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【作業療法士の施設見学】質問例や質問のポイントを紹介

公開日:2022.08.17 更新日:2022.08.26

【作業療法士の施設見学】質問例や質問のポイントを紹介

文:田口 昇平
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

作業療法士として希望通りの働き方を実現したいなら、施設見学が大切です。実際に医療機関や介護施設を見学し、現場スタッフの声を聞くことで、ホームページやパンフレットでは知り得ない職場の実態がわかるものです。私は、リハビリ部門の元責任者として、作業療法士の採用活動にも数多く携わってきました。応募者との質疑応答が、職場側にとっても採用可否の判断材料のひとつになることがあります。そこで今回は、作業療法士が施設見学の際にすべき質問の例と、そのポイントについてお伝えします。

採用担当者に対する質問例【仕事面】

作業療法士の業務内容は、職場によって大きく異なります。まずは、どのような働き方が求められているのかを確認しておくと良いでしょう。仕事面で聞いておくべき質問例を紹介します。

どのような疾患の患者さんが多いですか?

職場の施設基準や基本方針などによって、医療機関ごとに受け入れる患者さんの層に特徴があります。さまざまな疾患の患者さんを受け入れるところもあれば、特定の疾患を専門的に治療する医療機関もあります。リハビリは、疾患ごとに基本的な方法が定まっているため、希望しているリハビリ方法があるなら、その施設の患者さんの層を見極めることが大切です。

1人あたり何人くらいの患者さんを担当していますか?

担当する患者さんの数が多くなれば、その分の書類業務も増えることになります。結果として、患者さん1人に費やせるリハビリ時間が短くなりがちです。1人あたりの担当患者さん数として、病院では5~10人、診療所では10~20人、介護施設では数十人程度になるのが一般的です。より多くの症例を経験したいなら担当患者さん数の多い職場、一症例にじっくり時間をかけて治療したいなら担当患者さん数の少ない職場を選ぶと良いでしょう。

どのようなリハビリに力を入れていますか?

作業療法士は、さまざまなアプローチを通してリハビリをおこないます。多くの手法があることから、施設ごとに求められる視点や考え方・方法などが異なります。例えば、機能訓練主体の施設もあれば、生活動作の支援やアクティビティといった余暇活動の充実に力を入れる施設もあります。作業療法士として自分の理想とするキャリアを積みたいなら、希望にマッチしたリハビリがおこなわれているかを確認しておきましょう。

皆さんは、この施設で長く働かれているのですか?

施設の教育体制や指導環境を確認したいときは、在籍する作業療法士の勤続年数をひとつの目安として確認しておきましょう。ベテランから中堅の作業療法士が多い職場は、仕事を通じて、しっかりとした指導・教育が受けやすい環境にあります。同僚と一緒に切磋琢磨したり、リハビリの新しい知識・技術を学んだりしたいのであれば、学習意欲が高い若手作業療法士の多い職場を選ぶのもひとつの手です。また、長く働く人が多い施設は、働きやすい環境である可能性も高いでしょう。

他職種とは、どのように連携を取っていますか?

作業療法士が実施するリハビリは、他職種との連携が不可欠です。医師や看護師、理学療法士等と連携しなければ、リハビリの方針や内容を決めることができません。患者さんの退院・転所支援となれば、医療ソーシャルワーカーや生活相談員とも綿密な情報共有が必要になります。他職種と連携機会が多かったり、情報共有しやすかったりする施設は、作業療法士として、効果的なリハビリがおこないやすい就職先といえるでしょう。

採用担当者に対する質問例【待遇・プライベート面】

作業療法士としてしっかりとキャリアを積むには、働きやすい環境であることも大切です。つづいては、待遇・プライベート面についての質問例をお伝えします。

残業は、1か月あたりどのくらいありますか?

最近では、ワークライフバランスを重要視する施設も増え、残業の少ない働き方を推進する医療機関・介護施設も少なくありません。作業療法士の場合、業務終了後に記録や計画書の作成・リハビリの準備・職場勉強会などがあるため、1日あたり20~30分程度、1か月あたり10~20時間程度の残業がある施設が多い印象です。どのくらいまでなら残業を許容できるのかを考えるためにも、具体的な残業時間を聞いておきましょう。仕事とプライベートを両立するためにも、施設見学時には必ず確認することをおすすめします。

外部研修に参加したいのですが、有給は取りやすいですか?

作業療法士の人数が少ない施設では、有給休暇がとりにくい場合があります。知人の作業療法士のなかには、「休みがとれず有給が消滅してしまった」という人もいました。その施設での有給休暇の取得状況を質問するときは、前置きとして、外部研修に参加したい旨を伝えましょう。そうすれば、有給について質問しやすく、向上心が高い人材として自分をアピールすることにもつながります。

採用担当者に質問するポイント

採用担当者にうまく質問するために、事前に施設情報をリサーチしておきましょう。
施設見学中に、その場で質問を考えていると、緊張してうまく言葉が出てこなかったり、聞き忘れたりしてしまいがちです。また、施設についての情報収集が足りない様子が伝わると、就職する意欲がないとも受け取られかねません。
そうした事態を防ぐには、施設見学前にホームページやパンフレット・SNSなどをチェックし、質問事項をリストにしておくのがおすすめです。事前にリサーチした内容をもとに、わからない部分を深く掘り下げるように質問すること。そうした態度で臨めば、就職する意欲が高い人材として採用担当者に良い印象を与えられるでしょう。

遠慮せず質問して、作業療法士として働くイメージを固めよう

希望に合った施設に就職するためには、職場の実態をできる限り正確に把握することが大切です。職場の実態を十分に把握しないまま入職したことで自分の思い描いていた働き方ができず、早期離職してしまうケースも少なくありません。できるだけ納得して就職できるよう、職場のことをリサーチして、知りたいこと・わからないことがあれば遠慮せず質問すること。自分の理想とするリハビリができるように、施設見学を通じて、しっかりと情報収集しましょう。

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田口 昇平

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級
2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境づくりなど、幅広いテーマで執筆。心理学・脳科学分野の書籍を愛読し、学んだ内容をブログやSNSで情報発信している。

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