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疾患別リハビリテーション料とは?算定要件や施設基準などについて解説

公開日:2024.06.17

疾患別リハビリテーション料とは?算定要件や施設基準などについて解説

文:rana(理学療法士)

リハビリテーション(リハビリ)を実施した際の報酬は、対象疾患や施設の規模によって異なります。セラピストとして疾患ごとのリハビリ料をまとめた「疾患別リハビリテーション料」を理解しておきましょう。

今回は疾患別リハビリテーション料の算定要件や施設基準などについて現役理学療法士が解説します。

疾患別リハビリテーション料とは?

疾患別リハビリテーション料とは?算定要件や施設基準などについて解説

「疾患別リハビリテーション料」とは、患者さんにリハビリを提供した際に施設側が報酬として算定できる診療報酬の総称です。

疾患ごとに区分され、それぞれ点数や算定日数の上限が異なります。リハビリに対応するセラピストとして、しっかりと把握しておくことが大切です。次項より、詳細を解説します。

疾患別リハビリテーション料対象の疾患

疾患別リハビリテーション料は、5つの領域で区分されています。まずはそれぞれの主な対象疾患についてみていきましょう。

心大血管疾患リハビリテーション料

● 急性心筋梗塞
● 狭心症
● 開心術後
● 大血管疾患
● 慢性心不全で左室駆出率40%以下 など

脳血管疾患リハビリテーション料

● 脳梗塞
● 脳腫瘍
● 脊髄損傷
● パーキンソン病
● 高次脳機能障害 など

廃用症候群リハビリテーション料

急性疾患等に伴う安静による廃用症候群

運動器リハビリテーション料

● 上・下肢の複合損傷
● 脊椎損傷による四肢麻痺
● 運動器の悪性腫瘍 など

呼吸器リハビリテーション料

● 肺炎・無気肺
● 肺腫瘍
● 肺塞栓
● 慢性閉塞性肺疾患であって重症度分類Ⅱ以上の状態
● 食道癌
● 胃癌
● 肝臓癌の手術前後 など

疾患別リハビリテーション料に係る施設基準と点数

疾患別リハビリテーション料とは?算定要件や施設基準などについて解説

疾患別リハビリテーション料に係る施設基準と点数、算定日数についてそれぞれまとめました。

心大血管疾患リハビリテーション料

心大血管疾患リハビリテーション料はⅠとⅡに区分されています。算定日数は150日で、点数と施設基準は以下のとおりです。

点数 施設基準
205点/単位 ● 実施時間帯に循環器科または心臓血管外科の医師が常時勤務
● 専任の常勤医師1名以上
● 専従の常勤PTおよび専従常勤看護師があわせて2名以上
● 必要に応じてOTの配置
● 病院の専有面積30㎡以上、診療所の場合は20㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具の用意
125点/単位 ● 実施時間帯に非常勤を含む1名以上の医師が勤務
● 専従のPTまたは看護師いずれか1名以上
● 必要に応じてOTの配置
● 病院の専有面積は30㎡以上、診療所の場合は20㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具の用意

脳血管疾患リハビリテーション料

脳血管疾患リハビリテーション料はⅠ~Ⅲに区分されています。
算定日数は180日で、点数と施設基準は以下のとおりです。

点数 施設基準
245点/単位 ● 専任の常勤医師が2名以上(ただし、うち1名は脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験あるいは脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する研修会・講習会の受講歴あるいは講師歴を有すること)
● 専従のリハビリセラピストが合計10名以上
● 専従の常勤PTが5名以上
● 専従の常勤OTが3名以上
● 言語聴覚療法を行う場合、専従常勤のSTが1名以上で、専有面積が160㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具の用意
● リハビリに必要な器械・器具の用意
200点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従のリハビリスタッフが合計4名以上
● 専従の常勤PTが1名以上
● 専従の常勤OTが1名以上
● 言語聴覚療法を行う場合、専従常勤のSTが1名以上
● 専有面積は病院なら100㎡以上、診療所なら45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている
100点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従の常勤PT・OT・STのいずれかが1名以上
● 専有面積は病院なら100㎡以上、診療所なら45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている

廃用症候群リハビリテーション料

廃用症候群リハビリテーション料はⅠ~Ⅲに区分されています。算定日数は120日で施設基準は脳血管疾患等リハビリテーション料に準じます。点数は以下のとおりです。

180点/単位
146点/単位
77点/単位

運動器リハビリテーション料

運動器疾患リハビリテーション料はⅠ~Ⅲに区分されています。算定日数は150日で、点数と施設基準は以下のとおりです。

点数 施設基準
185点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従のリハビリスタッフが合計4名以上
● 専有面積は病院なら100㎡以上、診療所なら45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている
170点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従のリハビリスタッフが合計2名以上
● 専有面積は病院なら100㎡以上、診療所なら45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている
85点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従の常勤リハビリスタッフが1名以上
● 専有面積が45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている

呼吸器リハビリテーション料

呼吸器疾患リハビリテーション料はⅠとⅡに区分されています。算定日数は90日で、点数と施設基準は以下のとおりです。

点数 施設基準
175点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従の常勤PT1名を含んだうえで常勤PT・OT・STあわせて2名以上
● 専有面積は病院なら100㎡以上、診療所なら45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている
85点/単位 ● 専任の常勤医師が1名以上
● 専従の常勤リハビリスタッフが1名以上
● 専有面積が45㎡以上
● リハビリに必要な器械・器具が用意されている

算定日数上限を超えた場合の点数

疾患別リハビリテーション料はそれぞれ算定日数に条件があり、その期間を超えてしまうと算定ができなくなります。ただし、医師が治療の継続が必要と判断した場合は、標準的算定日数内外に関わらず、1日6単位まで算定することが可能です。

脳血管疾患疾患リハビリテーション料 147点/単位 120点/単位 60点/単位
廃用症候群リハビリテーション料 108点/単位 88点/単位 46点/単位
運動器リハビリテーション料 111点/単位 102点/単位 51点/単位

疾患別リハビリテーション料の算定要件

疾患別リハビリテーション料の算定要件は令和4年の診療報酬改定より、FIMの測定が重視されるようになりました。算定日数を超えてリハビリを継続する場合、FIMの測定が条件となり、より質の高い内容が求められています。具体的には、以下の要件を満たす必要があります。

● 継続することになった日を診療録に記載
● 月に1回以上FIM測定を実施し、リハビリの必要性を判断する
● 作成したリハビリ実施計画書を患者または家族に説明したうえで交付し、写しを診療録に添付する
● 1年間で疾患別リハビリテーション料を算定した患者の人数やFIMなどの報告を行う

FIMにより患者さんの日常生活レベルを把握して、リハビリの内容が適切なのかどうかを定期的に判定しなければなりません。

■関連記事
FIMの評価方法とは?特徴やメリット、項目などについて解説

疾患別リハビリテーション料についてしっかりと把握しておこう

リハビリを提供するセラピストとして、疾患別リハビリテーション料は押さえておくべき内容です。患者さんが支払う料金にも直結するため、直接、必要な費用を聞かれることもあります。施設によって異なる点はありますが、セラピストの基礎知識として、しっかりと把握しておきましょう。

■参考
リハビリテーション参考資料|厚生労働省

rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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