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第20回地域包括ケアってなんだ?(4)2025年に向けた診療報酬・介護報酬の改定

公開日:2018.03.16 更新日:2021.04.09

文:吉倉 孝則
理学療法士/保健学修士/認定理学療法士

地域包括ケアシステムにおけるセラピストの役割について、前々回では介護予防・日常生活支援総合事業について、では地域リハビリテーション活動支援事業について書きました。少しはこういった活動もあるといったことを理解していただけたでしょうか。
 さて、今回からはセラピストが一番活躍している、医療と介護の分野について書いてみたいと思います。こちらも2025年に向けて様々な制度や報酬改定が進んでいます。
 

診療報酬・介護報酬はどのように決まるの?

 医療と介護の分野では診療報酬、介護報酬という国の公定価格でリハビリテーションを提供することになります。例えば、脳梗塞といった脳血管疾患であれば脳血管疾患等リハビリテーション料でリハビリをすることになり、1回あたり20分245点(施設基準Ⅰの場合)です。これはセラピストの経験が10年目であろうと、1年目であろうと変わりません。また大病院であろうとクリニックであろうと同じ施設基準であれば料金は同じです。(施設基準が脳血管の場合Ⅰ~Ⅲまであり、その基準によって料金は異なります)
 これはセラピストとしては当たり前に知っていることでしょう。では、この公定価格はどのようにして決まっているのでしょう?

 診療報酬、介護報酬は、国(厚生労働省)から諮問を受けた機関によってさまざま議論がされ、どのような制度・報酬にしていくかが検討されます。医療保険の診療報酬については中央社会保険医療協議会(以下、中医協)によって議論されます。この会議には、医師会や薬剤師会などの代表者から構成される「診療側」の委員と健康保険組合など代表者から構成される「支払側」の委員、さらに議論が公正に進むように「公益委員」として大学教授ら学者などの委員が参加して検討が進められます。介護報酬についても同様に介護給付費分科会にて議論されます。
 医療保険サービス、介護保険サービスの内容も地域包括ケアシステム構築において重要な要素であり、さらに私たちセラピストにとっても医療保険、介護保険サービスの中での役割、働き方、給料などにも大きく関わるため、重要な検討会です。
 

平成30年度は6年に1度の重要な年!

 これらの検討会によって議論され、診療報酬は2年に1回、介護報酬は3年に1回の改定があります。そのため6年に1回が診療報酬と介護報酬の同時改定になります。それが「平成30年度」であり、非常に注目を集めています。なぜなら、6年に1度の同時改定は2018年(平成30年度)の次は2024年であり、2025年の地域包括ケアシステムを構築するにはあと2回の同時改定を残すのみとなります。つまり、2025年に「完成形」にするには平成30年度の同時改定は非常に重要となり、大きな医療・介護の制度が変わると予測されていたからです。
 上述したような、中医協や介護給付費分科会の会議資料は厚生労働省のホームページでも見ることができます。正確な情報を掴むことは重要なことです。また無料で検討会を傍聴することもできます。(一部、事前申し込み必要な場合あり)私も傍聴に行ったことがあります。「このような会議で国の制度が決まるのか」と空気を感じられて、貴重な経験となると思います。機会があれば傍聴してみるのもよいでしょう。
 
 本文章を執筆している平成30年2月時点で診療報酬改定、介護報酬改定の大枠はすでに出てきており、新しい報酬が何点なのか詳細が見えてきています。診療報酬での目玉は入院料の大きな見直しです。つまり、患者さんの1日当たりの入院費の値段のつけ方が大きく変わります。これは病院にとって経営を左右する大きなポイントです。セラピストにとっても回復期病院の入院料の要件変更などは影響するので知っておく必要はあるでしょう。介護報酬については、平成27年度改定で出来たリハビリテーションマネジメント加算が強化され、2段階から4段階への変更や、セラピストのいない事業所とセラピストが連携して自立支援を推進する生活機能向上連携加算などが創設されました。これらの詳細については次回以降にいくつか紹介したいと思います。
 
 
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吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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