作業療法士に英語力は必要?英語が役立つ具体的なシーンや例文を解説
公開日:2023.03.06 更新日:2023.03.14
文:酒井 康輔(作業療法士)
臨床現場では、病名や医療機器などが英語表記されていることも多く、英語に触れる機会は少なからずあります。
とはいえ、作業療法士として働くなかで、実際に英語力は必要なのでしょうか。
今回は「作業療法士は英語力が必要か」、また、「覚えておくと便利な英単語」について説明をします。
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作業療法士に英語力は必要か?
作業療法士は、OTと表記されるケースがあり、英語で「Occupational Therapist」の頭文字をとった表現です。「Occupational」とは「作業」と直訳され、作業療法士は、対象となる人々にとって目的・価値を持つ生活行為である「作業」を活用して、対象者の健康と幸福を促進することを目指すTherapist(セラピスト)として活動します。
対象者は小児から高齢者までさまざまですが、ほとんどの患者さんは日本人で、外国人の患者さんを担当することは少ないのではないでしょうか。とはいえ、医療現場では病名や医療機器などについて英語表記されていることが多いため、英単語を理解しておくと現場で働くときに非常に役に立ちます。
つまり、作業療法士として働くなかで、日常会話レベルの英語力は求められることはほとんどなく、基本的に、病名や医療機器などに使用される英単語など、基礎レベルの英語を理解しておくとよいでしょう。
英語力を活かした作業療法士の働き方
基礎レベルの英語を理解しておけば臨床現場で困ることはほとんどありません。しかし、英語力があれば、幅広い働き方が可能です。続いて、英語力を活かした作業療法士の働き方を見てみましょう。
英語ベースでの論文の発表や学会発表ができる
医療は日進月歩しています。そのためリハビリに関係する知識を日々アップデートしていくためにも、資格取得後も勉学に励まなければなりません。日々の成果を論文や学術集会にて発表することができますが、英語が得意であれば英語論文を発表したり、国際学会にて発表したりできるでしょう。日本語よりも英語のほうが論文の国際的な影響力が大きく、知名度が高まりやすいと言われています。
海外で作業療法士として活動が可能
作業療法士としての専門性や経験があり、さらに英語が得意であれば海外で作業療法士として活動することが可能です。
リハビリ先進国とされている北欧やアメリカなどでは、日本のリハビリ医療よりもさらに進んだ技術や知識を習得できるため、キャリアを積むことができます。また海外に移住することもでき、海外志向の強い方にオススメです。
ただし、海外で作業療法士として働くためには、働きたい国の作業療法士資格を取得する方法がありますが、就労する国によって作業療法士として働ける条件が異なるため、事前の確認が必要です。
その他、独立法人国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊およびシニア海外ボランティアとして活動できるなど、活躍の場が広がります。
臨床現場で作業療法士が覚えておくと便利な英単語や英会話
作業療法士の仕事をしているなかで、少なからず病名や医療機器の名前などで英語に触れることがあります。また知見を広げるために海外の文献を読むこともあるため基礎的な英語力に加えて、専門的な医学英語は習得しておくとよいでしょう。
普段の臨床では外国人の患者さんを担当することは少ないかもしれませんが、近年は海外からの留学生のほかにも技能実習や就労目的で日本に滞在する方が増加しています。
そのため日本に滞在する外国の方が突然来院する可能性もあることから、一般的な日常会話レベルの英語力が求められることがあるかもしれません。
最低限の英語でのコミュニケーションができるようになると、スムーズなリハビリができることでしょう。英語による日常会話までは難しい場合でも、単語をつないで会話をする、身振り手振りなどを活用するといった方法もあります。
ここからは臨床現場で覚えておくと便利な英単語や英会話をシーンに分けて紹介します。
作業療法士が覚えておくと便利な英単語
作業療法士が覚えておくと便利な英単語は次の通り。
筋肉名
筋肉名 | 英単語 |
---|---|
上腕二頭筋 | Biceps |
上腕三頭筋 | Triceps |
大腿四頭筋 | Quadriceps |
腓腹筋 | Gastrocnemius |
運動方向
運動方向 | 英単語 |
---|---|
屈曲 | flexion |
伸展 | extension |
外転 | abduction |
内転 | adduction |
外旋 | lateral rotation |
内旋 | medial rotation |
痛み(疼痛)
痛み(疼痛) | 英単語 |
---|---|
軽い痛み | Mild pain |
慢性痛 | Chronic pain |
苦痛 | Extreme pain |
激痛 | Severe pain |
作業療法士が覚えておくと便利な英会話
作業療法士が覚えておくと便利な英会話は次の通り。
問診
問診 | 英会話 |
---|---|
今日はどうなさいましたか? | What brought you here today? |
どのようにしてそうなったのですか? | How did it happen? |
ここは痛みますか? | Does it hurt here? |
ひどく痛い部分はありますか? | Is there any part that hurts badly? |
手はしびれていますか? | Are your hands numb? |
内旋 | medial rotation |
作業療法士のスキルアップとして英語力を高めてみよう
臨床現場で外国人の患者さんを担当することが少ない場合、英語力がなくても作業療法士として働くことに影響はほとんどありません。
しかし、医療現場では病名や医療機器などが英語で表記されることが多いことや、日本に滞在する外国の方が増加していることから、基礎レベルでも英語力を身につけておくと安心です。
また覚えた英語を活かすとキャリアが広がり作業療法士としてのスキルアップにもつながります。
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<参考>

酒井 康輔
作業療法士
作業療法士として2016年より勤務開始。訪問看護ステーション・急性期病院を経験。現在も病院で勤務しており、高齢者から小児まで幅広い年齢層のクライエントに対して作業療法を実践している。臨床業務の傍ら、自身の得た知識を一般の方に届けたいという想いから2021年よりWebライターとして活動を開始。ブログも運営している。作業療法士KousukeのWriter Office
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