バネ指とは?原因や症状、やってはいけないことについて解説
公開日:2024.10.04

文:rana(理学療法士)
バネ指とは、手の指を曲げると引っかかって伸びない、伸びにくいといった症状を指します。バネ指は重症化すると手術が必要になる場合もある病態です。
今回は、バネ指について、その原因や症状、やってはいけないことなどについて現役理学療法士が解説します。
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バネ指とは
バネ指とは、指を曲げるための筋である「屈筋腱(くっきんけん)」が何らかの原因で腫れてしまい、「腱鞘(けんしょう)」という屈筋腱を覆っている鞘(さや)に引っかかって動きが制限される病態です。
医学的には「腱鞘炎(けんしょうえん)」や「弾発指(だんぱつし)」と呼ばれており、日常生活にも支障をきたします。指を伸ばす際に引っかかりを感じ、伸ばすとバネのように急に伸びるため、一般的に「バネ指」と呼ばれています。
バネ指の症状

バネ指はどの指にも発症する可能性があります。主な症状として、手のひら側の指の付け根に熱を持っていたり、腫れや痛みが生じたりします。
そのほか、以下のような症状もみられます。
・指の曲げ伸ばしの際、引っかかる感じがする
・指がこわばり固まっている感じがする
・曲がったまま動かなくなり、自力では伸ばせなくなる
いずれかの症状が1つでも当てはまれば、バネ指が疑われます。
バネ指になる5つの主な原因
バネ指になる原因は主に以下の5つです。
2. 加齢による柔軟性低下
3. ホルモンバランスの変化
4. 栄養不足
5. 動かし方のクセ
それぞれ解説します。
1.手や指の使いすぎ
手や指を使いすぎると、指を曲げるための筋(屈筋腱)と、その筋を覆っている鞘(腱鞘)に負担がかかって炎症を起こすことがあります。
その炎症が、バネ指の原因となります。特に以下のような動作を日常的に行っている方は注意が必要です。
・細かいものをつかむ作業
・ピアノやギターなどの楽器演奏
・ゴルフやテニスなどのスポーツ
頻度や回数が多いほど負担がかかるため、使いすぎに注意しましょう。
2.加齢による柔軟性低下
年齢を重ねるにつれ、指や手首を曲げ伸ばしする筋肉が硬くなりやすくなります。そうした柔軟性の低下もバネ指になる原因の1つです。
特に、バネ指が生じるとき、肘の内側から手のひらにかけて走行する「前腕屈筋群(ぜんわんくっきんぐん)」が硬くなっている傾向があります。
3.ホルモンバランスの変化
妊娠や出産、閉経など、女性特有のホルモンバランスの乱れも、バネ指の原因に挙げられます。ホルモンバランスが変化することで、屈筋腱や腱鞘が弱って傷みやすくなったり、血行不良になったりして、バネ指のリスクを高めてしまうからです。
4.栄養不足
鉄やビタミン、タンパク質などの栄養不足も、バネ指になる原因の1つとされています。屈筋腱や腱鞘は、コラーゲン繊維でできています。
コラーゲンは加齢に伴い、生成が遅くなる傾向にありますが、さらに栄養不足によって回復や合成が遅れると、バネ指を引き起こしやすくなります。
5.動かし方のクセ
日常生活のなかで、指に力が入りやすかったり、手首や指を変に曲げたりするような動かし方のクセがあると、バネ指を引き起こすことがあります。
特に、手首を小指側に傾けたり、指の第1、第2関節ばかりを曲げたりする機会が多いと、バネ指になりやすい傾向があります。
バネ指の治療方法

バネ指の治療としては、主に保存療法と手術療法のいずれかが選択されます。どのような治療方法になるのか、確認しておきましょう。
保存療法
「保存療法」とは、手術などを行わずに治療する方法です。主に症状が出ている患部を固定するなど、安静な状態を保ちながら、痛み軽減のためにステロイド注射や、温熱療法などが行われます。特に痛みが強い場合には、ステロイド注射を取り入れることが多いでしょう。
ただし、ステロイド注射を頻繁に行うと、感染症や腱や腱鞘損傷のリスクがあるため注意が必要です。
手術療法
保存療法で改善しない場合や長期的に症状が続いている場合には、手術による治療が選択されます。多くの場合、患部の腱鞘を切開して、引っかかっている一部を引き離す手術が行われます。一般的に、傷は小さく、手術時間も1時間以内で済む場合がほとんどで、日帰り手術になるでしょう。
バネ指になったらやってはいけないこと
バネ指になったら、悪化させないように注意が必要です。では、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。バネ指でやってはいけないことについてまとめました。
無理に使いすぎる
バネ指になった指は、負担をかけないように、なるべく使わないようにしましょう。バネ指は使いすぎの影響が大きいため、特に普段から指を酷使し続けていると、治らないどころか、悪化してしまう可能性が高いでしょう。
なるべく安静にして、患部を動かさないようにすることが重要です。
患部を強くマッサージする
痛みのある部分を強く押したり、マッサージしたりしないようにしましょう。
バネ指は患部が腫れていたり、熱を持っていたりして炎症を起こしている状態です。炎症箇所にマッサージなどの強い刺激を与えると悪化する可能性があります。なるべく患部に触れないように心がけましょう。
無理に伸ばす
バネ指で指が引っかかったら、無理に伸ばさないよう注意してください。前述したように、バネ指は屈筋腱が腱鞘に物理的に引っかかった状態です。
無理な力を加えると屈筋腱や腱鞘が傷ついてしまう可能性があります。できるだけやさしく、ゆっくり伸ばすか、お湯などで温めてから伸ばすようにしましょう。
バネ指が疑われたら早めの受診を
バネ指は、単に引っかかって動かしにくくなるだけでなく、放置すると日常生活に支障をきたし、手術が必要になることもあります。
指の動きに不安があったり、バネ指ではないかと疑われたりする場合には、早めに整形外科を受診して治療を行いましょう。
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rana(理学療法士)
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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