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リハビリテーション実施計画書とは?必要な内容や注意点、総合実施計画書との違いを解説

公開日:2025.01.09

リハビリテーション実施計画書とは?必要な内容や注意点、総合実施計画書との違いを解説

文:かな(作業療法士)

セラピストとして臨床に入ると、必ず作成することになるのが「リハビリテーション実施計画書」です。

リハビリテーションごとに必要な書類は複数あるため、新人セラピストの場合、リハビリテーション総合実施計画書との違いがよく分からない人もいるかもしれません。

そこで、計画書の概要と記入すべき内容や注意点、総合計画書との違いについて解説します。

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リハビリテーション実施計画書とは

リハビリテーション実施計画書とは?必要な内容や注意点、総合実施計画書との違いを解説

リハビリテーション実施計画書(以下、計画書)とは、疾患別リハビリテーションを行うにあたって作成しなければならない書類です。

原則としてリハビリテーション開始後7日以内、遅くとも14日以内に医師が作成する必要があります。いわば、リハビリテーション開始時の同意書のようなものといえるでしょう。

3ヶ月に1回以上の頻度で作成しなければならず、患者さんもしくはその家族に説明し、同意を得たうえで渡す必要があります。

計画書はどんな形式でも良いわけではなく、厚生労働省が提示する「様式21」、「様式21の5」、もしくはそれに準じたものを使用する決まりとなっています。

計画書は、リハビリテーションを行ううえで診療報酬のルール上欠かせないものです。書類が揃っていないと診療報酬の返還の恐れもあるため、作成していない、作成後に紛失したなどのミスがないように気を付けましょう。

リハビリテーション総合実施計画書との違い

計画書と混同しがちなものに「リハビリテーション総合実施計画書(以下、総合実施計画書)」があります。

総合実施計画書は、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの多職種が連携して、リハビリテーションの計画を考え、疾患別リハビリテーションやがんのリハビリテーションなどを行う際に作成する書類です。

総合実施計画書は1回につき300点(条件により240点)、1ヶ月に1回算定できるうえ、総合実施計画書があれば、計画書の作成は不要となります。形式は厚生労働省の「様式23」、もしくは準じたものを使用します。

総合実施計画書は計画書よりも記入欄が多く、多職種による作成が必要であるため手間がかかるのは否めません。しかし、算定できることから、総合実施計画書を毎月作成する病院も少なくないでしょう。

リハビリテーション実施計画書に記載する主な内容

リハビリテーション実施計画書とは?必要な内容や注意点、総合実施計画書との違いを解説

計画書には最低限記載しなければならない項目に決まりがあります。患者の疾患名、心身の機能、日常生活活動をはじめ、リハビリテーションの目標や方針などについて、記載しなければなりません。必要事項をしっかり確認したうえでまとめましょう。

特に令和2年の改訂で、以下の項目について記入が必要であると言及されています。

これまでのリハビリテーションの実施状況(期間や内容)

いつから開始して、どのような内容を実施していたのかを記載。内容については具体的に書く必要があり、ざっくりした内容にならないよう注意が必要。

3ヶ月前の状態と比較した当月の患者の状態

3ヶ月前(多くの場合、前回の計画書作成時点)と比べて、どのような点が改善しているか、もしくは状態が悪くなっているかを記載する。

将来的な状態の達成目標と計画、見込み期間

〇週間、〇ヶ月で「見守りのもとトイレ動作を行える」「歩行器歩行が自立の状態となる」などのように、いつまでに何ができるようになるか目標を記載。また、目標に向けて行うリハビリテーションの内容についても記載する必要がある。

FIMまたはBIによる具体的な改善の状態を示した記載

算定期限を越えて月13単位以内でリハビリテーションを実施する際は、毎月FIMを測定する必要がある。

リハビリテーション実施計画書に関する注意点

計画書の作成にあたって、記載する項目以外にも注意すべきポイントがいくつかあります。見落としやすいポイントを解説します。

計画書の作成頻度は原則として3ヶ月に1回以上

疾患別リハビリテーションの場合、計画書は「3ヶ月に1回以上の頻度」で作成する必要があります。忙しい職場では計画書の作成時期を忘れがちとなるため、見落とさないようリマインドしておくとよいでしょう。

計画書には説明した人の署名が必要

計画書には説明した人の署名、つまり、医師の署名が必要です。疑義照会によると、「医師が計画書の内容の説明を行う」必要があるため、説明者としての署名は医師の署名が必要なのです。署名忘れがないように確認しましょう。

患者もしくは家族に説明のうえ交付する必要がある

計画書を作成したら、患者もしくは家族等に内容を説明しましょう。内容に同意を得たら、署名をもらい計画書を交付します。この時、計画書の写しは診療録に添付するのを忘れないでください。

なお、患者本人が署名困難で、かつ家族が来院困難で署名をもらえない場合もあるでしょう。

そんなときは、計画書の作成が初回以降であれば、電話などで説明して同意を得たら、本人の署名がなくても許容されます。

ただし、説明と同意を得た旨を診療録に記載する必要があり、交付も必要です。そのため、忘れずに記録して送付しましょう。

リハビリテーション実施計画書は忘れず作成・交付しよう

リハビリテーション実施計画書は、疾患別リハビリテーションを行ううえで必ず作成しなければならない書類です。

医師が作成し、患者さん、もしくは、その家族に説明し同意を得なければなりません。また、計画書自体は診療報酬を得られませんが、必要に応じてリハビリテーション総合実施計画書を作成すれば算定も可能です。

総合実施計画書の場合は、多職種が共同して作成する必要があります。

また、必要書類にルール上必須の記載が漏れていると、診療報酬の返還となるおそれもあるため、不備がないように気を付けて業務にあたりましょう。

参考

厚生労働省|疑義解釈資料 平成20年
厚生労働省|疑義解釈 令和4年
厚生労働|様式23
厚生労働省|様式21

rana

かな(作業療法士)

作業療法士/呼吸療法認定士・福祉住環境コーディネーター2級・がんのリハビリテーション研修修了
身体障害領域で15年以上勤務。特に維持期の患者さんの作業療法、退院支援に携わってきました。家では3人の子ども達に振り回されながら慌ただしい日々を送っています。趣味は読書とお菓子作り。

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