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認定作業療法士は意味がない?なるための要件や取得するメリットを解説

公開日:2024.12.04

認定作業療法士は意味がない?なるための要件や取得するメリットを解説

文:かな(作業療法士)

認定作業療法士とは、作業療法士の中でも一定水準以上の能力を有しているスペシャリストを示す資格です。しかし、「取得しても意味がない」という声もあるようです。

上位資格であるにもかかわらず、なぜそのような意見が出るのでしょうか。今回は、認定作業療法士を取得しても意味がないといわれる理由や、資格を取得する方法やメリットについて解説します。

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認定作業療法士を取得しても「意味がない」といわれる理由

認定作業療法士を取得することに、どんな意味や目的を持つかは人によって異なります。自己研鑽のため、評価を高めたいなど、さまざまな動機があるでしょう。

しかし、以下のような理由により「取得しても意味がない」と感じる人もいらっしゃるようです。

給料や待遇の変化が少ないから

認定作業療法士になっても、収入に直結しづらいことが多いため、意味がないと感じる人がいます。

認定作業療法士の資格を取得しても、リハビリの保険点数が増えることはなく、新たに疾患別リハビリテーションを算定できるわけでもありません。例えば、呼吸療法認定士であれば、取得してその他の条件を満たせば呼吸器リハビリテーションを算定できるようになります。

一方で、認定作業療法士を取得しても、在籍する病院や施設にとって収入増となるようなメリットがありません。そのため、給料に反映されにくいことから、意味がないと感じるようです。

臨床での直接的なメリットを感じにくいから

認定作業療法士の資格を取得するには、多くの専門的知識が必要になるものの、臨床現場で即効性がある内容を学べるかどうか、疑問に感じるケースもあるようです。

どちらかというと民間のセラピスト向けの研修の方が、臨床ですぐに役立つスキルや知識を提供しているような印象があります。

上位資格ではあるものの、日々の臨床に対してメリットが感じられず、意味がないと思う人もいます。

資格のための勉強や研修に時間やお金をかかるから

上述したように、収入面や実践的なメリットを感じにくい一方で、認定作業療法士を取得するには、勉強時間が必要で、費用もかかります。

取得のために受けなければならない研修一つひとつに参加費が必要なため、それなりに負担が生じてしまうのです。従業員が認定作業療法士の資格を取得していても施設基準に影響せず、職場側にメリットがないため、職場からの費用のサポートがない場合も多いでしょう。

また、認定作業療法士は5年ごとの更新制です。取得後も継続的に研修を受講しなければならず、資格の維持にも時間とお金がかかります。

 

ワークライフバランスを重視する昨今において、「そこまでの時間とお金をかけてまで取得する意味があるのか?」と思う人も少なくないようです。

そもそも認定作業療法士とは?なるには何が必要?

認定作業療法士は意味がない?なるための要件や取得するメリットを解説

認定作業療法士について、協会誌などで目にする機会はあっても、要件などの詳細を知らない人も多いかもしれません。続いて、認定作業療法士の資格概要と、資格取得に必要なものを紹介します。

認定作業療法士は作業療法士のいわゆる上位資格

認定作業療法士とは、日本作業療法士協会(以下、協会)により「国民により質の高い作業療法サービスを提供すること」を目的に創設された資格で、臨床実践・教育・研究・管理運営に関して一定水準以上の能力を有する優れた作業療法士が認定を受けることができます。

2024年10月現在で1,649名が認定されています。ただし、作業療法士の有資格者数が104,465人(2021年12月末時点)であることを踏まえると、認定作業療法士の人数はかなり少ないことがわかります。

なお、さらに上位資格となる「専門作業療法士」もあり、こちらは福祉用具、認知症、手外科など11の専門分野に分かれています。

認定作業療法士になるための要件

認定作業療法士になるには、以下の条件をクリアする必要があります。ただし、ここで紹介しているのは2023年度の情報です。最新情報については、適宜公式サイトにて詳細を確認してください。

資格取得のための申請要件

① 理学療法士及び作業療法士法(昭和 40 年法律第 137 号)第 3 条による作業療法士の免許を有すること
② 協会の正会員5年以上かつ都道府県作業療法士会正会員であること
③ 臨床経験5年以上
④ 協会の生涯教育制度基礎研修を修了している
⑤ 協会主催の認定作業療法士共通研修2講座(研究法・管理運営)を受講して試験に合格すること
⑥ 協会主催の認定作業療法士選択研修2講座を受講し、試験に合格すること
⑦ 厚労省指定の理学療法士作業療法士臨床実習指導者講習会を受講している
⑧ 協会に規定の事例報告登録を行い、条件に従って3例以上の事例を公開している
参照:2023年度版の協会の申請に関する解説書

上記の要件を満たして申請し、審査を通れば、晴れて認定作業療法士となれます。

しかし、研修はすべて修了するまでに時間を要し、中でも④は1テーマ90分の研修を10テーマ受講する必要があります。ある程度の時間と費用がかかることを理解しておきましょう。

認定作業療法士を取得するメリット3選

認定作業療法士は意味がない?なるための要件や取得するメリットを解説

ここまで認定作業療法士を取得しても意味がない、取得までが大変である旨を紹介しました。しかし、デメリットばかりではありません。資格取得によるメリットを見てみましょう。

資格が手当に反映される可能性がある

職場によっては認定作業療法士の取得により手当がもらえる場合があります。手当の額は2,500円程度から、25,000円程度と、大きな差が見られ、施設によって異なります。月額で支給する手当は、金額にもよりますが、収入アップが期待できるでしょう。

自己研鑽により信頼性の向上につながる

認定作業療法士の取得にあたり、研修の受講や症例報告を行う必要があります。さらに更新のために、継続的に研修を受けることになるため、長期的な自己研鑽ができます。

作業療法士として、患者さんや利用者さんの回復をサポートするには、国家資格取得後も知識のアップデートを図り、継続的に学ぶことが大切です。学び続ける姿勢が目に見えてわかる認定作業療法士は、周囲からの信頼性アップにつながるでしょう。

実習指導の際に役立つ

認定作業療法士の資格取得時には、厚労省指定の実習指導者講習会の受講も必須となっています。つまり、指導者としての知識を身につける機会があるということです。

資格取得により、養成校の実習を受け入れた際の指導はもちろん、新人教育にも役立つ知識が得られます。

認定作業療法士の取得を通して自己研鑽しよう

認定作業療法士の取得には、多くの研修受講や症例報告が求められます。時間や費用がかかる一方で、職場での待遇向上にはつながりにくく、取得しても「意味がないのでは?」と疑問視する人もいるでしょう。

しかし、認定作業療法士を取得すれば、自己研鑽の継続により専門性が向上し、施設によっては収入アップにつながる可能性もあります。作業療法士として専門性を高めたいと思うのであれば、認定作業療法士を目指すことを検討してみてはいかがでしょうか。

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参考

協会認定資格リスト|日本作業療法士協会
認定作業療法士|日本作業療法士協会
認定作業療法士制度|日本作業療法士協会
基礎研修制度|日本作業療法士協会

rana

かな(作業療法士)

作業療法士/呼吸療法認定士・福祉住環境コーディネーター2級・がんのリハビリテーション研修修了
身体障害領域で15年以上勤務。特に維持期の患者さんの作業療法、退院支援に携わってきました。家では3人の子ども達に振り回されながら慌ただしい日々を送っています。趣味は読書とお菓子作り。

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