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理学療法士の養成校の学費はなぜ高い?理由や学費のおさえ方を解説

公開日:2025.02.21 更新日:2025.09.05

理学療法士の養成校の学費はなぜ高い?理由や学費のおさえ方を解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

理学療法士の養成校を探している際に、学費が高いと感じる方もいるのではないでしょうか。そして、なぜ養成校の学費が高いのか気になる方もいますよね。

この記事では、理学療法士の養成校の学費が高い理由や、少しでも経済的な負担を軽減するための方法をご紹介します。学費をおさえるポイントを把握しておくことで、余裕を持ちながら入学するきっかけとなるでしょう。

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理学療法士になるには養成校への入学が必要

理学療法士になるためには、養成校に入学して3年以上知識や技術を学ぶ必要があります。養成校は大学や専門学校などがあり、おもに3年制と4年制の2種類に分かれています。大学も専門学校もそれぞれ特徴は異なりますが、理学療法士に必要なカリキュラムを受ける点は同じです。

3年制は4年制よりもカリキュラムが詰め込まれており、最短で理学療法士になれる点がメリットです。4年制は資格の取得が1年遅くなるものの、3年制よりも余裕を持って授業を受けられるのが強みといえるでしょう。

理学療法士になるまでの流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:理学療法士になるには最短何年かかる?資格取得までの流れを解説

理学療法士になるにはいくらかかる?

理学療法士の養成校の学費はなぜ高い?理由や学費のおさえ方を解説

理学療法士になるための学費に関しては、養成校によって大きく異なります。養成校の形式による学費の目安は、以下のとおりです。

養成校の形式 学費
国立・公立大学 約250万円
私立大学 約600〜800万円
3年制の専門学校(昼間部) 約400万円
4年制の専門学校(昼間部) 約500万円
3年制の専門学校(夜間部) 約300万円
4年制の専門学校(夜間部) 約400万円

このように、養成校によっては100万円以上の差が出ることもあります。これらを参考にするだけでなく、実際に希望している養成校の学費がどのくらいなのかをよくチェックしておくことが大切です。

理学療法士の養成校の学費はなぜ高い?

理学療法士の養成校の学費はなぜ高い?理由や学費のおさえ方を解説

理学療法士の養成校の学費は高いといわれていますが、それはなぜなのでしょうか。ここでは、その理由について解説します。

人件費が高額

理学療法士の養成校で受ける授業は、解剖学や生理学などの専門的な知識が必要なものがほとんどです。科目によっては外部から講師を依頼している養成校も少なくありません。このような専門性の高い講師の人件費は高い傾向にあります。

また外部講師だけでなく、教員もリハビリ職の資格の保有者なので、ここでも人件費がかかっているといえます。このように、専門的な知識・技術が必要な資格だからこそ、教育体制を整えるための人件費が高くなり、学費が高額となるのです。

養成校の設備費がかかる

理学療法士の養成校には、授業のために医療機器や検査器具などの専門的な設備が設置されています。これらの設備は高額のものも多いため、その分の費用が学費に反映されやすくなります。

さらに、これらの医療機器は定期的なメンテナンスや更新が必要です。このような設備投資やメンテナンス費用も、結果として学費に反映されやすくなります。

実習費がかかる

養成校のカリキュラムでは、実際の医療現場で知識・技術を学ぶ臨床実習が行われます。この実習にかかる費用も、学費が高額になる大きな要因の1つです。

実習が行われる場所によっては、マンスリーマンションを契約し、宿泊しながら通う必要があります。自宅からの通いの場合でも、臨床実習は長期間行われるため、その分交通費がかさむケースも少なくありません。

養成校の立地も関係している

理学療法士の養成校の学費は、立地によっても大きく左右されます。都市部にある養成校と地方にある養成校では、学費に大きな差が生まれることも珍しくありません。その理由として、土地代や建物の維持費があげられます。

都心部では不動産価格が高いため、養成校の建設費や維持管理費も高額になります。一方で、地方では土地代が安く、広い敷地を確保しやすいため、運営コストをおさえられるのです。経済的な負担をおさえたい場合は、地方の養成校も検討してみるとよいでしょう。

学費以外でかかる費用

養成校の学費だけでなく、そのほかの諸費用についても把握しておくことが重要です。ここでは、学費以外でかかる費用について解説します。

教科書代

理学療法士の養成校で使用する教科書は、医療分野の専門書が中心なので高額となる傾向にあります。教科書の種類によって価格は異なりますが、なかには1万円以上する専門書も珍しくありません。養成校によって違いはあるものの、年間5〜7万円かかる場合もあるでしょう。

さらに最終学年では、国家試験対策用の参考書や問題集なども必要となり、追加で数万円の出費がかかるケースもあります。教科書代は学費とは別に必要となる費用なので、入学前にしっかりと把握しておくことが大切です。

器具等の費用

理学療法士の養成校では、実習着や器具を購入する必要があります。実習着は授業や実習で使用するため、複数枚の用意が基本です。理学療法士に必要な器具としては、以下のとおりです。

・ゴニオメーター
・打腱器
・メジャー

これらの器具を複数をそろえると、それなりの価格となります。器具等の費用も学費と同様に、養成校選びの際に考慮すべき重要な要素といえるでしょう。

交通費

養成校への通学にかかる交通費も、決して無視できない出費といえます。たとえ交通費でも、3〜4年間通い続けることを考えると、トータルでは大きな額となるでしょう。

前述したように、臨床実習では実習先の病院や施設が自宅から離れた場所にある場合も少なくありません。そのため、最終学年ではさらに高額の交通費が必要となるケースがあります。

生活費

実家から養成校への通学が困難な場合は、一人暮らしをする必要があり、その際の生活費も大きな支出となります。一人暮らしでは、毎月の家賃だけでなく、以下のような費用もかかります。

● 光熱費
● 食費
● 日用品費 など

4年間の養成校の場合、毎月これらの費用が必要となるため、総額では数百万円規模の支出となることもあるでしょう。

学費をおさえながら入学する方法

理学療法士の養成校の学費は高い傾向にありますが、工夫によって経済的な負担を減らすことが可能です。ここでは、学費をおさえながら養成校に通う方法を解説します。

学費が安い形式で入学する

まずは、学費が安くなるような形式で入学することです。たとえば、専門学校を選択する場合、昼間部より夜間部のほうが、4年制よりも3年制のほうが学費は安くなる傾向にあります。どのような形式だとしても、最終的に理学療法士の国家資格を取得できることには変わりありません。

実際に、筆者も経済的な面で夜間部に入学し、理学療法士の資格を取得しました。学費をおさえたい方は、希望する養成校の形式を確認してみましょう。

夜間部のきつい点やメリットなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:理学療法士の養成校の夜間部はきつい?理由やメリットについて夜間部卒業者が解説

アルバイトをする

学費による負担を軽減する方法として、アルバイトをしながら通学する方も多くいます。昼間部であれば夕方以降に、夜間部であれば日中働くことは十分に可能です。養成校によっては、病院やクリニックでのアルバイト情報を掲示しているところもあるので、ぜひチェックしてみましょう。

ただし、アルバイトに時間をかけすぎて、勉強がおろそかになってしまっては本末転倒です。勉強とアルバイトのバランスを考えながら、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

奨学金や教育ローンを利用する

学費の負担を軽減する方法として、奨学金や教育ローンを利用する選択肢もあります。奨学金や教育ローンには返済不要のものや利子が少ないものなど、さまざまな種類があります。地域によっては独自のサービスを提供しているケースもあるので、ぜひチェックしてみましょう。

また、奨学金や教育ローンの利用を検討する際は、返済計画をしっかり立てて無理のない範囲で活用することが大切です。

養成校特有のサービスを利用する

養成校によっては、独自のサービスを設けていることも少なくありません。たとえば、以下のようなサービスがあげられます。

● 入学金を免除できる特待生制度
● 家賃支援のサポート
● 学生寮の利用

これらのサービスをうまく活用すれば、学費やその他の費用の負担を軽減できます。入学を検討している養成校には、どのようなサポートがあるのかを事前によく確認しておきましょう。

学費以外で養成校を選ぶポイント

学費以外でも、養成校を選ぶうえでチェックしておきたい点は多くあります。ここでは、養成校を選ぶポイントについてみていきましょう。

国家試験の合格率が高いか

学費以外で養成校を選ぶ際は、国家試験の合格率が高いかどうかを必ずチェックしましょう。どれだけ高額な学費を支払っていても、国家試験に合格できなければ理学療法士として働くことはできません。厚生労働省によると、2025年からの直近の国家試験合格率は以下のとおりです。

年度 理学療法士の合格率
2025年度 89.6%
2024年度 89.2%
2023年度 87.4%
2022年度 79.6%
2021年度 79.0%

養成校を選ぶ際は、全体の合格率と同じ、または高いことが望ましいです。各養成校の公式ホームページには過去数年間の合格率が掲載されているため、入学前に必ず確認しておくことが大切です。

養成校の雰囲気がよいか

養成校の雰囲気が自分にあっているかどうかも重要なポイントです。教員が学生一人ひとりと丁寧に向き合い、質問しやすい環境が整っている学校なら、気軽に相談できるでしょう。また、学生同士が協力しあって勉強に取り組める雰囲気があれば、困難な課題や実習も乗り越えやすくなります。

学校の雰囲気を知るための方法は、オープンキャンパスや学校見学に参加することです。実際に授業の様子を見学したり、在校生や教員と話をしたりすることで、その学校の本当の雰囲気を感じ取れます。複数の学校を見学して比較検討し、自分が安心して学べる環境を見つけてみましょう。

通学しやすいか

自宅から学校への通学しやすさも、養成校選びのポイントの一つです。通学のしやすさを判断する際は、まず自宅から学校までの距離と所要時間を確認しましょう。通学にかかる時間が長すぎると、体力的にも時間的にも大きな負担となります。

また、電車やバスなどの公共交通機関のアクセスが良好かどうかも重要です。乗り換えが多い路線や運行本数の少ない路線では、通学時間が読めずにストレスを感じることもあります。通学にかかる負担も含めて総合的に判断し、無理のない範囲で通える学校を選択しましょう。

設備が整っているか

養成校に備わっている医療機器や実習設備が充実しているかどうかも確認しましょう。古い機器しかない養成校だと、就職先で最新の機器を扱う際に操作方法をあらためて習得する必要があります。

一方で、超音波治療器や歩行分析装置など、最新の設備がそろっている学校であれば、実際の医療現場で使われている機器に慣れやすくなります。オープンキャンパスや学校見学の際に、どのような機器が設置されているか、メンテナンスが行き届いているかをチェックしてみてください。

学費をおさえながら養成校の入学を目指そう

理学療法士は医療分野であるため、養成校の学費が高い傾向にあります。しかし、工夫次第で学費やその他の費用を安くおさえることも十分に可能です。

学費をおさえるためには、安く入学できる養成校の形式を選ぶ、奨学金をはじめとしたサービスを利用するなどがあげられます。ぜひ今回の記事を参考にして、学費をおさえる方法を実践してみましょう。

参考

厚生労働省|第56回理学療法士国家試験及び第56回作業療法士国家試験の合格発表について

厚生労働省|第57回理学療法士国家試験及び第57回作業療法士国家試験の合格発表について

厚生労働省|第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について

厚生労働省|第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について

厚生労働省|第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

関 勇宇大(理学療法士)

監修:関 勇宇大(理学療法士)

2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。

【監修者コメント】
理学療法士になるためには、大学や専門学校といった養成校での学びが不可欠です。そのための学費は決して安くはなく、多くの学生やご家族にとって大きな課題となります。学費が高額である背景には、専門性の高い教員や外部講師の配置、実技や臨床実習に必要な設備投資、さらには長期間にわたる実習の運営といった要因があります。これは、安全かつ質の高い教育を提供するために必要な投資ともいえます。経済的負担を軽減するためには、養成校の制度、奨学金や教育ローンの活用、特待生制度や学生寮の利用などを積極的に調べ、計画的に準備することが重要です。理学療法士という専門職は、安定性と社会的な意義の高い仕事であり、学費という投資に見合う価値があります。
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