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どんな場面で活用する? 精神科作業療法に取り入れたい「歌」

公開日:2016.11.25 更新日:2016.12.05

合唱やカラオケなど、作業療法のひとつとして活用される「歌」。多くの効果を考えると精神科の患者さんにもぴったりの作業療法です。心だけでなく身体にもいい影響を及ぼす歌の活用は、手軽に行える作業療法の一つ。今回は精神科作業療法には欠かせない存在である「歌」「音楽」について、ご紹介します。

感情に直接働きかける音楽の作用

歌とは、人の声を使って音楽を表現したもの。歌がなくても、音楽そのものにも作用があります。どこからか音楽が流れてきたとたん、踊りだしたり歌いだしたりして楽しむ患者さんもいるのではないでしょうか。音楽は理屈なく感情を刺激するといわれています。認知症の高齢者をはじめ、知能に障害がある人でも音楽をかけると意外な反応を示すことがあります。表情が失われたように感じる人が、音楽をかけたときにだけ変化を見せることも少なくありません。音楽がかかったとたん、言葉を失った人が歌いだすこともあるのです。音楽療法は、人の奥深くにある記憶と感情をゆさぶり、脳に刺激を与えてくれます。

歌うときの呼吸が心も身体も元気にする

歌っていると、自然と深い呼吸になります。曲のタイミングに合わせて息継ぎをする必要があるため、歌いながら息を吐ききったり思いきり吸い込んだりしているのです。
こうした呼吸の効果も、歌を取り入れる大きなメリット。歌いながら行う深呼吸の連続は肺の動きに合わせて、横隔膜を刺激します。横隔膜が上下することで内臓に刺激を与え、ほどよいマッサージに。さらに、たくさんの酸素を取り込むことで代謝が向上し、全身の血流も良くなります。このような一連の働きで自律神経機能の高まりも期待できるでしょう。

気持ちにぴったりの曲が心を癒す

人は、自分の感情に合った音楽を聴きたくなる傾向があります。苦しいときや悲しいときは同じような気持ちを表現した曲を求め、楽しい気分の時は明るい曲を選びます。恋愛中にラブソングが聴きたくなるのも同じです。こうした感情の働きを「同質の原理」といいます。自分の気持ちにぴったりの曲を聴くことで、音楽による共感を得られ、気持ちが楽になるというわけです。

明るくなりたいからと無理に明るい曲をかけるよりも、つらいときは思う存分、悲しい曲を聴いた方が感情も落ち着きます。歌う場合にはなおさら、歌う人の気持ちに合った曲を選ぶことで、感情解放の効果は高まります。

リハビリで選曲するときも無理に開放的な曲を選ぶのではなく、参加者の雰囲気に合わせて実践するようにしましょう。暗い曲が多くなってしまう場合は、明るい曲を少しずつ混ぜて歌うように流れを作るのがおすすめです。暗い気持ちが癒されて少しずつ気持ちが上向き、前向きな気分で終わることができます。興奮したまま終わらせない方がいいときは、最後に落ち着いた曲をみんなで歌ってクールダウンすると良いでしょう。

精神科リハに欠かせない歌と音楽の力

音楽は歌って気持ちよいだけでなく、心身に大きく働きかけてくれるものです。歌えなかったり、歌うのが苦手な人は、聴くだけでも脳や自律神経など神経系に大きく作用します。リハビリ中のBGMはもちろん、カラオケをやるもよし、合唱をやるもよし。活用しやすい方法で取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

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