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退院時リハビリテーション指導料とは?算定ポイントと実際の指導内容を紹介

公開日:2024.07.08

退院時リハビリテーション指導料とは? 算定ポイントと実際の指導内容を紹介

文:加藤真太郎(理学療法士)

退院時リハビリテーション指導料を算定するためには「何を指導すればいいの?」「算定するための条件は?」など、制度の内容について知らない方も多いでしょう。

退院時リハビリテーション指導料のような診療報酬の算定は、複雑でわかりにくい部分もあるため、ここでは「算定のポイント」と「具体的な指導内容の例」を紹介します。

最後までご一読いただければ、退院時リハビリテーション指導料についての理解が深まり、きっと患者さんに必要な指導が行えるようになるはずです。

退院時リハビリテーション指導料とは

退院時リハビリテーション指導料の主な目的は、患者さんが退院後に自宅で安全かつ自立した生活を送れるように支援することです。

患者さんが日常生活にスムーズに復帰できるように、現在の身体状況や家屋環境などを考慮して、運動や生活での注意点の指導、家屋環境の調整などの提案をします。

例えば、退院後も安全に在宅生活を送るために、必要な身体機能維持のための運動を指導したり、日常生活で気をつけるべきポイントを伝えたりします。

退院時リハビリテーション指導料は、患者さんが元の生活に戻るために必要な機能改善だけではなく、再入院のリスクを減らす効果も期待できます。

そのためこの制度は、患者さんの身体機能の回復と自立した生活を支えるためにも非常に重要になります。

退院時リハビリテーション指導料が適用される条件と点数

退院時リハビリテーション指導料は、身体状態や家屋環境、今後の介護の必要性などを考慮し医師が必要であると判断した場合に、患者さんまたは家族に指導を行うことで算定できます。

患者さんの退院日に1回のみ「300点」の退院時リハビリテーション指導料が算定でき、死亡退院の場合は算定できません。

退院時リハビリテーション指導料を算定できる職種

退院時リハビリテーション指導料は、医学的管理を行った医師または、リハビリ担当の医師が指導した場合に算定可能です。医師の指示があれば、他の職種でも算定可能です。

しかし、医師以外の職種が算定する場合は、1つの職種だけでは算定できないため注意してください。

医師以外の職種で算定可能な組み合わせは以下のとおりです。

リハビリ職 リハビリ以外の職種
理学療法士 保健師
作業療法士 看護師
言語聴覚士 社会福祉士
精神保健福祉士

リハビリ職+該当する職種が、それぞれ指導を行った場合に「退院時リハビリテーション指導料」の算定が可能です。

退院時リハビリテーション指導料算定の注意点

退院時リハビリテーション指導料算定の注意点は次のとおりです。

・医師が必要であると判断している場合にのみ算定できる。
・医師以外の単一職種のみで指導をした場合は、「退院時リハビリテーション指導料」は算定できない。
・リハビリ職が「退院時リハビリテーション指導料」と「退院時共同指導料2」を同日に算定できない。
・退院時リハビリテーション指導料は、退院日に1回のみ算定可能である。
・リハビリ職のみでは「退院時リハビリテーション指導料」は算定できない。
・入院期間が通算される再入院をした場合は、退院時リハビリテーション指導料は算定できない。

なお、厚生労働省の「疑義解釈資料」には次のようにあり、同じ医療機関に再入院した場合は注意が必要です。

(問7)B006-3退院時リハビリテーション指導料の留意事項に「退院日に1回に限り算定する。」とあるが、退院した後、同一医療機関へ再入院した場合や、他医療機関へ転医した場合であっても、算定要件を満たせば当該指導料を算定することができるのか。

(答)第1章第2部通則5の規定により入院期間が通算される再入院をした場合には、当該指導料を算定することはできない。また、当該指導料の趣旨から、他医療機関への転医の場合には算定できない。

引用:疑義解釈資料の送付について(その15) – 厚生労働省

退院時リハビリテーション指導料の対象者と具体的な指導内容

★退院時リハビリテーション指導料とは? 算定ポイントと実際の指導内容を紹介★

退院時リハビリテーション指導料の対象となるのは、医師により指導の必要性があると判断された患者さんとその家族です。

患者さんには、退院後の生活を考慮したうえで、必要となる身体機能の維持や改善のための運動やストレッチなどを指導します。

家族の方には、介護負担を減らすための介助方法や身体的なケアの方法などについて指導を行います。再入院のリスクを軽減するためには、家族のサポートも重要です。

具体的な指導内容の一部を紹介します。

対象 具体的内容
本人 日常生活で意識的に行えば、身体機能の維持につながる動作の指導
具体例:歩くように心がける、家事を行う、立ち上がりの際には意識的に足を使うようにするなど
生活レベルを落とさないために必要な運動の指導(体力・筋力・関節の可動性の維持)
具体例:スクワット、踵上げ、片足立ちなど
家屋内での移動や家事動作で気をつけるポイントの指導
具体例:狭い場所を歩かない、重たいものは小分けにして運ぶ(洗濯物、料理など)、
家族 基本的な動作(寝返り、立つ、座るなど)の介助方法の指導
家屋環境について指導
具体例:家具のレイアウト、手すりや段差などの改修案の提供など
利用可能な社会的資源の情報提供
具体例:地域包括支援センター、訪問看護、デイサービスなど

上記の内容は、指導内容の一部でありすべての患者さんや家族のこの内容を指導するわけではありません。患者さんの身体状況や家屋環境、介護の必要性などを考え、個別性の高い内容を考え、指導する必要があります。

また、運動を指導する場合は安全性にも配慮しなければいけません。片足立ちのような不安定になる運動の場合は、椅子やテーブルにつかまりながら実施するように指導しましょう。

事例紹介

実際に退院時リハビリテーション指導料を算定した患者さんの事例を2つ紹介します。

患者さんA:大腿骨頸部骨折で入院。80歳代の女性。洗濯物を干す場所が2階であるため、階段の上り下りが必要であった事例。

指導内容:退院時の身体機能として、階段昇降は手すりを使用すれば可能な状況であったが、洗濯物を持った状態では転落のリスクが考えられた。そのため、洗濯物を干す場所を1階の日の当たる部屋にすることを提案した。洗濯物は一度にすべてを運ぶのではなく、小分けにするように指導した。身体機能維持のために、スクワット、片足立ち、タオルギャザー(足の指の運動)を指導した。転倒リスクを考え、運動をする際には椅子やテーブルにつかまるように指導した。

 

患者さんB:脳梗塞にて入院。妻との2人暮らしであり、在宅生活では適宜介助が必要な状況で退院となった事例。

指導内容:退院時の指導は、奥様への介助指導が主であった。ベッドからの起き上がりや車椅子への移乗動作、車椅子の操作などに関する介助方法の指導を実施した。

まとめ

退院時リハビリテーション指導料は、患者さんや家族が退院後にスムーズに自宅復帰できるように支援するための制度です。また、再入院のリスクの軽減にもつながります。

退院時リハビリテーション指導料は医師、またはリハビリ職と看護師や保健師などが共同して指導することで算定可能です。指導内容は、患者さんの身体機能や家屋環境、社会的背景などによって変わってきます。また、家族への介助方法の指導が必要な場合もあります。

患者さんの退院後の生活イメージを具体的にすることで、サポートするべき内容が想像できるようになるでしょう。

加藤真太郎

加藤真太郎

理学療法士/ダイエットインストラクター/姿勢改善アドバイザー
回復期の病院で8年間勤務し、その後は養成校の教員として働いている。副業として介護・医療分野を中心にライター業、筋トレ関連のブログ運営を行っている。プライベートでは3児の父親であり、日々子育てと仕事に奮闘している。

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