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【新人1年目】理学療法士におすすめのスキルアップ術と抱えやすい悩みを解説

公開日:2021.12.20 更新日:2023.09.13

【現役PTが解説】1年目の理学療法士におすすめのスキルアップ術

文:rana(理学療法士)

理学療法士1年目の頃は「リハビリが思うように進まない」「どのような治療をしていけばよいのかわからない」といった悩みを抱えることが多いかもしれません。

それもそのはず、まだ経験の浅い1年目では、持ち合わせている知識も技術も少ないため、悩むのは当然です。では、これから理学療法士として成長するには、どのような方法で学んでいけばよいのでしょうか。

今回は経験年数13年目の理学療法士が、自身の過去の経験を元に、スキルアップに必要な考え方や方法について紹介します。

新人1年目の理学療法士が抱えやすい3つの悩み

1年目の理学療法士は担当した患者さんの数が少なく、知識や技術も未熟であるため、さまざまな悩みを抱えがちです。筆者自身がこれまで新人教育をしてきたなかで、よく相談される3つの悩みについてまとめました。

1.治療方針が合っているのかわからない

経験や知識、技術が不足している1年目は、患者さんの変化や改善点を見出すことが困難であることが少なくありません。

また、疾患の予後予測が立てにくいことからも、方向性に悩むことも多いでしょう。そのような理由から「治療方針があっているのか」どうか悩む傾向にあります。

2.患者さんに合わせたリハビリメニューを組み立てるのが難しい

治療内容の引き出しが少ないため、当たり障りのない同じメニューのリハビリを繰り返してしまうのも、1年目の理学療法士にありがちなことです。

患者さん個々の疾患や、身体特性に合わせたリハビリメニューを組み立てることが難しいという悩みも多く聞かれます。

3.どのように勉強したらよいのかがわからない

理学療法に関する書籍や勉強会は数多くありますが、どれを選択したらよいのかわからないといった悩みもよく聞きます。

特に自分の目指す方向性が定まっていない場合に悩みやすいでしょう。

筆者自身が体験した「理学療法士1年目の失敗談」

【現役PTが解説】1年目の理学療法士におすすめのスキルアップ術
筆者も1年目の頃は悩みも多く、問題解決のために必死に勉強をしたことを覚えています。しかし、自分の勘違いからスキルアップしていくまでに遠回りしてしまいました。

なぜそうした失敗につながってしまったのか、その経緯を参考までにお伝えしましょう。

思うように回復しないのは徒手技術が未熟なせい……

1年目の頃、先輩の影響である徒手療法にハマり、それを全ての患者さんに当てはめていました。

しかし思うように回復しない患者さんもあり、悩んだ結果「自分の徒手技術が未熟だから」だと考えました。そこで、ひたすら徒手技術を練習しました。

徒手技術を磨くことばかりに専念してしまった結果

3年目までひたすら技術練習を重ねていましたが、その後、転職が決まり、担当患者の申し送りを作成することになりました。しかし、詳細が思うように書けず、状態をしっかり理解していないことを痛感しました。

なぜなら「これまで評価や動作の問題点抽出を怠っていた」からです。有名な徒手療法を行っているから、自分はできる理学療法士と勘違いしていたことに気がついたのでした。

このように、筆者は徒手技術の向上ばかりに目を向けてしまい、病態の深掘りをすることを怠っていました。

3年目の頃に、自分の考えが浅いことを痛感したため、その後は病態のアウトプットを続けようと思い、カルテの記載に力を注ぎました。

その頃から、「なぜそのような現象が生じているのか」、「そのアプローチを選択した根拠は何か」など、自分のなかで臨床を組み立てられるようになっていった経緯があります。

新人理学療法士は自分の考えをアウトプットする癖をつけることが重要

【現役PTが解説】1年目の理学療法士におすすめのスキルアップ術
失敗を経験した筆者が新人理学療法士におすすめしたいのが「日々のカルテに、自分の仮説と解釈をしっかりと記載すること」です。

理学療法士としてスキルアップするために、書籍やセミナーなどで多くの知識や技術を増やすことは、もちろん重要です。

しかし、それ以上に大切なのが「得た知識や技術を活かして、患者さんの病態を深掘りすること」。そして、その深掘りした内容を自分の言葉でアウトプットするとさらに理解が深まります。

カルテ記載は毎日、患者さんごとに行うものです。アウトプットを続けていくことで自分の理解が深まります。

カルテ記載時に取り入れたい具体的なアウトプット例

<例えば、膝の内側が痛い患者さんを担当した場合>
・痛みが生じているのは解剖学的にどこの部位か?
・どのような力学的ストレスによって痛みが生じるのか?
・どのように動かすと痛みが強まるか?
・逆にどのように動かすと痛みが軽減するか?
・日常的に負担をかけてしまっている動作は?
・既往歴の影響はないか?
・改善するために選択したアプローチの目的は?

このような点を意識して、カルテを記載します。

続けるうちに、患者さんの病態理解が深まります。言うまでもなく、記載していく上で「解剖学」「生理学」「運動学」の知識は必須なため、患者さんの病態を考えるための知識を書籍やセミナーなどで学ぶとよいでしょう。

理学療法士として成長するためには日々の積み重ねが大切

「有名な先生のセミナーに参加した」「高い書籍を購入した」などの経緯があっても、それを活かして患者さんの病態を捉えなければ意味がありません。

理学療法士として、日々の患者さんに起こっている現象をいかに考えるかが成長のカギといえます。カルテ記載を簡潔に終わらせるのではなく、自分の考えをしっかりと日々書き続けることで、それが積もり積もって大きなスキルに変わっていくはずです。

1年目の理学療法士こそ、日々の積み重ねが重要です。スキルアップに向けて、実践してみてはいかがでしょうか。

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rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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