働きながら作業療法士の資格取得は可能?養成校の選び方や学費の負担を軽くする方法を解説
公開日:2024.12.05

文:かな(作業療法士)
作業療法士の資格取得に興味があるけれど、働きながら学校に通えるのか、気になる人もいるでしょう。作業療法士になるには、養成校に通学する必要があるため、仕事との両立は難しいのではないか、と思うことがあるかもしれません。
そこで今回は働きながら作業療法士の資格を取得する方法や学費の負担を軽くする方法について解説します。
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目次
働きながら作業療法士の資格取得はできる?
結論からいうと、働きながらでも作業療法士の資格取得は可能です。
働きながら、といっても職業や勤務形態はさまざまなため、養成校に通う時間を確保できれば、資格取得を目指せます。
また、養成校の選択肢も多様なため、働き方にあわせて両立する必要があります。
そもそも作業療法士になるにはどうしたら良い?

作業療法士になるには、国が指定した養成校を卒業し、国家試験に合格する必要があります。
養成校は「4年制大学」「3年制の短大」、「専門学校(3年もしくは4年)」の3種類があります。
養成校のカリキュラムにおいて実習等が必須なため、原則通学で、基本的に通信講座はありません。一部オンライン授業を行っている養成校もありますが、実技の講義は養成校での実施となるため、通学なしでの単位取得は不可能です。
なお、作業療法士の国家試験の合格率は84%(2024年2月実施の結果)で、十分試験対策しておけば合格は難しくないでしょう。
むしろ、国家試験よりも、国家試験の受験資格に必要な3年次の評価実習や4年次の総合実習の方が大変だったと感じる人が多いようです。
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働きながら作業療法士の資格取得をするなら養成校は夜間部しかない?

一般的に働きながら勉強するというと、昼に仕事をして夜に学ぶといったイメージをもたれるでしょう。夜間部がある養成校もあるため、イメージ通りの学び方が可能です。
しかし、働き方によっては昼間の通学も検討したいところです。続いて、働き方の違いによる資格取得のルート2パターンを紹介します。
日中の仕事を続けたいなら夜間部がベスト
夜間部の養成校は、18時頃から講義が始まるケースが多く見られます。それまでに退勤できれば、無理なく講義を受けられます。
夜間部は比較的学生の年齢層の幅が広く、同じように働きながら資格取得を目指している人が多いため、悩みを共有しやすいのがメリットといえるでしょう。
ただし、夜間部の養成校の数は限られており、2024年現在で全国に8校しかありません。そのため、地域によっては夜間部という選択肢は現実的でない可能性もあります。
また、評価実習や長期実習が始まると、1〜2ヶ月の間、日中に病院や施設に行く必要があります。その間は、昼間の仕事ができなくなるため、注意が必要です。
仕事によっては昼間部の養成校も選択可能
昼間部の養成校に通学する場合、日中にフルタイムで働くのは難しいかもしれません。しかし、フレックス制の働き方や、勤務時間を自由に決められる在宅ワーク、夜間のアルバイト・パートをしながら、昼間部に通い、資格取得を目指す方法もあります。
評価実習や長期実習が始まっても、夜間の仕事であれば自分の体が許す限り、仕事と両立できるでしょう。収入を損なうことなく資格取得を目指せるのは、経済的なメリットがあると考えられます。
社会人から作業療法士を目指す際に活用したい経済支援制度
社会人から作業療法士の資格取得を目指す際、多くの人が気になるのは費用面ではないでしょうか。
国家試験を受けるためには、受験資格となる養成校でのカリキュラム受講が必須であり、必ず養成校に通わなければいけません。
学費は養成校により大きく異なりますが、国立大学の場合、入学金込みで4年間の授業料総額は約242万円です(2024年時点)。
とはいえ、社会人から国立大学を目指して受験勉強するのは、大変なことです。実際に筆者の周りで、社会人から養成校に入学した人は、そのほとんどが私立大学か専門学校の出身でした。
私立大学や専門学校の学費は学校により差があり、卒業までに必要な学費として私立大学は550〜700万円程度、専門学校や400〜630万円程度が目安となります。
働きながら養成校に通うとはいえ、学費に加え、生活費も自分で用意する必要があり、経済面での不安を感じるかもしれません。
さらに実習が始まると、以前同様に仕事を続けるのは困難です。自身の状況を踏まえて、利用できる経済支援制度があれば、活用するのも一案です。
学費を抑えるために活用できる各種奨学金
学費を確保するために、よく利用されるのが奨学金です。ただし、奨学金を利用すると、就職後の返済があります。
既に社会人となっている人は、借金だと感じて敬遠してしまうかもしれません。しかし、近年では、企業と連携した奨学金制度があり、卒業後に一定の年数指定の病院や施設で勤務すれば、返済が免除されるものもあります。
卒後の選択肢が限られるというデメリットがありますが、学費の用意に不安を感じている場合には、上手に活用してみてはいかがでしょうか。
専門実践教育訓練給付金
社会人ならではの制度として、「専門実践教育訓練給付金」を利用することが可能です。
「専門実践教育訓練給付金」とは、受講開始までに通算2年以上の雇用保険の被保険者期間があり、在職中又は離職後1年以内の人が対象となる制度です。学費の50%に相当する額が支給されるため、かなりの恩恵があるといえます。
ただし、受給資格には条件があります。自身が該当するか、地域のハローワークに問い合わせてみましょう。
また、年度によって対象となる養成校が異なる場合があります。希望する養成校がある場合には、その年に利用できるかどうかを、適時確認することが大切です。
専門実践教育給付金は、社会人だからこその利点といえますが、対象となる養成校が少ないというデメリットもあります。通える範囲の養成校が給付制度に指定されていれば、検討する価値があるでしょう。
養成校や働き方によっては働きながら作業療法士の資格取得は可能
作業療法士の資格を取るためには、養成校に通学・卒業して、国家試験に合格する必要があります。働きながらでも資格取得は可能ですが、原則、養成校への通学が必要なため、働き方を考える必要があります。
日中仕事をしているなら夜間部の養成校に通う、昼間部の養成校に行きたいなら在宅ワークや夜間仕事をするといった方法があります。いずれの場合も、働きながらの勉強は大変であるため、強い意志が必要です。
社会人から作業療法士を目指す場合、私立大学や専門学校に入学する人が多いと推測されますが、費用が高額になりがちです。活用できる経済支援制度があるなら積極的に利用して作業療法士を目指しましょう。
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参考
第59回理学療法士国家試験及び詐欺国家試験の合格発表について|厚生労働省
国立大学と私立大学の授業料等の推移|文部科学省
ハローワーク|教育訓練給付制度
専門実践教育訓練指定講座一覧|厚生労働省
専門実践教育訓練 新規指定講座一覧|厚生労働省

かな(作業療法士)
作業療法士/呼吸療法認定士・福祉住環境コーディネーター2級・がんのリハビリテーション研修修了
身体障害領域で15年以上勤務。特に維持期の患者さんの作業療法、退院支援に携わってきました。家では3人の子ども達に振り回されながら慌ただしい日々を送っています。趣味は読書とお菓子作り。
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