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理学療法士になるには最短何年かかる?資格取得までの流れを解説

公開日:2024.06.26 更新日:2026.03.17

理学療法士になるには最短何年かかる?資格取得までの流れを解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

理学療法士を目指すとき、最短でどのくらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。理学療法士は国家資格なので、誰もがすぐになれるわけではありません。最短で資格を取得するためには、養成校で知識や技術を3年以上学ぶ必要があります。

この記事では、理学療法士を目指す最短の流れや、事前に準備しておきたいことをご紹介します。資格の取得方法を知ることで、理学療法士を目指すための計画をスムーズに立てられるでしょう。

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理学療法士になるには最短で何年かかる?

理学療法士になるには、最短で3年かかります。理学療法士は国家資格なので、国家試験を受けて合格する必要があります。そのためには養成校で3年以上学び、理学療法士に求められる知識や技術を身につけなければいけません。

厳密にいうと、同じリハビリ職である「作業療法士」の資格を保有していれば共通科目の履修が一部免除され、最短2年で取得可能です。しかし、これは珍しいパターンなので、基本的には最短3年と考えて問題ありません。

理学療法士になるまでの4つの流れ

理学療法士になるまでの4つの流れ

理学療法士になるまでには、以下の4つの流れを経る必要があります。

  1. 1.養成校に入学する
  2. 2.必要なカリキュラムを履修する
  3. 3.国家試験に合格する
  4. 4.就職する

ここではそれぞれの流れについて詳しく解説します。

1.養成校に入学する

まずは、理学療法士の資格を取得できる養成校に入学する必要があります。養成校には大学や専門学校などがあり、基本的に3年制か4年制のいずれかです。

最短3年で資格を取得する場合、3年制の短期大学や専門学校に入学することになります。

養成校の種類や年制によってカリキュラムは異なりますが、理学療法士になるために必要な知識・技術を学べることに変わりはありません。

日本理学療法士協会によると、養成校は2026年1月の段階で、全国に278校あるとされています。そのため、養成校探しに困ることは少ないでしょう。

毎年行われている学校見学やオープンキャンパスなどに参加して、自分にあった養成校を探してみてください。

2.必要なカリキュラムを履修する

養成校に入学したら、定められているカリキュラムを履修する必要があります。理学療法士に必要なカリキュラムは、以下の4つに大きく分かれています。

  • • 一般教養科目
  • • 専門基礎科目
  • • 専門科目
  • • 臨床実習

1年次では解剖学や生理学などの基礎的な知識の学習からはじまり、学年を経るごとに専門性に特化した分野を学びます。

学年が上がるにつれて、カリキュラムの内容も専門的かつ難しくなるので、1年次からしっかりと基礎を固めておくことが大切です。

最終学年になると臨床実習がはじまり、医療機関やクリニックなどで理学療法士の実際の仕事を経験します。

3.国家試験に合格する

カリキュラムを履修した後は、最後に国家試験を受験します。国家試験に合格すれば、理学療法士の資格を取得できます。

例として、令和7年度に行われた国家試験の日程や試験内容、合格率などを以下の表にまとめました。

試験期日 2月24日(月)
試験内容 筆記試験(マークシート方式)
合格基準 ・総得点:164点以上/273点
・実地問題:40点以上/114点
合格率 89.6%

これまで受けたカリキュラムをしっかりと履修し、国家試験対策をすれば十分に合格できるレベルといえます。

4.就職する

国家試験に合格して養成校を卒業したら、就職して理学療法士として働くこととなります。理学療法士の就職先は多岐にわたり、以下のような幅広い選択肢があります。

  • • 病院
  • • クリニック
  • • 介護施設
  • • スポーツ関連施設

就職活動は、一般的に最終学年の夏頃からはじまり、養成校の卒業前には内定が決まる方も多いです。

職場を決める際は、学校からの紹介や専門誌の求人情報などを通じて探します。就職活動の際は、自分のライフスタイルや将来のキャリアプランにあった職場を選ぶことが大切です。

就職活動は早めに情報収集を始め、計画的に進めることをおすすめします。

■関連記事
理学療法士の就職先と選び方~働く場所の割合と病院以外の選択肢~

各養成校の特徴

各養成校の特徴

理学療法士の養成校には大学や専門学校などがありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、各養成校の特徴をご紹介します。

大学はさまざまな分野を学べる

大学では、理学療法に関する専門知識だけでなく、幅広い分野を学べるのが特徴です。

4年制のカリキュラムでは、専門科目をじっくり時間をかけて学べるだけでなく、論理的思考力を養う授業も充実しています。

また、学生のうちから研究活動に触れる機会も多く、卒業後は大学院へ進学する方もいるでしょう。

実際に、筆者が勤めていた職場では大学院に進学しつつ、理学療法士として働いている方がいました。大学の学費は国立・公立と私立によって大きく異なり、目安は以下のとおりです。

  • 国立・公立:約250万円
  • 私立:600〜800万円

理学療法士を専門とした科目だけでなく、さまざまな知識を学びたい方は大学への入学がおすすめです。

専門学校は資格取得に特化している

専門学校は、理学療法士の国家資格取得に特化したカリキュラムが組まれているのが特徴です。専門学校は3年制と4年制があり、どちらも専門的な科目を中心に学ぶため、卒業後すぐに働ける実践力を身につけられます。

なかには夜間部を設けている養成校もあるので、社会人でも入学しやすい点もメリットです。

学費は約300万円〜500万円と、私立大学と比較すると安い傾向にあります。

最初から理学療法士を目指す意思が固まっている方は、専門学校が向いています。

短期大学は大学と専門学校それぞれの特徴がある

短期大学は、大学と専門学校、双方のメリットがある養成校です。3年制のカリキュラムでありながら、理学療法士の専門科目だけでなく、大学のような一般教養も学べるのが特徴です。

ただし、日本理学療法士協会によると、理学療法学科のある短期大学は全国で4校とされています。そのため、選択肢が限られている点には注意が必要です。

最短で資格取得を目指しつつ、幅広い教養も身につけたい方は、短期大学の入学も検討してみましょう。

3年制の養成校に入学するメリット

3年制の養成校に入学するメリット

3年制の養成校は、4年制と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3年制の養成校に入学するメリットについて詳しく解説します。

キャリア形成に有利

3年制の養成校は、理学療法士に就職した後のキャリア形成に有利といえます。3年制であれば4年制よりも1年早く理学療法士になれるので、早くから経験を積むことが可能です。

令和6年度の厚生労働省の調査によると、理学療法士の全体の平均年齢は35.5歳とされています。

看護師や放射線技師の平均年齢は40歳以上なので、理学療法士は医療職のなかでは若い傾向にあります。

そのため、若手が多い職場環境によっては、比較的早い段階で役職に就くことも珍しくありません。その状況を考えると、1年早く理学療法士になれるだけでも、キャリアにとって大きなメリットとなり得るでしょう。

4年制よりも学費が安い

3年制の養成校は4年制よりも1年早く卒業できる分、学費が安い傾向にあります。場合によっては4年制よりも100万円以上安くなることもあります。

学費をおさえながら理学療法士になりたい方も、3年制のほうがおすすめといえるでしょう。

3年制の養成校に入学するデメリット

3年制の養成校に入学するデメリット

3年制の養成校に入学するデメリットは、授業で忙しくなりやすい点です。4年制よりも1年短い分、カリキュラムが密になりやすいので、人によっては授業や課題で忙しいと感じることもあるでしょう。

授業のスピードについていけないと、期末テストで赤点を取って留年してしまう、というケースもあります。

時間に余裕を持ちながら勉強したい方は、4年制のほうが向いている場合もあります。

3年制と4年制はどちらもメリット・デメリットがあるので、よく検討してから決めると良いでしょう。

高卒者や社会人におすすめの養成校

高校を卒業した方の場合と社会人の場合では、おすすめできる養成校の種類が変わります。ここでは、それぞれにおすすめできる養成校をご紹介します。

【高卒者】最短を目指すなら専門学校が現実的

高校を卒業した方が理学療法士を最短で目指す場合、専門学校への進学が現実的な選択肢といえます。

最短ルートを考えると、大学は4年制であるため卒業までに時間がかかります。一方で、短期大学は3年制ですが、全国的にみても数が限られており、地域によっては選択肢に入らないこともあるでしょう。

3年制の専門学校は全国に多数あるため、比較的入学しやすい環境が整っています。

もし最短での資格取得にこだわらなければ、大学や短期大学など、どの養成校を選んでも問題ありません。

自分の学習スタイルや、将来のキャリアプランにあわせて養成校を選択してみましょう。

さまざまな分野を学びたいなら大学がおすすめ

理学療法士としての専門知識だけでなく、幅広い分野を学びたい方は大学への進学がおすすめです。

大学のカリキュラムには理学療法士の専門科目はもちろん、一般教養や関連する分野の授業も多く含まれているのが特徴です。さまざまな分野に触れることで視野が広がり、患者さんを多角的な視点からとらえられる力を養えるでしょう。

大学は基本的に4年制のため、3年制の専門学校と比べてじっくり時間をかけて学べる環境も十分に整っています。

また、大学を卒業したあとに大学院へ進み、現場で働きながら研究をする選択肢もあります。
理学療法に関連する分野を深く学びたい方や、将来の可能性を広げておきたい方は、大学の入学を検討してみましょう。

【社会人】仕事と両立したい場合は夜間部の養成校がおすすめ

社会人で仕事を続けながら理学療法士を目指す場合、夜間部のある養成校への入学がおすすめです。

夜間部では夕方から夜まで授業が行われるため、仕事との両立がしやすくなります。これにより、収入を得ながら資格取得を目指せるのが最大のメリットです。

ただし、夜間部は4年制のカリキュラムを採用している養成校が多く、3年制となると選択肢が狭まる可能性がある点に注意しましょう。また夜間部で3年制のコースを選んだ場合、仕事との両立は4年制よりも大変になります。

日中の仕事に加えて夜間の授業、そして自宅での予習・復習と、時間的にも体力的にも負担が大きくなります。

無理なく続けられるペースで学びたい場合は、4年制の夜間部も検討してみましょう。

夜間部の養成校についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:理学療法士の養成校の夜間部はきつい?理由やメリットについて夜間部卒業者が解説

養成校を選択する際にチェックしたいポイント

養成校を選択する際にチェックしたいポイント

養成校を選択する際は、以下のようなポイントをチェックすることが大切です。

  • • 校内の雰囲気
  • • 国家試験の合格率
  • • 設備の充実度
  • • 通学のしやすさ

ここでは、それぞれのポイントについてみていきましょう。

校内の雰囲気

養成校を選ぶとき、校内の雰囲気が自分にあっているかどうかをチェックしておきましょう。養成校の学生や先生たちの雰囲気は、学校生活のモチベーションを保つうえで大きな要素といえます。

たとえば、クラス全体が協力するような雰囲気なのか、個々が静かに学ぶ環境なのかによって居心地のよさは変わってくるでしょう。

校内の雰囲気を知るためには、オープンキャンパスや学校説明会に参加することが重要です。実際に在校生の様子や先生とのやり取りを直接見ることで、入学後の生活を具体的にイメージできます。入学してから「想像と違った」というギャップを減らすためにも、事前の確認は欠かせません。

国家試験の合格率

理学療法士になるためには、最終的に国家試験に合格する必要があります。そのため、養成校選びでは国家試験の合格率は重要なポイントです。

合格率が高い養成校は試験対策のカリキュラムがしっかり組まれていたり、先生方のサポートが手厚かったりする可能性が高いです。過去数年間安定して高い合格率を維持していれば、安心して学習に取り組める環境が整っていると判断できるでしょう。

多くの養成校では、ホームページやパンフレットで合格率を公開しています。オープンキャンパスや説明会に行けば、より詳しい試験対策の取り組みについて聞けるでしょう。

設備の充実度

理学療法士になるうえで必要な設備が、どれくらい充実しているかも確認しておきましょう。理学療法士の仕事では、患者さんの治療や評価のためにさまざまな機械や道具を使用する場面が多くあります。

養成校の設備が充実していれば授業でそれらの機械に直接触れ、特徴や操作方法を学べます。現場で使われているものと同じ機器を練習できれば、臨床実習時や就職後にもスムーズに対応できるでしょう。

オープンキャンパスや学校説明会に参加する際に、どのような設備が整えられているかを実際に確かめてみてください。

通学のしやすさ

養成校を選ぶうえで、自宅から学校までの通学時間やアクセスの仕方も調べておきましょう。

最短でも3年間は通う必要がある以上、毎日の通学のしやすさも重要です。通学時間が長いと、その分勉強やプライベートに割く時間が削られやすくなります。

どうしても志望校への通学の負担が大きい場合は、養成校の寮を利用する、一人暮らしをはじめるなどの選択肢も検討する必要があります。3年間以上無理なく通い続けられるかどうかを考え、自分にとって負担の少ない環境を選びましょう。

最短で理学療法士になるために準備しておきたいこと

最短で理学療法士になるために準備しておきたいこと

最短で理学療法士になるために準備をしておきたいことは、おもに以下があげられます。

予習をしておく
勉強習慣をつけておく
パソコンの操作に慣れておく

ここでは、それぞれについて詳しくみていきましょう。

予習をしておく

入学前に予習しておくと、養成校で受ける授業の内容が頭に入りやすくなります。予習しておきたい内容は、「解剖学」や「生理学」などの医療職にとって基礎となる分野です。

これらの知識は理学療法士になった後でも必要になるので、早めに勉強しておいて損はありません。

予習する内容は専門的なものではなく、初心者向けの書籍やサイトなどがおすすめです。

まずはざっくりでも良いので、人体がどのような構成になっているのかを勉強してみましょう。

勉強習慣をつけておく

勉強習慣をつけておくと、養成校に入学した後もつまずきにくくなります。養成校では高校や中学と同じように、定期的にテストを受ける必要があります。

そして、理学療法士として就職した後も、常に研鑽を積まなくてはいけません。

早期から勉強習慣をつけておくことは、学生時代はもちろん、就職後も大きなメリットとなるでしょう。

少しの時間からでも良いので、毎日勉強する習慣をつけることが大切です。

パソコンの操作に慣れておく

パソコンの操作に慣れておくことも大切です。養成校では実習や研究レポートを書く機会があるので、WordやExcelなどの基本的なソフトの操作は覚えておくと良いでしょう。

また、就職後も電子カルテや書類作成のためにパソコンを使用する機会が多くなります。詳しい知識は必要ありませんが、パソコンをある程度操作できるくらいにはしておきましょう。

理学療法士になるには最短で3年かかる

最短で理学療法士になるには、3年制の養成校に入学することが条件です。3年制の養成校は、4年制よりもキャリア形成や学費の面で優位となる傾向にあります。

しかし、その分授業が過密になりやすいので、しっかりとカリキュラムについていく必要があります。

予習しておく、勉強習慣をつけるなどの準備をすることで、養成校での授業も頭に入りやすくなるでしょう。

3年制の養成校の特徴を把握したうえで、最短で理学療法士を目指してみましょう。

参考

日本理学療法士協会|養成校一覧
厚生労働省|第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について
政府統計の総合窓口|令和6年賃金構造基本統計調査

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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