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突発性難聴の治療中にやってはいけないことは?~回復過程や仕事への影響も解説

公開日:2024.08.01 更新日:2024.08.06

突発性難聴の治療中に「やってはいけないこと」~回復過程や仕事への影響も解説

文:tokoshi(言語聴覚士)

突発性難聴は、突然耳が聞こえなくなる病気です。早期に病院を受診し適切な治療を受けないと、後遺症が残るケースがあります。

また、発症後に適切な対応をしていなかったことから症状が悪化するリスクもあるため注意が必要です。

本記事では、「突発性難聴の治療中にやってはいけないこと」について詳しく解説します。突発性難聴の回復過程や、仕事への影響についてもお伝えします。

突発性難聴とは?その原因は?

突発性難聴とは、突然耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいといった症状が伴う病気です。

40〜60代の働き盛りの人がよく発症する傾向にありますが、20代や30代といった比較的若い年齢層でも発症することがあります。

突発性難聴の原因は明確ではありませんが、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などの影響で発症しやすいことがわかっています。

突発性難聴は発症から1〜2週間以内に治療を開始することが重要であり、治療が遅れてしまうと後遺症が残るケースも。

そのため、少しでも聞こえにくいと感じたら、早めに耳鼻科を受診し治療を行うことが大切です。

いつ治る?突発性難聴の回復過程

突発性難聴は「薬物療法」を用いて治療するのが一般的です。代表的な薬物療法としては、炎症を抑える「ステロイド薬」を中心に、血管を拡張させる薬や、代謝を改善させる薬、ビタミン剤などを併用した治療が行われます。

なお、突発性難聴が発症した要因として「ストレス」が影響していると考えられる場合は、薬物療法とあわせて、安静に過ごすことも治療の一環になるでしょう。

治療期間の目安は1〜2週間程度ですが、適切な治療をした場合でも完治する人が1/3、なんらかの改善がある人が1/3、全く改善しない人が1/3といわれています。

治療効果が乏しい要因のひとつとして「受診や治療の遅れ」が影響するため注意が必要です。

突発性難聴の治療中に「やってはいけないこと」3選

突発性難聴の治療中に「やってはいけないこと」~回復過程や仕事への影響も解説

もし、突発性難聴になってしまったら、やってはいけないことがあります。治療中に「やってはいけないこと」をしてしまうと、回復が遅れたり、改善しなかったりする可能性があります。

場合によっては悪化してしまう可能性もあるため、適切な治療を行うためにも、以下の3点に注意した生活を心がけましょう。

やってはいけないこと①長時間のイヤホン装着

長時間イヤホンやヘッドホンを使用することで、耳に負担がかかり、突発性難聴が悪化するリスクがあります。そのため、治療中は、イヤホンやヘッドホンの長時間の使用は避けるようにしましょう。

また、治療中にイヤホンやヘッドホンで音楽を聞くと、聞こえにくさから、無意識に音量を上げすぎてしまうケースがあります。

音量を過度に上げた状態で音楽を聞き続けると、突発性難聴の悪化だけでなく、聴力低下にもつながるため注意が必要です。

やってはいけないこと②コーヒーやアルコールをよく飲む

突発性難聴は、なんらかの理由で耳の血液の流れが悪くなり、音を感じる耳の奥の細胞が傷つき発症すると考えられています。アルコールやコーヒーには利尿作用があり、血液の流れが悪くなりやすいため治療中は控えるのが得策でしょう。

また、突発性難聴の治療に使われるステロイド薬を服薬している間は、アルコールやコーヒーなどの摂取は最小限にすることが推奨されています。ステロイド薬の効果を最大限引き出すためにも控えることをおすすめします。

やってはいけないこと③激しい運動

突発性難聴になると、物体の位置や大きさなどを正確に理解する「空間認知機能」が低下します。この状態で激しい運動をすると、大きなケガを招く可能性があります。

また、薬物療法をしている期間中は、薬の副作用が出ることも考えられるため、できるだけ安静にすることが大切です。

体を動かしたい場合は、医師と相談のもと、ウォーキングやストレッチなど、比較的、体に負担の少ない運動を無理のない範囲で行いましょう。

突発性難聴になったら仕事はどうする?

突発性難聴の治療中に「やってはいけないこと」~回復過程や仕事への影響も解説

突発性難聴になると、周囲の音が聞き取りにくくなるため、日常生活だけでなく仕事にも影響を及ぼす可能性があります。たとえば、職場でのコミュニケーションが取りにくくなったり、先方への電話対応や会議などに支障が出たりするかもしれません。

症状が重く仕事に支障が出たり、医師が自宅療養をすすめたりした場合は、休職を検討することをおすすめします。休職を選択する場合は、医師に診断書を書いてもらい、職場に診断書を提出後、自宅で安静に過ごしましょう。
なお、病気やケガなどで休職をした時は、「傷病手当金」といった給付金が受け取れる制度もあります。休職による生活の不安がある場合には、こうした制度も活用するとよいでしょう。
もし、症状が軽度で、治療しながら仕事をしても問題ないと医師にいわれるのであれば、激しい動きのある業務を避け、できるだけ負担のない範囲で行動してください。その際、自身の状況を上司に相談し、周囲の理解を得ることが大切です。

突発性難聴を一日でも早く治すためにできること

突発性難聴は突然耳の聞こえが悪くなる病気で、早期の治療が重要です。治療が遅れたり、適切な対応が取れていなかったりする場合は、改善が見られない、もしくは後遺症が残る可能性もあります。

紹介した「突発性難聴の治療中にやってはいけないこと」に留意しながら安静に過ごすようにしましょう。また、突発性難聴はストレスや生活習慣が発症に影響しているケースがあるため、規則正しい生活習慣や、十分な休息などを意識しながら過ごすことも大切です。

参考

e-ヘルスネット「突発性難聴について」
兵庫医科大学病院「突発性難聴」
兵庫県保健医協会「ステロイド内服の副作用と効果-実体験も交えて-」
全国健康保健協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

tokoshi

tokoshi

言語聴覚士
回復期で失語症と高次脳機能障害を中心としたリハビリ業務に携わる。その後転職し、看取り施設で「最期の食事」を言語聴覚士として支援。現在は訪問リハビリやデイサービスでリハビリをしながらライターとしても活動しています。

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