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セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。セラピストの本音をお届け!現役理学療法士コラム 理学療法士の吉倉孝則さんが仕事中に考えたこと、日々感じていることをお届けするコラム。現役セラピストの考えや本音が詰まった連載です。

第41回リハビリ療法士としてキャリアアップを考える
~市場の需要と職務経歴書の書き方

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リハビリセラピストの国家資格保有者の増加により、「将来がない」「給料が上がらない」など様々な噂や不安を耳にすることがあります。そのため将来に向けて自分自身のキャリアを考えることもあると思います。どうしたらキャリアアップできるのか? 今回は私の考えを書いていきます。

 

転職と昇給だけがセラピストのキャリアアップなのか?

皆さんが「キャリアアップ」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
職場の管理職などに昇進すると考える人もいると思いますし、年収・給料が上がることと捉える人もいると思います。さらに転職=キャリアアップと考える人もいるかもしれません。
改めてキャリアアップの意味を確認するために辞書を引いてみると、以下のように書いてあります。

①より高い専門的知識や能力を身につけること。経歴を高くすること。
②高い地位や高給職への転職。

(大辞林 第三版)

キャリアアップというとイメージとしては②の方を思い浮かべやすいと思いますが、必ずしも昇級や転職がキャリアアップではありません。セラピストにとってむしろ①のほうがまずは重要だと思います。「専門的知識や能力を身につけること」であれば、皆さんすでに多くのリハビリ関連のセミナーや学会などに参加して、専門的な知識を身につけ、高めようとしているよという人は多いかもしれません。このように、「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」という資格を取るだけでなく、そこからしっかりと能力・専門性を高めていくことが重要です。これは、ちょっと抵抗がありますが、わかりやすくするために自分自身を商品ととらえてみるといいでしょう。同じ商品でも基本機能を網羅した上で高性能・高機能のほうが商品の魅力が高まります。家電なども高性能・高機能を求めることが多いでしょう。また、スポーツを例にすると分かりやすいと思います。野球でもサッカーでもプロの世界に入っただけで、終わりではありません。そこからも練習を積み重ねることで、試合で結果を残し、能力が認められればメジャーリーグへ移籍など給料の高いチームへ移籍することもあります。セラピストも国家資格を取得するだけではなく、そこから知識・技術など能力を高めることが重要です。そして、専門性を高めることでセミナーの講師や大学の先生になるといったチャンスが巡ってくるなどもキャリアアップの一つでしょう。

 

採用されるセラピストとは

キャリアアップに向けて、まずは個人の技術・知識を高め、商品としての価値を上げることが重要といいましたが、それだけでは、実はキャリアアップの②の意味にはならないことがあります。
商品の価値は、需要と供給のバランスで決まります。先ほどの家電で例えると、「とてもおいしいトーストが焼けるが、他には使いづらいはめ込み式の高額トースター」と、「トーストもピザもソーセージもなかなかおいしく焼ける、平置きの安価なオーブントースター」、皆さんどちらを購入するでしょうか。
セラピストとして専門性を高めて機能を高めても、社会から需要がなければ価値(給料)は上がりません。また多くのセラピストの場合、病院や介護施設で働いていて、給料の元の診療報酬や介護報酬が公定価格(国が決めた値段)のため、知識や技術を高めても給料が上がりにくいジレンマはあります。

しかし、これからの高齢社会では、セラピストの可能性は病院や介護施設だけでなく、企業や行政、スポーツ関連など様々な領域に拡大する可能性があると思っています。ただし、その際に必要な能力は今私たちが持っている専門的な知識や技術をそのまま転用できるものと、応用が必要なもの、さらに他の能力も兼ね備える必要がある場合もあります。例えば、日本より遅れて高齢化が進む中国や東南アジア諸国に日本のリハビリテーションサービスが展開される(輸出される)場合では、英語やその国の言語など言語が出来る能力も必要です。もし、その能力をあなたが持っていれば、いろいろなところからひっぱりだこになり、価値は高まるでしょう。

このように市場から求められているときに、その必要とされる能力があれば、需要が高まり、価値を高められるチャンスとなるでしょう。反対に言えば、市場から求められる能力は何であり、何の能力を高めるべきか見定めることがキャリアアップでは必要であると思います。それがリハビリテーションの高い専門性である場合もありますし、それを一般の人に伝えるコミュニケーション能力かもしれません。その時に、その需要にマッチした、高い能力、知識、技術があるかで個人の商品価値が決まります。そのために必要な能力の開発が大事です。

 

自分のキャリアの棚卸し、職務経歴書を書いてみよう

職務経歴書を書いたことがありますか。職務経歴書とは、これまで自分が経験してきた職務内容や所属していた会社についてまとめた書式のことをいいます。転職する際に、希望者(求職者)が採用担当者に対して提出する応募書類の1つとして求められることがあります。大学入試やバイトの面接、就職の際に履歴書は書いたことがある人が多いでしょう。そこには、生年月日や住所、学歴、職歴、免許資格、志望動機や趣味特技などを書くことが多いです。

それでは、履歴書と職務経歴書とは、何が違うのでしょうか。転職の際に、職務経歴書は選考に用いられ、自分が仕事をして得た能力や自己PRを書くものとされています。

内容や書式に統一したものはありませんが、一般的に職務の要約・経歴、活かせる知識・経験・能力、自己PRなどを記載します。詳細は、転職情報等を調べれば出てきますので、そちらに譲ります。マイナビのサイトでも紹介されています。
(マイナビコメディカル:https://co-medical.mynavi.jp/documents/shokumukeirekisho.html

キャリアアップのためには職務履歴書を書いてみることをおススメします。現段階で転職する予定のない人も書いてみるとよいでしょう。なぜなら、自己PRを書くものですので、今の自分自身の商品価値を自己分析することができます。これは意外とリハビリセラピストにとって書くことが難しいです。
例えば、「回復期病院で脳卒中のリハビリを5年経験しました」と書いたとします。それも経験としては事実ですし、評価されるものですが、他にも同じような経験をしている人も多く、自己PRとしては弱いと思います。では、より具体的に何を経験してきたのか、何が出来るのかなどを書けるようにすると良いでしょう。

また、「脳卒中のリハビリを5年間担当し、その経験について学会発表を過去に5回するなど、プレゼンテーション能力も高めてきました。それを活かして地域の講演会の講師を務めるなど地域の健康の知識を広める活動もしていました。また実習生のアドバイザーを務めるなど脳卒中のリハビリテーションの教育的な立場を経験しました」など具体的な経験と、転職の際に自分が持っている武器(ここでは、プレゼンテーション能力や教育能力)をアピールする必要があります

また、キャリアアップのために呼吸療法士や認定療法士などの資格取得をする人も多いと思いますが、それもどのように活かせるのかアピールが必要になります。活かせない資格であれば、持っているだけで無意味になってしまいます。

職務経歴書や履歴書が、商品でいう所のチラシ・広告となることを考えれば、いかに自分の商品価値をアピールできるかが重要です。今後のキャリアや転職先などによって求められる能力は違うので、自分自身が何をしたいのかキャリアデザイン・人生設計なども必要だと思います。
現在の自分自身の商品価値を自己分析し、強み、弱みを理解するためにも職務経歴書を書いてみることをおすすめします。

今回は、リハビリセラピストの多くが悩むキャリアアップについて書きました。キャリアアップのためには、まずは自分自身の能力を高めることが重要であり、さらに市場に求められる能力である必要があると思います。またこれまでの経験や自分自身の知識や技術について職務経歴書を書くなどして自己分析してみるのもよいと思います。次回は、私なりにキャリアアップするために必要だと思うことを書いていきます。

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吉倉孝則

吉倉孝則 (よしくら たかのり)

理学療法士。保健学修士。認定理学療法士(運動器)。
星城大学リハビリテーション学部理学療法学専攻卒業。浜松医科大学附属病院リハビリテーション部入職。星城大学大学院健康支援学研究科修了。
大学病院への勤務時代は、整形外科疾患、がんのリハビリテーションを中心に幅広い疾患のリハビリテーションに従事。院内の緩和ケアチームにも携わり多職種連携を心がけている。
臨床業務以外にも研究活動や学生の指導など教育、地域包括リーダーとして地域包括ケアの構築にも力を入れている。


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