療技術職の区分を参照

一方、理学療法士の平均給与月額を「賃金構造基本統計調査(2023年度)」で確認したところ、決まって支給する現金給与額は29万1,000円でした。
※企業規模計(10人以上)
※理学療法士、作業療法士の区分を参照
※平均年齢35.6歳

平均年齢が異なる可能性はあるものの、公務員理学療法士の方が平均月額が高いことがわかります。続いて、初任給を比べてみましょう。
賃金構造基本統計調査(2023年度)」によると、理学療法士全体の初任給平均は男性が25万1,800円、女性が24万5,600円となっています。
※企業規模計(10人以上)
※20~24歳、いずれも経験年数0年目の所定内給与額

一方、公務員理学療法士の初任給は「独立行政法人国立病院機構の新卒募集情報」を参考に見てみましょう。大院卒で基本給21万3,800円大卒で基本給20万2,800円、短大卒で19万3,500円とされており、そこに扶養手当や特殊業務手当が加算される計算です。また、学歴での差はあるものの関東と九州など募集されている地域で給与の差がないことも国立病院の特徴です。
これらをまとめると、公務員理学療法士は初任給は低いものの、民間の施設で働く理学療法士と比べて昇給率が高く、長く勤務するほど給料が上がる傾向にあるといえます。

▼編集部コメント
地方公務員給与実態調査結果では平均年齢がわからないため、その分年収が高くなっている可能性があります。地域差もあるため、就職を希望する自治体のデータを調べてみることをおすすめします。

公務員理学療法士は狭き門、求人募集のチェックはこまめに

公務員として勤務できる理学療法士の求人は、民間医療機関と比べても圧倒的に募集数が少なく、いわゆる“狭き門”といわれる状況が続いています。

一般の病院やリハビリテーション病院では、新年度に合わせて複数名の採用が行われることが多いのに対し、公務員理学療法士の募集は毎年必ず実施されるわけではなく、基本的には退職者などによる欠員が出たタイミングで不定期に募集されるケースがほとんどです。

そのため、募集人数もごくわずかで、1〜2名程度に限られることが多く、希望者にとっては情報収集が非常に重要になります。採用のチャンスを逃さないためには、各自治体の公式ホームページや採用情報ページ、求人サイトなどを定期的にチェックし、告知が出たらすぐに準備に取りかかる姿勢が求められます。

また、公務員採用試験が課されることに加え、応募者数が多いことで競争率が高くなる傾向も強いため、筆記・面接ともにしっかりと対策を練って臨む必要があります。

将来の安定や地域医療への貢献、長期的なキャリア形成を視野に入れているのであれば、公務員理学療法士という選択肢は大きな魅力を持つものといえます。十分な準備と継続的な情報収集を行いながら、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

参考

賃金構造基本統計調査(2023年度)
独立行政法人国立病院機構の新卒募集情報
人事院|国家公務員試験採用情報NAVI
日本理学療法士協会(JPTA)

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