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言いにくいことは「アイメッセージ」で伝えましょう

公開日:2016.07.15 更新日:2023.03.14

患者さんとのコミュニケーションはとても大切なもの。信頼関係を築くうえでも治療には欠かせません。とはいえ、ときにはマイナスの内容を伝えなければいけない場面もあるでしょう。伝えにくい内容について話すのはとても勇気のいることですが、伝え方によっては患者さんとの信頼関係を強くする大きなきっかけになります。「アイメッセージ」は、マイナスのことであっても、相手に不快感を与えずうまく伝えられる簡単なコミュニケーションの方法です。

「言いにくいこと」こそ伝えるのがリハビリのプロ

患者さんに注意をしたり、こちらの不手際を説明したりするような内容は、相手に不快感を与えるのではないかと言い出しにくいものです。しかし、言えなくてオロオロしているうちに状況が深刻になることも。言いにくいからといって黙っていたら、誤解が誤解を呼んでトラブルになることも考えられます。また、嫌な思いをガマンして言葉を飲み込んでしまうと、そのうちに感情が抑えきれなくなり、かえって患者さんのことを冷たくあしらうことになりかねません。お互いの関係をよりよく保つためには、言いにくいことであってもきちんと伝える必要があります。そこで活用したいのが「アイメッセージ」による話し方です。

心をつなぐアイメッセージとは

非難、評価、お説教、指示などは、すべて相手を主語にして伝えるものです。これをユー(You)メッセージといいます。ユーメッセージは相手に行動を変えてもらうために、「○○してください」「××してください」と語るスタイルです。ユーメッセージは相手の反発を招きやすく、言った方も後悔することになりかねません。
一方、アイメッセージは自分(I)を主語にして伝えるメッセージのこと。上から目線ではなく、対等な言い方で自分の気持ちを伝えるものです。
アイメッセージを活用するときに意識するポイントは二つあります。

  • 自分の気持ちを伝える
    自分の気持ちを伝えるということがとても大切です。自分の思ったこと・感じたことを伝えることで相手の理解が深まるきっかけとなるのです。自分の感じたことではなく、「普通、こんなことしないよね」というような一般論を言うとかえって相手の反発を招きやすくなります。
  • 対等であることを意識する
    自分の「言いにくいこと」を伝えたら、相手の気持ちにも耳を傾けます。相手の気持ちに責任を感じてなんとかしようとする必要はありません。人として対等な立場からそれを受け止めて、相手を理解しましょう。

勇気を出して気持ちを伝えましょう

悩む前に、実際にアイメッセージを活用し、思い切って気持ちを伝えてみましょう。活用例を紹介します。

  • 患者さんが無断で予約の時間に遅れた場合
    ついつい言ってしまう注意の言葉、
    「予約の時間に遅れるときは連絡をくれませんか? そうしないとほかの患者さんにも迷惑になるんです」
    これは、ユーメッセージです。言い方はていねいですが威圧感があり、どうしても言葉がきつくなってしまいます。これをアイメッセージで言い換えてみましょう。
    「予約の時間より遅れていらっしゃったようですが、何かありましたか? あとの患者さんのこともあって、私も焦ってしまうし心配してしまうので、今度から前もって連絡をいただけると助かります」
    となります。仕事だからではなく、人として患者さんを思いやる気持ちが伝わります。
  • 精神疾患を抱える患者さんがボールペンを投げた場合
    ユーメッセージでは
    「いたずらはやめてください! 人にぶつかったらどうするの?」
    などと言ってしまいがち。もちろん、度を超えたいたずらであれば、厳しく伝える方が良い場合もあるでしょう。しかし相手が年上であったり、自尊心が強い人であったりする場合、このような指示的な言い方ではトラブルを招きかねません。
    アイメッセージでは
    「ボールペンを投げられると刺さったら痛いですし、私は怖いですよ」
    と言い換えられます。優しい話し方になるだけではなく、自分の気持ちをストレートに伝えることで、相手の心にも響きやすくなるようです。
    アイメッセージは小児や言葉に障害のある人、年上の人などあらゆる人に活用できます。

「言いにくいこと」があなたと患者さんとの懸け橋に

アイメッセージは老若男女を問わず、どのような相手に対しても使うことができます。今回は患者さんを対象に書きましたが、上司や家族など周囲の人にも応用できるでしょう。勇気を出して使ってみてはいかがでしょうか。

 

【参考URL】
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