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リハビリの種類とは?それぞれの特徴や受傷時期による違いをご紹介

公開日:2025.02.03

リハビリの種類とは?それぞれの特徴や受傷時期による違いをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

リハビリにはどのような種類があるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。リハビリは理学療法や作業療法などの種類があり、さらに受傷の時期によってもその内容が変化します。

この記事では、リハビリの種類について詳しくご紹介します。どのような内容があるのかを知ることで、リハビリの利用を検討するきっかけになるでしょう。

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リハビリをする目的とは?

リハビリは、病気やケガによって低下した心身の機能を回復させて、以前の生活に戻ることを目的とした訓練の総称です。リハビリはラテン語で「re(再び)」「habiris(適した)」という言葉が由来とされています。

リハビリは単なる機能回復だけでなく、社会復帰までを視野に入れた包括的な支援を行います。たとえば、足の骨折をした場合、手術しただけで以前のような生活を送れるわけではありません。骨折や手術によって痛みや筋力の低下などの影響は残っているので、そのような問題を改善するためにリハビリが行われるのです。

リハビリでは、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職だけでなく、医師や看護師なども関わっています。それぞれの医療職によって包括的にサポートすることで、効率的なリハビリを実現できます。

リハビリの種類は?

リハビリの種類とは?それぞれの特徴や受傷時期による違いをご紹介

リハビリには、おもに以下の3つの種類があります。

● 理学療法
● 作業療法
● 言語聴覚療法

ここでは、それぞれのリハビリの特徴について解説します。

理学療法

理学療法とは、基本的な動作能力の回復や身体機能の改善を目的とした治療法です。おもな内容として、運動療法と物理療法があげられます。運動療法とは、以下のような運動を中心とした治療のことです。

● 筋力トレーニング
● 関節を広げる訓練
● 歩行訓練
● 動作訓練

物理療法とは、マシンによる温熱や電気などの物理的な刺激を活用した治療のことです。これらの物理刺激には、痛みの緩和や筋肉の動きのサポートなど、さまざまな作用が期待できます。この治療法は理学療法士によって行われ、専門的な知識と技術を活かして患者さんをサポートします。

作業療法

作業療法とは、日常生活における応用的な動作の獲得を目指す治療法です。作業療法士が中心となり、食事や着替えなどの生活動作から料理や掃除といった家事動作まで、幅広い機能回復をサポートします。

作業療法では、普段の生活で行っているような「作業」に着目しながらリハビリを進めるのが特徴です。たとえば、キッチンでの調理動作や洗濯物を干す動作などが必要な患者さんがいるとしましょう。その場合、立った状態での作業や手を上げる運動など、それぞれの動作に必要なリハビリを行います。

言語聴覚療法

言語聴覚療法とは、コミュニケーションや食事などの機能の改善を目的とした治療法です。言語聴覚士によって「話す・聞く・読む・書く」などの言語機能や、食事に関する機能の改善をサポートします。おもな対象は、脳卒中によって以下のような症状が現れた患者さんです。

● 言語障害
● 嚥下障害(飲み込みの障害)
● 記憶力の低下
● 注意力が低下

患者さんが生活を送りやすくなるように、それぞれの症状に応じたリハビリを実施します。

リハビリの時期に応じた内容

リハビリの種類とは?それぞれの特徴や受傷時期による違いをご紹介

病気やケガの発症タイミングによって、3つの時期に分けられます。

● 急性期
● 回復期
● 維持期(生活期)

ここでは、それぞれの時期に応じたリハビリ内容について解説します。

急性期

病気やケガの発症直後、または手術直後の時期を急性期といいます。この時期では、身体の状態の安定化や回復に向けたリハビリが行われます。急性期に安静期間が長くなると身体機能が大幅に低下する恐れがあるため、早期からのリハビリが重要です。

無理のない範囲で身体を動かし、離床(ベッドから離れること)を促すことで、筋力や関節の硬さなどの低下を防ぎます。急性期からリハビリを開始することで、今後の身体機能の改善度合いの向上が期待できます。

回復期

急性期を過ぎて病状が安定してきた時期が、回復期です。この時期になると積極的なリハビリを行えるので、本格的に身体機能の回復や生活に必要な動作の獲得を目指します。回復期に対応した病院へ転院する患者さんも多く、自宅への退院や社会復帰が目標となります。

また自宅での生活を見据えて、手すりの設置をはじめとした住宅改修や福祉用具の使用の提案をすることもあるでしょう。必要に応じて、家族への介護指導も行います。

維持期(生活期)

維持期は、医療機関から自宅や施設に戻った、またはその目処が立った時期を指します。維持期のリハビリは、訪問リハビリやデイケアなどの介護サービスを中心に実施されます。

退院後は医療機関で過ごしていたときよりも活動量が大きく低下する方も多いため、リハビリを継続して回復期で獲得した機能を維持することが重要です。リハビリによる運動はもちろん、生活環境で必要な動作の練習や福祉機器の選定などを行います。このように、維持期ではその人らしい生活を実現することがリハビリの目標です。

リハビリの対象となる方

リハビリの対象は、おもに病気やケガで身体機能が低下した方が中心です。リハビリによって低下した機能を取り戻し、以前の生活に近づけることを目指します。また、リハビリは病気やケガを負った方だけでなく、以下のような方も対象です。

● 健康維持をしたい方
● 介護予防をしたい方
● スポーツ選手

予防的な目的でリハビリを受ける方もいれば、スポーツのパフォーマンスを高めるために行う方もいます。このように、リハビリの対象は非常に幅広く、さまざまな方に対して行われています。

医療保険と介護保険によるリハビリの種類の違い

リハビリは「医療保険」と「介護保険」によっても内容が異なります。ここでは、それぞれの保険によるリハビリの違いについて解説します。

医療保険のリハビリの特徴

医療保険でのリハビリは、おもに医療機関で実施され、機能回復と生活の質向上を目的としています。基本的に、医療機関で入院している方は医療保険によるリハビリが行われます。

そのため、おもに病気やケガを発症した方が対象で、診断内容によって一定の期間が定められているのが特徴です。発症時期でいうと、急性期から回復期にかけて集中的なリハビリを行います。

介護保険のリハビリの特徴

介護保険でのリハビリは、おもに日常生活の自立支援を目的としています。医療機関でのリハビリが医療保険であるのに対して、退院後は介護保険が中心です。

たとえば、デイケアや介護老人保健施設でのリハビリは、基本的に介護保険によって行われます。医療保険とは異なり、期間の制限がないため、長期的な視点で機能維持や向上を目指せます。

このように、医療保険と介護保険のリハビリには目的や特徴が異なるのです。

リハビリの種類についておさえておこう

リハビリは病気やケガによって低下した身体機能を取り戻し、以前の生活に戻ることがおもな目的です。リハビリには理学療法や作業療法、言語聴覚療法などに分かれており、それぞれの特徴を活かした支援が行われます。

また、発症時期によってもリハビリの内容が異なります。ぜひ今回の記事を参考にして、リハビリの種類についておさえておきましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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