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患者さんへの質問でわかる! 問診で機能診断をする方法

公開日:2015.10.22 更新日:2015.11.02

リハビリは1単位20分。限られた時間のなかでも評価の時間はできるだけ短くして、リハビリを長く行いたいもの。実際に患者さんの動作を見たり、身体を触ったりする評価はもちろん大切ですが、その前にしっかりと取り組みたいのが問診です。ここでは、問診により患者さんの訴えをうまく引き出し、理解することで動作や機能障害を予測し、評価の時間を短縮する方法を紹介します。

効率よく問診を行うために必要なこと

問診の価値を高めるためには聞きたいことを明確にし、はっきりした目的を持って行うことが大切です。問診の目的はまず、患者さんの病態を理解すること。そのあとに理解した病態を、機能障害と結びつけて考えてみましょう。
例えば膝の痛みを訴える患者さんの場合、その痛みは急性期なのか、慢性期なのか、痛みが出ているのは筋なのか、腱なのか、靭帯なのかということを、問診の段階で確認できれば理想的です。病態を把握し機能障害を評価することで、関節の可動域制限や不安定性、跛行(はこう)などが見られた場合には原因部位を早期に特定、もしくは予測することが可能になります。

患者さんの言葉から病態を読み解く

実際に患者さんの訴えを例にしながら、病態の理解について考えていきましょう。先ほど述べた、痛みが急性期なのか慢性期なのかを判断するには、どのように問診を行えばよいでしょうか?

急性期の特徴的な症状は、発赤、腫脹、熱感、疼痛などです。これを患者さんの訴える言葉にすると、「何か熱っぽい感じ」「急に痛みが出た」という表現になります。一方で急性期が過ぎ状態が安定しているものの、治療の継続が求められる慢性期であれば、「寝起きが痛い」「時間とともにだんだん痛くなってくる」という訴えになるでしょう。
また、障害部位が筋なのか、腱なのか、あるいは靭帯なのかということも、問診によりある程度の予測が可能です。筋・腱であれば、ストレッチや動きはじめの疼痛、患者さんによっては「何か切れそうな感じがする」といった訴えがあり、靭帯であれば、「関節が緩い感じ」「外れそうで怖い」といった訴えが多く認められます。リハビリだけでなく、臨床で担当することの多い腰部や膝関節の疼痛を訴える患者さんの病態理解にも、参考になるのではないでしょうか。

次に、高齢者に多い夜間痛ですが、「昼間も痛く、夜も寝つけないほど痛い」であれば、関節内の炎症による関節内圧の上昇が疼痛の原因と考えられます。一方、「寝ることはできるが、何かの拍子に痛くなったり、明け方に痛くなったりする」なら、アキレス腱炎といった慢性症状と同様の病態で、不動による影響が強いと考えられるでしょう。この場合はストレッチやマッサージなど、何らかのアプローチが必要であると判断できるはずです。

よい問診とは

評価やリハビリを効率よく行うには、患者さんの訴えから病態を理解するための問診知識やテクニックが必要です。理学療法士を含めたセラピストが自分自身の意思で、患者さんの訴えを誘導しながら問題点を判断していくことが、問診による望ましい機能診断といえるでしょう。問診がしっかりできるようになれば、そのあとの評価も確認作業だけとなり、効率が高まります。
とはいえ、そうした知識以上に大切なのが、患者さんとの信頼関係です。患者さんへの興味や傾聴など、相手の欲していることを聴くホスピタリティーあふれる姿勢や態度は、セラピストとして忘れてはいけません。問診は人対人。テクニックばかりに走りすぎず、“もてなし”の心を持って対応していきましょう。患者さんが納得してリハビリに取り組めるようなコミュニケーションを目指したいですね。

問診を上手に活用して、リハビリを充実させよう

評価中に行う問診触診や動作分析、カルテからの情報収集など、患者さんを評価する方法は数多くあります。問診は、そのなかで特に手軽な方法であり、患者さんに肉体的な負担をかけずに行える有意義な評価手段のひとつです。問診をうまく活用し、評価時間の短縮とリハビリの充実を図りましょう。

 

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