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言語聴覚士が公務員として働くメリットは?年収や仕事内容、求人の探し方

公開日:2021.07.13

公務員として働く言語聴覚士

文:近藤 晴彦
東京都言語聴覚士会 理事 広報局局長

みなさんは公務員と聞くとどのような印象を持たれるでしょうか?

「収入が安定している」、「休みが取りやすい」、「働きやすい」といったイメージがあり、将来的に公務員として働くことを視野に入れている方もいるかもしれませんね。

そこで今回は、「言語聴覚士が公務員として働ける場所や仕事内容」「民間との違い」「就職先の見つけ方」などを詳しく説明していきます。

言語聴覚士が公務員として働ける場所と仕事内容

言語聴覚士が公務員として働く場所はいろいろありますが、今回は代表的な3つについて説明していきます。それぞれの仕事内容についてもご紹介します。

(1) 公立病院に言語聴覚士として勤務する 
(2) 公立療育センターに言語聴覚士として勤務する
(3) 障害福祉センターや保健センターに言語聴覚士として勤務する

(1) 公立病院に勤務する言語聴覚士の仕事内容

言語聴覚士が公務員として働く場所としてもっとも多いと考えられるのは、公立病院に勤務することです。

それでは、公立病院にはどのような病院があるのか、また、そこで働く言語聴覚士の仕事内容にはどのような特徴があるのか見ていきましょう。

まず、病院の機能は次の4つに分類されます。

・高度急性期
・急性期
・回復期
・慢性期

そして「医療提供体制の現状(厚生労働省)」の調査によると、公立病院の病床は高度急性期と急性期を合わせた急性期病床が全体の83%になり、回復期病床12%、慢性期病床5%となっています。

すなわち、公立病院のほとんどが急性期を担っています。このことから、公務員として病院で働く言語聴覚士の仕事内容は、急性期病院での仕事内容に準ずるものと考えられます。

もちろんそれだけではなく、公立病院においても回復期や慢性期の機能を担っているため、「公務員として働く言語聴覚士の仕事内容は急性期が大半であるが、回復期や維持期に対応する働き方もある」といった表現が適切であると考えられます。

図1.公立病院の病床機能 (2019)
図1.公立病院の病床機能 (2019)

(2) 公立療育センターに勤務する言語聴覚士の仕事内容

公務員として働く言語聴覚士

次に言語聴覚士が公務員として働く場所として考えられるのは「公立小児療育センターに勤務すること」です。

児童福祉法により、小児療育センターは以下のような施設に分類されます。

<表.1 児童福祉法で定められる施設>
・福祉型児童発達支援センター
・医療型児童発達支援センター
・児童発達支援事業所
・居宅訪問型児童発達支援事業所
・放課後等デイサービス事業所
・保育所等訪問支援事業所
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設
・指定発達支援医療機関指定

これらの施設は公立と民間のどちらが多いのでしょうか。

東京都を例にすると、東京都の療育センターのうち公立施設が多いのは【医療型児童発達支援センター】【児童発達支援センター】【医療型障害児入所施設】です。なかでも【医療型児童発達支援センター】は都内5施設のうち全てが公立施設になります。

自治体によっても差がありますが、小児領域で公務員として働きたい言語聴覚士の方は、公立の療育センターの求人を探してみると良いかもしれません。

仕事内容は施設が受け持つ機能によっても異なりますが、言語療法や理学療法、作業療法など、子どもの状態に応じたリハビリテーションが中心になります。

<表.2 東京都における小児療育センター施設数(2021)>

公立施設 民間施設
医療型児童発達支援センター 5 0
児童発達支援センター 24 19
児童発達支援(センター以外) 29 463
放課後等デイサービス 21 952
保育所等訪問支援 26 44
居宅訪問型児童発達支援 3 8
医療型障害児入所施設 7 5
福祉型障害児入所施設 2 6
指定発達支援医療機関(障害児入所施設) 0 2

参照元:東京都障害者サービス情報(【3.6.1現在】児童福祉法に基づくサービス事業所一覧)

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小児領域における言語聴覚士の役割とは?主な就職先と仕事内容

(3) 障害福祉センターや保健センターに勤務する言語聴覚士の仕事内容

次に、言語聴覚士が公務員として働く場所として考えられるのは、「障害福祉センターや保健センターに言語聴覚士として勤務すること」です。

障害福祉センターでは、高次脳機能障害や発達障害などに対し言語聴覚療法を実施します。

一方で保健センターでは自宅で生活される高齢者や障害者に対し、介入や相談業務を行います。さらに介護予防事業など予防的な観点から介入を行うことがあります。また、小児領域では1歳6か月健診などの乳幼児健診に立ちあうことがあります。

介護予防や健診事業への言語聴覚士の参画は、民間ではなかなか経験できない仕事内容であり、公務員として働く特徴だといえるでしょう。

公務員と民間との違い~年収、給料・福利厚生(年間休日)・採用方法~

公務員として働く言語聴覚士

公務員と民間との違いについて「年収・給料」「福利厚生」「採用方法」の3つの観点から説明します。

(1) 年収・給料

公務員と民間での言語聴覚士の年収・給与の違いに関する明確な統計はありませんが、参考までに以下のような特徴があります。

公務員 民間
年収 約577万円(※1) 約414万円(※2)
平均年齢 42.1歳(※1) 33.9歳(※2)

参照元 ※1:令和2年地方公務員給与実態調査結果等の概要/※2:厚生労働省|令和元年賃金構造基本統計調査 職種DB第1表 言語聴覚士のデータがないため、理学療法士・作業療法士を参照

このように公務員のほうが、年収が高い結果になりました。

しかし、ここで注意が必要なのは公務員の調査は全職員の給与の平均であり、管理職なども含まれているということ。また、平均年齢についても公務員の方が高くなっていますので、一概に「公務員の方が高年収である」とは言い切れません。

ただし、公務員の給与は、年功序列で毎年基本給が上がっていきます。勤続年数に応じて確実に収入が増え、残業代やボーナスなど諸手当もきちんと支給されるため、収入が安定するという利点はあります。

(2) 福利厚生

公務員と民間で福利厚生を比較すると、年間の休日数については公務員と民間で、大きな差がないと考えられます。

公務員は日曜日や祭日が休みになることが多いですが、民間ではシフト制(週のうち2日休み)の場合があり、さらには、早出勤務や遅出勤務などを採用している場合もあります。

また、育児休暇や家賃補助など、各種特別休暇や特別手当の充実度や取りやすさでは、公務員のほうが有利であるといえます。

副業については、民間では可という職場もありますが、公務員では不可になります。

(3) 採用方法

採用方法について公務員と民間で比較してみましょう。公務員は採用人数が極めて少ない状況にあり、競争倍率が高くなります。さらには、年や地域によっては言語聴覚士の採用予定そのものがない場合があります。

また、採用条件については公務員では40歳未満などと年齢制限があることも特徴です。

言語聴覚士が公務員として働くには?こまめに求人チェックを

言語聴覚士が公務員として働くには、各自治体が実施する公務員試験を受ける必要があります。
公務員試験を受けるためには、言語聴覚士の資格はもちろん、年齢制限や地方公務員法第16条の欠格条項に該当しないことなどの条件を満たしていることも求められます。

また、先ほど説明したように公務員での言語聴覚士の求人募集は少なく、競争倍率が高くなります。公務員としての就職を希望される方は、まずは公務員試験対策をしっかり行い、自治体のHPなどをこまめに確認することが重要です。

待遇面だけでなくSTとしてのキャリアも見据えた選択を

公務員として言語聴覚士が働く場所には、成人領域や小児領域、そして介護予防や発達支援などがあり、一口に公務員といっても仕事内容が多岐に渡ることを説明してきました。

そのため、単純に待遇面から公務員として働くことを目指すのではなく、「言語聴覚士としてどのような仕事に携わっていきたいのか」を中心とした、自身のキャリアについてよく考えることが重要であると考えられます。

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近藤 晴彦

近藤 晴彦

東京都言語聴覚士会 理事 広報局局長
国際医療福祉大学大学院 修士課程修了。回復期リハビリテーション病院に勤務する言語聴覚士。

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