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第33回若年層に多くみられる摂食障害に関する作業療法士の国家試験出題

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摂食障害は、心理社会的背景が主な要因といわれていますが、重篤な身体症状を伴う場合が少なくなく、適切な治療なしに放っておくと生命を脅かす危険があります。特に、なかなか治療を受け入れることができないケースでは、治療的関係性の構築が重視されます。

摂食障害は、急に食べる量が減る、食事の後に必ずトイレに行くようになるなどのような、一時的に食欲や食行動に変化があらわれるものではありません。体重に対する過度なこだわりや、体形に対する過剰な自己評価が影響し、生命に関わるような身体的・精神的問題を伴う状態となっていきます。
中学生~20歳代前半の若い女性に多くみられ、体形に対する価値観の変化や親子関係の不和など、成長過程における心理社会的背景が関連しているといわれています。精神科を受診するケース以外にも、内科や小児科の受診をきっかけに摂食障害が明らかになるケースもあるため、所属する分野・領域を問わず作業療法の対象となる可能性があるでしょう。

作業療法士国家試験では、以下のような問題が出題されています。

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過去問題【作業療法士】

第52回 午後 第17問
17歳の女子。高校2年生。高校入学時、身長158 cm、体重55kgであったが、同級生に「太っている」といわれ、食事を制限して半年間に12kgやせた。高校1年の秋ごろから月経が不順になり、半年前から無月経となった。このため無月経と体重減少とを主訴に入院治療が開始されたが各種検査を受けることに抵抗感が強い。母親は「もともと太ってなどいなかったと説得して欲しい」と希望する。
作業療法士の患者に対する治療的態度として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.心理的な問題には触れない。
  2. 2.食事については、本人の判断に任せる。
  3. 3.受容的態度で、健康状態についての本人の考え方を尋ねる。
  4. 4.母親の希望を受け入れて元の体重でも肥満でなかったことを説明する。
  5. 5.全身的な健康状態を確認する必要性を伝え、臨床検査を受ける。

解答と解説

正解:3、5

解説

摂食障害は、神経性無食欲症と神経性大食症に大別されます。この問題で対象となっているケースは、神経性無食欲症に分類されるでしょう。神経性無食欲症にも、摂食・絶食といった過度な食事制限を特徴とした摂食制限型と、過食と排泄行為(自己誘発性嘔吐や下剤の使用)を繰り返す過食・排泄型の2種類があります。
いずれにおいても、十分にやせているにも関わらずもっとやせなくてはならないと願う傾向(ボディーイメージの低下)や、肥満に対する恐怖心、低体重に対する認識の欠如がみられます。体重が減少することによって疲れやすくなる、無月経、低体温、低体重、自殺企図など心身への影響を及ぼします。
一方、神経性大食症は、肥満恐怖や排泄行為という点では共通していますが、一般的な時間帯・環境下で食べる量よりも明らかに多く食べ、食べている間も食べることを止められないのが特徴です。

実務での活かし方

作業療法では、生理的部分の障害に対する治療を優先しつつ、本人の希望に添いながら、体重の回復や身体管理に取り組みます。特に、対象者本人が、治療が必要であることを認識できない場合は、誰がどのような内容の治療を進めていくか、という治療関係を明確にすることが大切です。
共感的、受容的な態度で接するのはもちろんのこと、健康な部分を認め、問題になる行動については、その行動にこめられた思いに少しずつアプローチをしていきます。

作業活動においては、その工程や完成形のイメージを通じ、ボディーイメージや能力に対する認識を変えていき、問題になる行動を自分から修正し習慣づけられるよう促します。

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中山 奈保子

中山 奈保子(なかやま なおこ)

作業療法士。
1998年作業療法士免許取得後、宮城県・福島県内の病院および施設、作業療法士養成校の専任教員等を歴任。
2011年、東日本大震災で被災したことを期に災害を乗り越える親子の暮らしを記録・発信する団体「三陸こざかなネット」を発足後、二児の母・作業療法士として「病気や障害、災害に負けない心と身体を」をテーマに執筆・講演活動などを行っている。2018年より、学校法人 医療創生大学「千葉・柏リハビリテーション学院」作業療法学科教員。


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