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自宅でできる脳梗塞のリハビリ内容は?おすすめのリハビリサービスもご紹介

公開日:2025.02.24

自宅でできる脳梗塞のリハビリ内容は?おすすめのリハビリサービスもご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

脳梗塞を発症し、無事退院したものの、自宅ではどのようなリハビリを行うべきか気になる方もいるのではないでしょうか。自宅ではこれまでのリハビリが無駄にならないように、身体機能を維持するための取り組みを続けることが大切です。

この記事では、自宅で行えるリハビリ内容やおすすめのサービスをご紹介します。退院後もリハビリを行う環境を整えることで、安全に自宅で過ごせるようになるでしょう。

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退院後も自宅で脳梗塞のリハビリを行う重要性

退院後も自宅で継続的にリハビリを行うことは、身体機能の維持・改善につながります。たとえ入院中のリハビリで機能が回復したとしても、退院後になにもしないでいると再び衰えてしまう可能性があるからです。

入院中と比較すると、退院後の活動量は低くなる傾向にあるので、それが原因で身体機能が低下する方も少なくありません。そのため、自宅でもリハビリを継続して活動量を確保することが大切です。

脳梗塞とは?

自宅でできる脳梗塞のリハビリ内容は?おすすめのリハビリサービスもご紹介

リハビリをするうえで、脳梗塞とはどのような病気なのかを把握しておくことが大切です。ここでは、脳梗塞の特徴や症状についてあらためてみていきましょう。

脳の血管が詰まる病気のこと

脳梗塞は、脳の血管が詰まることによって起こる病気です。血管が詰まると、その先の脳組織に十分な血液が届かなくなり、細胞の壊死が進みます。脳梗塞にはおもに以下の3つの種類があります。

● アテローム血栓性脳梗塞:動脈硬化によるもの
● ラクナ梗塞:細い血管が詰まるもの
● 心原性脳塞栓症:心臓の病気によるもの

脳梗塞は、基本的に血栓(血の塊)が原因で詰まることが多い病気です。たとえば、アテローム血栓性脳梗塞の場合は動脈硬化によって血栓が作られ、それが脳血管に詰まると発症します。また心原性脳塞栓症は、不整脈をはじめとした病気で心臓内に血栓が作られ、それが脳に達して血管に詰まることが原因です。

脳梗塞の症状

脳梗塞の症状の種類は非常に多く、血管が詰まった場所や範囲によって変化します。代表的な症状としては、以下のとおりです。

● 片麻痺(半身の動きにくさ)
● 感覚障害
● 言葉がうまく話せない
● 食べ物をうまく飲み込めない
● 記憶力の低下
● 注意力の散漫

このように、身体に関する症状だけでなく、コミュニケーションや頭を使う機能などが障害されることも珍しくありません。これらの症状が重度であるほど、日常生活や普段の動作に大きな支障をきたす恐れがあります。

脳梗塞の発症時期による変化

脳梗塞の症状やリハビリ内容は、発症時期によって大きく変わります。発症からの経過時期はおもに以下の3つに分けられ、それぞれの時期に応じたリハビリが行われます。

● 急性期
● 回復期
● 維持期(生活期)

脳梗塞を発症して間もない時期が、急性期です。この時期は状態が不安定であり、命を守るための処置が最優先です。しかし、寝たきり状態のままだと身体機能が低下するため、早期から無理のない範囲でリハビリが開始されます。

状態が安定しはじめた時期が、回復期です。この時期では脳梗塞による症状の改善が見込めるため、積極的なリハビリが行われます。脳梗塞の症状の改善具合がゆるやかになった時期が、維持期です。この時期は退院している方も多く、残った身体機能で安全に生活するためのリハビリが行われます。

自宅で行える脳梗塞のリハビリ

自宅でできる脳梗塞のリハビリ内容は?おすすめのリハビリサービスもご紹介
自宅では、どのようなリハビリを行うべきなのでしょうか。ここでは、自宅で行えるリハビリについて解説します。

ストレッチ

脳梗塞で手足に麻痺が残ると、動きが悪くなって筋肉の柔軟性が低下する恐れがあります。筋肉の柔軟性を高めて生活に支障をきたさないようにするためには、ストレッチが重要です。自宅でできるストレッチのやり方は、以下のとおりです。

【上半身のストレッチ】
● 非麻痺側で麻痺側の指を伸ばす
● 非麻痺側で麻痺側の手首を動かす
● 両手を組んで痛みの出ない範囲で上げ下げをする
● 両手を組んで身体を左右に捻る
【下半身のストレッチ】
● 立った状態で壁に手をつけて、麻痺側の足を引いてアキレス腱を伸ばす
● 座った状態で麻痺側の足を伸ばし、上体をその足に近づける

ストレッチすると痛みが強くなる方や、麻痺の程度が強い方は1人で行わず、家族に協力してもらいましょう。

筋トレ

筋トレによって、麻痺側の筋力をつけることも大切です。筋トレの継続によって、転倒リスクの軽減や歩行能力の向上などの効果が期待できます。自宅でできる筋トレのやり方は、以下のとおりです。

【自宅でできる筋トレ】
● スクワット
● イスからの立ち座り
● かかと上げ
● 座った状態でのもも上げ
● 座った状態での膝伸ばし

スクワットや立ち座りなどの立った状態になる筋トレを行う際は、手すりや壁などの支えのある場所で行うと安定性が高まります。

自宅でリハビリを行う際の注意点

自宅でリハビリを行う際は、体調の変化に十分に気をつける必要があります。以下のような点がみられている場合は、リハビリを中止して様子をみることが大切です。

● 安静時の脈拍が40回/分以下、または120回/分以上
● 安静時の収縮期血圧が70mmHg以下、または200mmHg以上
● 安静時の拡張期血圧が120mmHg以上
● 労作性狭心症の方
● 心房細動のある方で、著しい徐脈または頻脈がある
● 心筋梗塞の発症直後で循環機能が不良な場合
● 著しい不整脈がある場合
● 安静時に胸痛がある場合
● リハ実施前に動悸・息切れ・胸痛がある場合
● 座った状態でめまい、冷や汗、嘔気などがある場合
● 体温が38度以上
● 安静時の酸素飽和度(SpO2)が90%以下

これらの状態の場合はリハビリを避けて、続くようでしたらかかりつけ医に相談しましょう。

出典:日本リハビリテーション医学会|リハビリテーション医療における安全管理•推進のためのガイドライン(案)

退院後に脳梗塞のリハビリを効率的に行う方法

退院後も、質の高いリハビリを継続的に行いたい方もいるでしょう。ここでは、退院後に質の高いリハビリを行う方法について解説します。

通所リハビリを利用する

退院後の脳梗塞のリハビリでおすすめなのが、通所リハビリ(デイケア)の利用です。通所リハビリとは、医療機関や介護老人保健施設などに通って受けるリハビリのことで、介護保険サービスの1つです。

通所リハビリの最大の特徴は、理学療法士や作業療法士による本格的なリハビリを受けられる点があげられます。施設では専門的なリハビリ機器を使用できるので、自宅ではできないような運動も実施可能です。

また、通所リハビリは食事や入浴のサービスも提供されているため、家族の負担軽減にもつながります。リハビリしつつ、他人との交流もしたい方は、ぜひ通所リハビリの利用を検討してみましょう。

訪問リハビリサービスを利用する

訪問リハビリサービスは、リハビリスタッフが自宅に訪問してリハビリを提供するサービスです。訪問リハビリの大きな特徴は、住み慣れた自宅環境でリラックスしながらリハビリを受けられることです。

自宅での生活に即したリハビリを受けられるため、日常動作の改善につながりやすいメリットがあります。自宅で質の高いリハビリを受けたい方は、訪問リハビリサービスの利用がおすすめです。

自費リハビリを利用する

自費リハビリは、保険適用外で行うリハビリサービスです。通所リハビリや訪問リハビリなどの保険が適用されたサービスと比較すると、1回あたり費用は高めな傾向にあります。

しかし、利用回数や時間に制限がなく、自分の希望にあわせて柔軟にリハビリを受けられるメリットがあります。マンツーマンで指導を受けられるため、より集中的なリハビリが可能です。金銭的に余裕がある方や、満足がいくまでリハビリを受けたい方にとっておすすめといえるでしょう。

脳梗塞の方は自宅でのリハビリも重要

脳梗塞を発症した方は、入院中だけでなく、退院後も自宅で継続してリハビリを行うことが重要です。リハビリを継続することで、身体機能の維持・改善につながります。

また自主トレだけでなく、質の高いリハビリを受けたい場合は、通所リハビリや訪問リハビリなどのサービスの利用もおすすめです。ぜひ今回の記事を参考にして、退院後のリハビリを習慣にしてみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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