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セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。

第17回地域包括ケアってなんだ?(1)地域包括ケアシステムの目的

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前回まで、地域包括ケアシステムの前提となる2025年問題について書きました。これらの諸問題を解決するべく「地域包括ケアシステム」という概念が提唱されました。
今回から本題の「地域包括ケアシステム」について書いていきたいと思います。
 

地域包括ケアシステムとは

地域包括ケアシステムとは、英語表記ではCommunity-based integrated care systemsです。厚生労働省の出している地域包括ケアシステムの資料によると、
 

  • 団塊の世代が75歳以上になる2025年を目途に、重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を実現。
  • 今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要。
  • 人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域格差。
  • 地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要。

と説明されています。
もっとざっくり言うと、

●地域包括ケアシステムでは医療・介護・予防・住まい・生活支援を住んでいるところの近くで一体的にやる。

●要介護状態や認知症になっても住み慣れた地域で自分らしい生活ができるようにする。

●高齢化には地域差があるので、市町村や都道府県ごとに地域の特性に応じてシステムを作る。

といったことでしょう。

これらを構築するにあたっては、従来の医療保険や介護保険など国による一律のサービスだけでは、社会保障費も含めて困難です。そこで重要となるのが、「自助」「互助」「共助」「公助」です。この言葉は何となく聞いたことがあるかもしれませんが、どれがどれだか整理がつきにくいので改めて整理します。
 

1. 自助

「自分のことは自分でする」など自分自身や家族による対応をすることです。介護保険を使わなくても、自分自身や家族の手伝いでやれることはやるようにする。また自らの健康管理(セルフケア)や市場サービスの利用のことです。例えば、フィットネスジムに通い、運動をして体力・筋力をつけて介護予防・転倒予防をするなどもここに含まれます。この月会費は自己負担になります。国の制度だけでなく自分自身で健康管理をすることが求められています。
 

2. 互助

ボランティアなどの支援、地域住民の取組みなど、お互い様で助け合うことです。ボランティアについては、支援を受けることもあれば、元気な高齢者が支援をする側にまわることもあります。例えば、近所の高齢者が一人暮らしではあるが、身の回りのことは自分でできたとします。家の中では不自由はないですが、ごみを出しに近くの収集所までは運ぶのが困難な際に、隣の人やご近所さんが代わりにごみ出しを助けるといったことも含まれます。また住民同士で通いの場をつくるサロンのようなものも「参加」の場として取り組まれています。こういったことにセラピストが専門家として定期的に関わることもあるでしょう。
 

3. 共助

介護保険・医療保険制度による給付のことです。リハビリセラピストが最も関与しているのはこの部分です。病院でのリハビリ、訪問でのリハビリなどもここに含まれます。2年に一度の診療報酬改定、3年に一度の介護報酬改定が行われ、その報酬や体制が見直されます。来年春の平成30年度は6年に一度の診療報酬・介護報酬の同時改定のため注目を集めています。介護保険や医療保険は国一律の制度のため、「公助」と間違われやすいですが、医療保険費や40歳以上になれば介護保険費を皆さん支払っていますよね? 元気な人もお金を支払い、病気や障害を抱えた人の費用をみんなで共に助け合う制度のため、「共助」という括りになります。
 

4. 公助

一般財源(税金)による高齢者福祉事業や生活保護、人権擁護や虐待対策など自治体等が提供するサービスなどのことです。

これらを組み合わせて、地域の実情に応じたサービスを構築する必要があります。
特に都市部では「互助」が希薄なのが現状です。それらを意識的に強化することが期待されている一方で、民間サービスの参入も多いため「自助」によるサービスの購入も可能な地域が多いです。
地域包括ケアシステムというのは概念であり、「このようにしていきましょう」という指針です。大枠は上記で記述した通り、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に、自助・互助・共助・公助を組みあわせて行うものです。しかし、大枠の概念だけの理解では、どのようにすればよいのかわかりません。

次回は、地域包括ケアシステムの構築を推進するために、セラピストの役割は何か書いていきたいと思います。

吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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