医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報

セラピストプラス

マイナビコメディカル
マイナビコメディカル

医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報

セラピストプラス

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介

公開日:2025.01.30 更新日:2025.08.27

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

老健ではどのようなリハビリが行われているのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

老健とは、おもに在宅復帰を目指す利用者を支援するための介護施設です。リハビリ職は、その目標に向けたリハビリを提供します。

この記事では、老健で行われる具体的なリハビリ内容や、利用者の特徴をご紹介します。実際の業務内容を知ることで、老健での仕事を検討するきっかけになるでしょう。

おすすめ特集

老健(介護老人保健施設)とは?

ここでは、老健とはどのような施設なのか、どのような特徴があるのかを解説します。

老健は介護保険施設の1つ

老健とは、介護保険が適用される「介護保険施設」の1つです。

具体的には、医療機関から在宅復帰を目指す高齢者に対して、リハビリと介護を提供するための入居型の施設です。ただし、長期入居を前提とした施設ではなく、期間の目安は3〜6か月程度です。

老健ではリハビリ職だけでなく、医師や看護師などの医療職が在籍しており、チームで利用者を支援します。

このように、老健は利用者の安全な在宅生活を支援する施設といえます。

老健を利用する方の特徴

老健は誰でも利用できるわけではなく、以下の基準のいずれかを満たす必要があります。

・65歳以上で要介護1以上
・特定疾患によって要介護認定されている40〜64歳の方

そして老健を利用する方の多くは、病院での治療を終え、病状が安定している傾向にあります。そのため、利用者の多くは介護や医療処置が常に必要というわけではありません。

しかし、日常生活に支障がある場合も多く、自宅での生活に不安を持っている方が多いので、老健でのリハビリによって必要な機能や動作を図ります。

老健で働くリハビリ職以外の職種

老健ではリハビリ職だけでなく、さまざまな専門職が連携して利用者の在宅復帰をサポートしています。老健で働く職種とその役割について、以下の表にまとめました。

職種 おもな役割
医師 ・利用者の健康状態の診断
・治療
・リハビリ方針の決定
・ほかの医療機関への紹介
看護師 ・医療処置
・健康状態の観察・記録
・投薬管理
・緊急時の対応
介護士 ・食事や入浴、排泄の介助
・移動や更衣などの身体介護
・リハビリ補助
介護支援専門員(ケアマネジャー) ・利用者の希望や状態に応じた介護サービスの調整
・サービス計画書の作成
・利用者・家族との面談
支援相談員 ・入所・退所の調整
・利用者・家族の心理的・社会的サポート
・地域の医療・介護機関との連携
栄養士 ・栄養状態の評価
・食事内容の計画
・嚥下機能に応じた食事形態の設定
・誤嚥予防の取り組み

このような多職種がチームとなって連携し、利用者の生活機能を総合的にサポートして在宅復帰を支援します。これらの職種は、老健の入居者数に応じた配置が義務付けられています。

チーム医療の重要性や理学療法士の役割について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:チーム医療における理学療法士の役割とは?多職種連携のポイントも解説

老健のリハビリ内容

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介
実際に、老健ではどのようなリハビリが行われるのでしょうか。ここでは、具体的なリハビリ内容について解説します。

利用者の評価・リハビリプログラムの作成

老健でのリハビリは、まず利用者の評価からはじまります。具体的に、以下のような身体機能や日常生活における動作を評価します。

・筋力
・関節可動域
・バランス能力
・歩行能力
・食事動作
・排泄動作
・入浴動作

これらの評価結果をもとに、利用者の在宅復帰に向けたリハビリプログラムを作成するのです。リハビリプログラムは一人ひとりの状態にあわせて行われ、定期的に見直しが行われます。

在宅復帰を目的としたリハビリ

老健は在宅復帰を目的とした施設のため、身体機能の改善だけでなく自宅生活に必要な動作の獲得に向けたリハビリが行われます。たとえば、歩行練習や生活環境に応じた動作の練習などがあげられます。

また、集団でのリハビリや福祉用具の手配を行うこともあります。こうしたリハビリや生活支援を通じて、利用者が自宅で安全に生活できるよう支援します。

利用者や家族へのアドバイス

リハビリのほかにも、利用者やその家族へ実用的なアドバイスを提供することもあります。

たとえば、転倒予防のための住環境の調整や、日常生活での動作の工夫について具体的な提案を行います。家族に対しては、適切な介助方法の指導をすることが多いです。

退所後の身体機能の低下を予防するために、自主トレーニングを指導することもあるでしょう。このように、老健では利用者と家族が安心して在宅生活に移行できるように、きめ細かなアドバイスを提供しています。

そのほかの業務内容

老健ではリハビリ以外にも、以下のようなさまざまな業務を行います。

・リハビリ記録の作成
・リハビリ計画をはじめとした書類業務
・多職種との情報共有
・カンファレンスの参加

このような業務は老健に限らず、医療機関やそのほかの介護施設でも行うため、決して珍しいものではありません。

リハビリ職が老健で働く際の1日のスケジュール例

老健で行われるリハビリ内容は?利用者の特徴や1日のスケジュールをご紹介
ここでは、リハビリ職が老健で仕事をするときのスケジュール例をみていきましょう。

【老健での1日のスケジュール例】

8:30 出勤
9:00 朝礼・午前のリハビリ業務
12:00 午前のリハビリ業務終了
昼休憩・リハビリ記録等の入力
13:00 午後のリハビリ業務
17:00 午後のリハビリ業務終了
片付け・リハビリ記録等の入力
退勤・帰宅

リハビリ業務が中心であることは、医療機関と同様です。リハビリの合間に、記録や書類業務を行います。

リハビリ職が老健で働くメリット

リハビリ職が老健で働くのは、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットについて解説します。

集団でのリハビリが行える

老健では、医療機関と比べて1日で対応する方が多い傾向にあるため、集団リハビリを実施する機会が多いといえます。集団リハビリは、個別のリハビリとは異なる楽しさがあります。

レクリエーション的な要素を取り入れたリハビリを実施することで、楽しみながら身体機能の改善を図れるでしょう。集団リハビリによって利用者同士の交流が活発化されれば、モチベーションの向上につながります。

このように、集団でのリハビリは個別リハビリでは得られない相乗効果も期待できます。リハビリ職にとっても、創意工夫を凝らしたリハビリを提供できる機会といえるでしょう。

在宅を意識したリハビリを提供できる

老健は在宅復帰を目的とした施設であるため、自宅での生活を意識したリハビリを提供する必要があります。在宅を意識した支援によって、生活状況を把握するスキルや、ADL(日常生活動作)に対応したリハビリスキルを養えるでしょう。これらのスキルを身につけられれば、生活期に該当するほかの職場でも活躍が可能です。

医療機関とは異なる視点で利用者をサポートする経験は、リハビリ職としての成長につながります。

リハビリ職が老健で働く際の注意点

老健では生活期に関するさまざまなスキルを身につけられる一方で、注意すべきポイントもあります。ここでは、老健で働く際の注意点を詳しく解説します。

リハビリ対象が限られている

老健の利用には一定の条件があるため、リハビリは対象が限られている点に注意しましょう。

多くの利用者は、ある程度身体機能が回復した状態で入所されるので、生活期(維持期)に該当します。そのため、急性期や回復期に対するリハビリを提供する機会は少ないといえます。

幅広い症例を経験したい方や、より専門的な技術を磨きたい方にとっては、物足りなさを感じる可能性があるでしょう。

ただし、生活期のリハビリに特化したスキルを身につけられるという利点もあるため、自身のキャリアプランにあっているか考えることが大切です。

医療機関で得られるスキルが身につきにくい

老健で働くリハビリ職は、病院をはじめとした医療機関と比較すると、特定のスキルが身につきにくい傾向があります。

まず、老健の利用者は比較的状態が安定していることが多いため、急変時の対応や医療機器の管理などの知識・スキルを磨く機会が限られます。

医療機関と比較すると、老健は多様な疾患を持つ患者さんと接する機会が少ないといえるでしょう。

そのため、幅広い疾患への理解や最新の治療法に関する知識を深めることが難しい場合があります。

老健の仕事に向いている方の特徴

老健の仕事に向いているのは、どのような方なのでしょうか。ここでは、老健に向いている方の特徴をご紹介します。

生活期のリハビリに興味がある方

生活期のリハビリに興味がある方は、老健の仕事に向いているといえます。生活期のリハビリは、病院での急性期・回復期とは異なり、在宅復帰や日常生活の自立がおもな目標です。

そのため、先述したように、実生活に即したリハビリが中心となります。

訪問リハビリや通所リハビリとは異なり、老健では利用者が施設内に入居しているため、リハビリの経過を追えるのもメリットの一つです。

生活期に特化した知識や技術を習得できることに魅力を感じる方にとって、働きがいのある職場といえるでしょう。

多職種と連携しながら在宅支援をしたい方

多職種と連携しつつ、在宅支援に取り組みたい方にとってもおすすめの職場です。老健では医師や看護師など、さまざまな専門職が協力して利用者の在宅復帰を支援しています。

これらの専門職と情報共有しながら、利用者にあわせたリハビリプログラムを提供しているのです。

訪問リハビリや通所リハビリなどのサービスと比較しても、老健のほうが他職種と関わる機会が多い傾向にあります。

老健で働くことでリハビリ職の専門性を活かしながら、他職種の視点や知識も学びやすくなります。多職種と協力しながら在宅生活を支援したい方にとって、老健での仕事は大きなやりがいとなるでしょう。

老健のリハビリ内容について知っておこう

老健は、おもに生活期に該当する方が対象であり、在宅復帰に向けたリハビリを中心に提供します。生活期での知識を身につけられるだけでなく、集団リハビリのスキルも養えるメリットがあります。

一方で、医療機関と比較するとリハビリの対象範囲が限られている点もおさえておきましょう。ぜひ今回の記事を参考にして、老健での仕事も検討してみてください。

関連記事:老健での理学療法士の仕事内容は?働くメリット・デメリットを解説
老健での作業療法士の役割とは?仕事内容からやりがい、特養との違いを解説

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

今よりさらに良い環境で働けるよう
キャリアドバイザーが全力でサポートします
\今すぐ1分で完了/

    <PR>マイナビコメディカル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  LINEで送る

他の記事も読む

おすすめ

TOPへ