太らない夜食はある? 食べ方のポイントとおすすめの食べ物8選
公開日:2024.12.09
文:中邑悠花(管理栄養士)
「寝る前に小腹が空いて、つい夜食に手が伸びてしまう」という方は少なくないでしょう。しかし夜に食べると太るというイメージから、なんとなく罪悪感があると思います。
なるべく食べないようにしたいものの、空腹で寝付けなかったり、夜食を我慢することでストレスが溜まったりするのは考えものです。
そこで今回は罪悪感の少ない「太らない夜食」について解説します。食べ方のポイントや夜食におすすめの食べ物も紹介しますので、参考にしてみてください。
太らない夜食の5つの特徴とは?
食べても太らない夜食は、次のような特徴があります。
1.カロリーが低い
夜はカロリー消費量が少なく、食べた分のカロリーが脂肪として蓄積されやすい時間です。夜食にカップ麺や甘いお菓子など、カロリーの高いものをとると太りやすいので控えましょう。野菜や果物などを中心に、カロリーの低い食べ物を選ぶのがおすすめです。
2.タンパク質が豊富
肉や魚、卵などに多く含まれるタンパク質は、筋肉を構成する主要な成分です。筋肉量が増えると代謝が上がって痩せやすい体をつくれるため、ダイエット中には欠かせない栄養素といえます。不足しやすい栄養素の1つでもあるため、せっかくなら夜食でタンパク質の補給ができるといいでしょう。
3.食物繊維を含む
食物繊維には食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。インスリンの分泌を抑えられるため、体脂肪合成を抑えるのに効果的です。また食物繊維の多い食品は自然とよく噛んで食べるようになるため、少量でも満腹感を感じやすく、食べ過ぎを抑える効果も期待できます。
4.脂質が少なく消化にいい
ジャンクフードやスナック菓子などの脂質の多い食べ物は、消化に時間がかかり胃腸に負担をかけてしまいます。夜は体を休める時間なため、胃腸を疲れさせる食べ物は控えましょう。できるだけ脂質が少なく消化しやすい食べ物を選ぶようにしましょう。
5.GI値が低い
GI値(グリセミック・インデックス)は食後の血糖値の上がりやすさを数値化したものです。GI値が高いものほど血糖値を上げやすく、反対にGI値の低いものは血糖値を上げにくくなります。夜食にはGI値の低いものを選ぶと、太りにくくなるでしょう。
ブドウ糖のGI値100を基準とし、GI値が55以下の食べ物を「低GI食品」といいます。例えば大豆、そば、うどん、さつまいも、りんごやいちごなどの果物、ヨーグルトなどがこれに該当します。
太らない夜食の食べ方
太らないようにするためには、食べるものだけではなく食べ方にも気を付けましょう。
就寝の1時間前までに済ませる
寝る直前に食事を摂ってしまうと、睡眠中に食べ物を消化することになります。すると睡眠の質が低下し、寝ていても体が休まらない状態になります。翌日に疲れが残っている状態だと、日中の活動量が落ちて消費カロリーが減るため、結果的に太りやすくなってしまいます。
また睡眠不足の状態だと、食欲を増進するホルモンである「グレリン」の分泌が増えることがわかっています。空腹感を強く感じるようになり、ついつい食べる量が増えています。睡眠の質を落とさないために、遅くても就寝の1時間前までには食事を済ませましょう。
よく噛んでゆっくり食べる
私たちの体が満腹感を感じるのは、食事を摂り始めてから約20分後だといわれています。つまり早食いすると、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまうことがあるのです。特に夜食は摂取カロリーが脂肪に変わりやすいため、少ない量をゆっくり食べるようにしましょう。
つい早食いになってしまう方は、よく噛むことを意識してみてください。よく噛んで食べることで満腹感を感じやすくなるため、食べ過ぎを防げます。硬い食べ物や噛み応えのある食べ物を選ぶのもおすすめです。
200kcal程度を目安に
いくらカロリーの低い食べ物を選んでも、食べ過ぎてしまえばカロリーオーバーになります。満腹になるまで食べるのではなく、小腹を満たす程度に抑えましょう。カロリーとしては200kcal程度が目安です。
市販のお菓子を食べるときはカロリー表示を確認する癖をつけましょう。200kcalを大きく超える場合は一度に食べる量を調整するなど、食べ過ぎないように工夫してみてください。
夜食におすすめの太らない食べ物8選
続いて、夜でも罪悪感なく食べられるおすすめの食べ物を紹介します。
サラダチキン
サラダチキンは鶏肉に味をつけ蒸して加工した商品で、コンビニなどで手軽に手に入ります。主原料の鶏肉は糖質・脂質ともに低くタンパク質が豊富なため、ダイエット中にはうってつけの食べ物です。1つでもかなり満足感があり、お腹が空いたときの夜食に適しています。最近ではさまざまなフレーバーがありアレンジもできるため、飽きずに楽しめるでしょう。
ゆで卵
卵をゆでるだけで手軽につくれるゆで卵は、小腹が空いたときにぴったりでコスパのいい食べ物です。卵は「完全栄養食」ともいわれており、ビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養素を含んでいます。夜食として取り入れることで不足しがちなビタミンやタンパク質を補えます。
豆腐
豆腐は低カロリーでありながらタンパク質が豊富な食べ物で、ダイエットに向いています。さらに消化にもいいため、夜食として食べても胃腸への負担が少なくて済むでしょう。手軽に冷奴として食べてもいいですが、湯豆腐にすれば胃腸を冷やさないのでおすすめです。
ヨーグルト
朝食に食べるイメージのヨーグルトですが、消化によくタンパク質を補えるため、夜食にも向いている食べ物です。ただし、ものによっては砂糖や乳脂肪が多く入っているものもあります。できれば無糖タイプを選び、甘さが足りない場合は、はちみつや果物などを入れて食べるのがおすすめです。
プロテインバー
プロテインバーは大豆などを原料につくられている、タンパク質を補給するための栄養補助食品です。お菓子のような感覚で食べられるため、夜食についお菓子を食べたくなってしまうという方でも取り入れやすいでしょう。チョコやストロベリーなどフレーバーも充実しており、飽きずに楽しめます。
おでん
低カロリーで体を温めてくれるおでんは夜食向きのメニューです。ただし具の選び方によってはカロリーが高くなってしまう場合があるため、食べ過ぎに注意しましょう。大根、こんにゃく、しらたき、昆布などのメニューは、カロリーが低めで食物繊維も含まれるためおすすめです。
果物
ビタミンやミネラルが豊富な果物を夜食として取り入れるのもおすすめです。甘みがあるため、夜食に甘いものを食べたくなる方は果物を取り入れてみましょう。
味噌汁・野菜スープ
味噌汁や野菜スープといった汁物は、体を温めつつ、野菜やきのこなど食物繊維が豊富な食べ物を摂れるメニューです。汁ごと飲むため満腹感を感じやすく、低カロリーに抑えやすいでしょう。さまざまな食材を使って手作りしてもいいですし、コンビニなどでカップスープを購入して取り入れてもいいでしょう。
夜食を摂るなら胃腸にやさしく太らないメニューを選ぼう
仕事上の都合やストレス解消に、やむを得ず夜食を摂ることもあるでしょう。
夜は日中に比べて消費カロリーが低いため、高カロリーなものを夜食として食べ続けると太りやすくなってしまいます。また胃腸に負担をかけるものを食べると睡眠の質が悪くなるため、基本的には低カロリーで消化にいい食べ物がおすすめです。
食べ物や食べ方に気をつけながら、上手に夜食を取り入れるようにしましょう。

中邑悠花(管理栄養士)
前職ではリハビリ系デイサービスで高齢者向けに介護予防のための運動指導に従事。その後同施設で低栄養状態改善に向けた栄養相談を担当する。出産を機に退職し、現在は在宅でフリーランスのライターとして活動中。子育てをしながら食や健康に関する記事を中心に、幅広いジャンルの執筆を行う。
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