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セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。

第29回東京オリンピック・パラリンピックがやってくる(4)なぜ障害者にスポーツが重要か

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いよいよ2年後に開催される東京オリンピック・パラリンピック!
前々回前回と障害者スポーツの魅力を知ってもらうために、私の観戦&体験したことのある4種目について紹介させてもらいました。障害者スポーツの魅力について知ってもらったところで、今回は、リハビリセラピストとして障害者スポーツを知っておくべき理由について述べたいと思います。
 

障害者はスポーツが必須?

皆さんが、スポーツや運動をする理由はなぜですか?
「ダイエットや健康のため」「楽しいから」と答える人が多いと思います。
それは、障害者でも同じことなのです。
車いす生活を余儀なくされた方や、障害のために普段の生活に制限があると、日常的に身体を動かすことが少なくなり身体活動量が低下します。そのため、肥満や高血圧などの将来的な生活習慣病のリスクが高くなります。
また障害のために不活動になると廃用症候群としての筋力低下、筋委縮、骨関節障害などを引き起こし、益々の身体機能や日常生活動作の低下の引き金になります。

つまり、健康な人と同様に障害者であっても、生活習慣病防止・健康増進のために「運動」や「スポーツ」を行うことは必要なのです。また私たちと同じように、スポーツに参加することは「娯楽」や「社会参加」の一つとなるので、幸福感、QOLにも繋がると思います。

リハビリの目標は何?

あなたが担当している患者さんの目標は何でしょうか?
多くの場合「自宅復帰」や「仕事復帰」になり、それに必要な動作や能力をリハビリテーションで行います。もちろん、生活に戻るためのリハビリは優先的に行われるべきです。
しかし、上記で述べた通り、スポーツへの参加は生活習慣病を予防するだけでなく、「娯楽」や「社会参加」につながるため、スポーツへの参加を提案し、目標とすることもよいと思います。

では、スポーツへの参加は誰が提案するのでしょうか?
医師の仕事? 看護師の仕事? ケアマネや地域包括支援センターの仕事? 患者自身が調べるべきこと?
どれも必要ですが、身体の専門家であるリハビリセラピストがスポーツへの参加の提案をするべきだと考えます。

身体障害者の座位時間は、「運動歴」「運動の楽しみを感じているか」「医療従事者による運動の勧めの有無」「自宅や施設における運動環境」などが影響しているように思います。
私たちリハビリセラピストは、目の前の患者さんに対して、運動の効用を含め運動の楽しさを積極的に伝えていくべきではないでしょうか。ただし、運動リスクを考慮したうえで、運動する環境にも配慮する必要があります。

退院前の指導で「帰ってからも運動しましょうね!」と指導することも多いでしょう。しかし、ただ単に筋力トレーニングやウォーキングに留まっていないでしょうか。スポーツの提案から説明まで出来ると良いですね。
しかし、障害があると一般的に健常者のやっているスポーツが出来ない可能性も多々あります。運動を勧める際には、患者自身の好きなスポーツだけでなく、患者さんの障害のレベルや身体機能に合ったものである必要があります。また、どこに行ったら、その運動やスポーツが出来るかも知っておく必要があります(まだまだプレーできる場やコミュニティが少ないのが現状ですが)。
例えば、「車椅子が必要な身体になってしまったけど、健康のために運動する必要があります。車椅子でできるスポーツは車椅子マラソンや、車椅子バスケなんていうのもあります。プレイできる場所は……」
こんな感じで、セラピストから提案し、患者さん自身に関心や興味を持ってもらえるように情報提供出来れば素晴らしいことです。
皆さんが普段から患者さんに提案している杖や福祉用具についても、その知識がないと説明や提案はできませんよね。同じように「障害者スポーツ」もそのスポーツの特性やプレーできる環境などを知らないと提案はできません。
だから、リハビリセラピストは「障害者スポーツ」を知っておくべきなのです。

日本の障害者スポーツ競技の強化の鍵はリハビリセラピスト

このように、患者さんに対してスポーツの提案をすることはセラピストの役割だと思います。障害を持った患者さんのリハビリを担当しながら、日常生活、社会復帰の延長線にはスポーツがあり、そのスポーツによって生活習慣病予防などにつながるからです。
すべての患者さんがパラリンピックを目標にする必要はありません。健康増進・娯楽のためにスポーツをやるのも大事なことだからです。しかし、競技人口が増えれば、裾の尾が広がり、競技レベルも上がると思います。つまり、2020年より先のパラリンピックや障害者スポーツの強化の鍵は、リハビリを担当するセラピストが患者さんにスポーツを提案するかどうかにかかっているかもしれません!

リハビリセラピストにとって「障害者スポーツ」は知っておくべき知識の一つです。
東京オリンピック・パラリンピックはその最大のチャンスだと思います。
テレビなど各種メディアでは様々なパラリンピックの特集がされ、競技を知るきっかけになるはずです。また日本全国各地で障害者スポーツのイベントやプレ大会などが開催されるでしょう。さらに、今の時代、インターネットで調べれば大会情報からルールまで様々な情報が出てきます。以前紹介した種目は特に入門におすすめです。

リハビリセラピストはぜひ「障害者スポーツ」に関心を持ってください。まずは自ら観戦するところからはじめましょう。きっと障害者スポーツの魅力を知ることができると思います。
そして、自分自身が興味をもったら、その競技の運営手伝いやボランティアに参加してみるのもよいでしょう。経験を積めば、セラピストとして障害者スポーツに関わることができるかもしれません。2020年にはあなたもパラリンピックのサポーターかも??

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吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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