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リハビリテーション総合実施計画書とは?多職種連携を支える書類の書き方と役割

公開日:2024.12.08

リハビリテーション総合実施計画書とは 多職種連携を支える書類の書き方と役割

文:加藤真太郎(理学療法士)

リハビリに関わる方なら、リハビリテーション総合実施計画書を必ず目にしたり作成に携わったりした経験があるはずです。しかし、その内容や重要性を、じっくり考えたことはあるでしょうか?

この書類は、患者さんのリハビリ進行を管理し、多職種が連携して目標や治療方針を共有するための、非常に重要なツールです。

この記事では、リハビリテーション総合実施計画書の概要、具体的な記載方法、作成時のポイントを詳しく解説します。最後までご一読いただければ、リハビリテーション総合実施計画書の重要性とその効果的な活用方法の理解がきっと深まるはずです。

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リハビリテーション総合実施計画書とは

リハビリテーション総合実施計画書とは 多職種連携を支える書類の書き方と役割

リハビリテーション総合実施計画書は、患者さんのリハビリを総合的に計画し、進捗や目標を共有するための重要な書類で、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師など、多くの医療職種が連携して作成します。

入院や外来でリハビリが必要な患者さんに対して作成され、患者さんの状態や目標に合わせたリハビリ計画が立案されます。リハビリの進行状況に応じて定期的に見直しが行われ、常に最適な治療が提供されることを目指した書類になります。

さらに、リハビリテーション総合実施計画書は診療報酬の算定にも不可欠であり、リハビリ医療の質を確保するために作成が義務付けられています。適切な書類の作成と管理によって、医療機関は診療報酬を請求ですることができます。

リハビリテーション総合実施計画書の役割

リハビリテーション総合実施計画書は、患者さんやそのご家族に対して、リハビリの目標や進捗をわかりやすく共有するための重要な役割を担っています。

この書類には、患者さんがどのような目標に向かってリハビリを受けているのか、そして現在の進行状況が詳細に記載されます。

これにより、患者さん自身がリハビリの全体像を把握しやすくなるとともに、ご家族にも治療の過程が伝わり、安心感を与えたり、リハビリの理解を深めてもらえたりするでしょう。

リハビリは長期間にわたる場合が多く、患者さんにとって進捗状況や目標の達成具合を定期的に確認することは非常に重要です。さらに、目標設定を通じて達成感を得ることで、回復に向けたモチベーションの維持に大きく寄与します。

患者さんが自分自身の進捗を前向きに捉えることで、治療の質も向上します。

このように、リハビリテーション総合実施計画書は、単なる診療報酬の算定書類ではなく、患者さんのリハビリの進行や将来の治療方針を考えるための大切なツールなのです。

リハビリテーション総合実施計画書を活用することで、医療スタッフ、患者さん、そしてご家族が一体となってリハビリを進められ、リハビリ効果の最大化につながります。

リハビリテーション総合実施計画書の書き方と活用

リハビリテーション総合実施計画書とは 多職種連携を支える書類の書き方と役割

リハビリテーション総合実施計画書は、患者さんやご家族が直接目にする書類です。そのため、記載内容は具体的で、誰にでもわかりやすい言葉で書くことが大切です。

また、作成にあたっては、事前にしっかりと患者さんの身体機能や活動状態を評価し、情報の抜け漏れや空欄がないように注意しましょう。

そこでここでは、項目ごとに、どのような点に気をつけて記載すべきか、また、患者さんのリハビリにどのように活用するのかを詳しく解説していきます。

心身機能・構造

リハビリテーション総合実施計画書の「心身機能・構造」では、患者さんの身体的・精神的な状態を詳細に評価し、リハビリの基礎となる情報を記載します。

ここには、運動機能、神経機能、痛みの有無、筋力の状態、認知機能など、リハビリの効果に直接影響を与える身体機能がチェック項目として記載されています。該当する項目にチェックを入れ、詳細な情報を記載しましょう。

また、専門用語だけに頼らず、患者さんやご家族が理解しやすい表現も併せて書くことが重要です。

活動

リハビリテーション総合実施計画書の「活動」では、患者さんの日常生活動作の自立度を「している活動」「できる活動」のどちらかで評価し、その結果を記載します。

食事、移動、入浴、着替えなどの基本的な生活動作を、どの程度自力で行えるかを記載します。これらの情報は、リハビリの目標設定や進行管理で非常に重要な指標です。

また、普段の入院生活を直接確認できないご家族にとっても、患者さんの改善状況を把握する大切な情報源となるため、事前にしっかりと評価しておくことが重要です。

日常生活動作に加えて、コミュニケーションに関する項目もあります。患者さんのコミュニケーション能力について、ご家族に伝えるべき情報がある場合は、詳しく、かつわかりやすい言葉で記載するといいでしょう。

参加

リハビリテーション総合実施計画書の「参加」項目では、患者さんが社会や家庭、仕事にどの程度参加できているか、または以前どの程度参加していたかを記載します。

この参加状況は、患者さんの生活の質に直結するため、リハビリの最終的な目標として非常に重要です。また、参加の目標を達成するために、どのようなリハビリを展開すべきかを検討する際にも役立ちます。

そのため、患者さんのリハビリに関わる全スタッフが、この内容を把握していることが大切です。

目標

リハビリテーション総合実施計画書の「目標」では、患者さんのリハビリテーションにおける短期と長期の目標を設定します。

短期目標は、具体的な課題や機能改善に焦点を当てて、達成可能な目標を設定しましょう。一方、長期目標は、患者さんが最終的にどのような状態に到達したいのか、自立した生活や社会復帰を目指す目標を記載するといいでしょう。

目標は患者さん自身の意向を反映しつつ、医療スタッフと共に現実的かつ効果的なものに設定され、進捗に応じて柔軟に見直しを行います。

リハビリテーションの治療方針

リハビリテーション総合実施計画書の「リハビリテーションの治療方針」では、患者さんの心身の状態や設定された目標に基づき、具体的なリハビリの手段やプログラムを記載します。

医師、看護師、リハビリ専門職など、多職種が協力して話し合い、どのように治療を進めていくかを決定し、それを患者さんやご家族と共有することが重要です。また、治療の進行状況に応じて、必要があれば方針を適宜見直すことも大切です。

リハビリテーション終了の目安・時期

リハビリテーション終了の目安や時期を記載する際には、患者さんのリハビリの進捗状況や目標達成度をもとに、現実的かつ具体的な内容を示すことが重要です。

終了目安は、医師や看護師、リハビリ専門職との話し合いを経て決定し、その後、患者さんやご家族に十分な説明を行って合意を得ることが大切です。終了後の生活や社会復帰に向けたフォローアップの内容を計画書に記載しておくといいでしょう。

わかりやすい記載を心がけよう

リハビリテーション総合実施計画書は、患者さんのリハビリテーションを計画・管理するために多職種が連携して作成する重要な書類です。

心身機能や日常生活動作、社会参加の状況を評価し、それに基づいた具体的なリハビリ目標と治療方針を設定します。記載内容はわかりやすくし、患者さんやご家族と共有しましょう。また、リハビリの進行状況に応じて目標や治療方針を柔軟に見直すことが大切です。

リハビリテーション総合実施計画書は診療報酬の算定に必要な書類でもあり、治療の質を向上させたり、患者さんやご家族にリハビリの理解を深めてもらったりするものでもあります。患者さんやご家族が見てわかりやすい記載を心がけましょう。

加藤真太郎

加藤真太郎

理学療法士/ダイエットインストラクター/姿勢改善アドバイザー
回復期の病院で8年間勤務し、その後は養成校の教員として働いている。副業として介護・医療分野を中心にライター業、筋トレ関連のブログ運営を行っている。プライベートでは3児の父親であり、日々子育てと仕事に奮闘している。

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