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認定理学療法士は「意味ない」って本当? その理由や資格を取得するメリットについて解説

公開日:2024.12.02

認定理学療法士は「意味ない」って本当? その理由や資格を取得するメリットについて解説

文:rana(理学療法士)

理学療法の専門性を有している証明として認定される「認定理学療法士」。

なかには、「取得しても意味ない」という声もあるようです。正式な資格として認定されるにもかかわらず、なぜそのような意見が出るのでしょうか。

今回は認定理学療法士について、メリットや取得しても意味がないといわれる理由について現役理学療法士が解説します。

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認定理学療法士とは

認定理学療法士とは、理学療法士の質の向上や、より専門性に特化した人材確保のために制定された理学療法士の上位資格です。

より専門的な学びを深められるよう、7つの専門分野、23の領域から構成されており、それぞれの領域ごとに認定資格を取得します。

認定理学療法士の分野と領域は以下の通りです。

・脳卒中
・神経筋障害
・脊髄障害
・発達障害
・運動器
・切断
・スポーツ理学療法
・徒手理学療法
・循環
・呼吸
・代謝
・地域理学療法
・健康増進・参加
・介護予防
・補装具
・物理療法
・褥瘡・創傷ケア
・疼痛管理
・臨床教育
・管理・運営
・学校教育

なぜ認定理学療法士は意味がないといわれるのか

認定理学療法士は「意味ない」って本当? その理由や資格を取得するメリットについて解説

理学療法士の上位資格である認定理学療法士ですが、取得しても意味がないと言われているのも事実です。

一番の理由として、現状では認定理学療法士を取得しても給料に反映されにくいことが挙げられるかもしれません。認定理学療法士が、新人の理学療法士と同じ時間リハビリを提供しても、診療報酬上の請求に差はないため、利益に変化はありません。

そのため、認定理学療法士の資格を取得しても、利益につながらず、ほとんどの職場で優遇されていないのが現状なのです。

認定理学療法士の取得には多大な時間と労力が必要ですが、モチベーションの大部分を占める収入に直結しないのが、「意味がない」と認識されている理由に挙げられるでしょう。

認定理学療法士を取得するメリット

「意味がない」と言われることがある認定理学療法士ですが、デメリットばかりではありません。続いて、認定理学療法士取得のメリットについてまとめました。

専門知識やスキルが身につく

認定理学療法士の資格を取得・維持する過程で、理学療法における専門知識やスキルが向上します。取得に必要なカリキュラムの履修や臨床実習、学術会への参加などをクリアし、認定試験に合格するには、継続的な自己研鑽が欠かせません。

また取得後の更新にも研鑽が必要なので、自ずと学びを得られる環境に身を置き、知識やスキルの専門性が高まっていくことでしょう。

他者との差別化が図れる

認定理学療法士は理学療法士の上位資格として位置付けられており、取得すれば他者との差別化が図れます。

同僚や患者さんからも一目置かれる存在となり、信頼されるきっかけとなるでしょう。特に専門性が活かせる分野であれば、身につけた知識やスキルを活かして、より活躍できるはずです。

転職に有利になる

認定理学療法士を取得すれば転職時にも有利に働くことがあります。特に取得した専門スキルが活かせる職場への転職を希望する場合、その領域のスペシャリストとして重宝されるでしょう。

履歴書にも所有資格として記載できるので、採用側へのアピールにつながります。

今後需要が高まる可能性がある

現在はまだ確立されていませんが、今後、認定理学療法士の需要が高まってくることが考えられます。というのも、理学療法士協会は生涯学習制度を改正し、認定理学療法士の存在価値を高める取り組みを行っているからです。

将来的に認定理学療法士にはなんらかの優遇措置が設けられる可能性もあります。そうなれば、認定理学療法士の需要はさらに高まっていくでしょう。

認定理学療法士の取得方法

認定理学療法士は「意味ない」って本当? その理由や資格を取得するメリットについて解説

認定理学療法士を取得するには、必要なカリキュラムを受講し、日本理学療法学術研修大会に参加した上で認定試験に合格しなければなりません。

カリキュラムは、指定研修カリキュラム(全分野・認定専門共通)、臨床認定カリキュラム(分野別)の2種類です。

指定研修カリキュラムはeラーニングで実施され、臨床認定カリキュラムは主催する教育機関によってオンラインか対面での受講となります。認定試験は年に一度、全国47都市における会場での筆記試験が実施されます。

認定理学療法士取得後は、5年ごとの更新が必要です。更新のためには以下の3つの要件をすべて満たさなければなりません。

要件1

以下のいずれかの活動を1つ行うこと

・都道府県理学療法士会が発刊する学術雑誌への投稿(筆頭著者に限る)
・ブロック主催学会での一般発表の筆頭演者
・都道府県理学療法士学会での一般発表の筆頭演者
※要件②の100点には使用できない

要件2

維持・研鑽のための活動における100点の取得

要件3

更新時研修(eラーニング:共通研修4コマ、分野別研修1コマの計5コマ)の受講

認定理学療法士を取得後も、更新のための研鑽に励む必要があります。

認定理学療法士を目指すかどうかは、キャリアプランを考えることから

認定理学療法士は一目置かれる資格ではありますが、労力の割には待遇面でのメリットが少ないのが現状です。

しかし、自分が将来的にスポーツ理学療法を極めたい、脳卒中リハビリのスペシャリストになりたいと考えるのなら、取得しておいて損はありません。

自分の将来と照らし合わせて、取得するかどうか検討すると良いでしょう。

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参考

認定・専門理学療法士制度について|公益社団法人日本理学療法士協会

rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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