高齢者のレクリエーションを他職種と一緒に成功させる!
公開日:2017.05.12 更新日:2017.05.22
高齢者の集団リハとして欠かせないレクリエーション。スムーズに進めるためにも、看護師や介護職員など他職種の協力が不可欠です。しかしそれぞれの業務に忙しく、うまく協業できない現場も多いかもしれません。今回は、高齢者レクが協業によって効果を上げた例を紹介しながら、現場での多職種連携についてを考えます。
レクリエーションの認識不足に悩んでいませんか?
高齢者へのレクリエーションは、心身の機能の維持・回復に役立つ大切な作業療法のひとつです。作業療法士としては「看護師や介護職員など他職種と一緒に進めていきたい」と思っていても、レクリエーションへの治療的意味を認識してもらえなかったり、作業療法士にばかり負担がかかってしまったりすることも少なくありません。こうした状況を変えていくためには、職種間での認識を深め、お互いの連携がうまくいくような工夫が必要です。
拘束時間の減少にもつながった奈良県のとある介護老人保健施設の例
奈良県御所市のとある介護老人保健施設は月平均で93名の利用があり、要介護度の平均は2.7度にあたる施設です(平成12年度現在)。この施設では、1年4ヵ月をかけて「どの職種が施行しても同様の効果が得られる」レクリエーションの運営を行うことに成功しました。
この施設に勤務する作業療法士は施設長・医師・看護・介護責任者などの関係職種とともに「リハビリテーション検討委員会」を設置しました。その結果、レクリエーションが施設の業務指示として伝達されることとなったうえ、現場に関わる職員の意見を吸収して内容が工夫しやすくなったようです。さらにレクリエーションの評価や実施マニュアルができ、定期的な勉強会も開催されることへと広がりました。
このような広がりを通して、レクリエーション以外でも職種間での協力体制が充実し、レクに関わる職員の拘束時間を減らすことにもつながりました。また、職員同士のコミュニケーションや職員と高齢者とのコミュニケーションの機会も増えていくなど、さまざまな効果も広がっています。
時間がない現場こそ話し合いを
上記施設の事例を参考にしたくても「ここまでは難しいかも……」と思う方もいるかもしれません。しかしこの事例において特に注目すべきなのは、「職員の拘束時間が減った」という結果です。
手間をかけたことで結果的に拘束時間が減るなんて考えにくいかもしれません。しかし、時間をかけて効率化を進めたことで、初動は大変でも、最終的に関係者にとって大きなプラスとなっています。作業療法士はもちろん、他職種・患者さんのそれぞれにもメリットがあるのです。
本事例で最も力を入れたのが、「レクリエーションに対しての共通認識をもつこと」だったのだとか。何のために(目的)、何をやるのか(方法)、大事なことは何か(要点把握)といったポイントを、現場にかかわる職員全体が理解を深めたことで、大きな進歩を遂げました。共通認識が生まれることで、それぞれが自然に必要な行動をとることができ、結果的には全体の質を高めることになったのです。
まずはレクリエーションに対する職種間の共通認識を深めよう
他職種とうまく連携するためには、最初の第一歩が肝心かもしれません。とはいえ、委員会をつくってマニュアル作成や勉強会の開催も……となると手間も多く、すぐに実行できるものではありません。そこで参考になるのが、神奈川県作業療法士会が作製した「認知症の人のレクリエーション10のポイント」という小冊子です。資料を参考に、最低限の共通認識をもつことからはじめてみてはいかがでしょうか。
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