理学療法士と看護師のダブルライセンスのメリットは?取得の流れについて解説
公開日:2025.03.12 更新日:2025.03.28

文:rana(理学療法士)
理学療法士のなかには他の資格を持ちながら働いている人もいます。このように2つ以上の資格を持っている状態を「ダブルライセンス」といい、より広い視点から患者さんにアプローチできるというメリットがあります。
今回は、看護師と理学療法士のダブルライセンスに興味を持つ理学療法士に向けて、取得の方法やメリット、働き方などを現役理学療法士が解説します。
看護師としての働き方が気になっている人や、ダブルライセンスに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
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目次
理学療法士と看護師のダブルライセンスは可能?

結論から言うと、理学療法士と看護師のダブルライセンスは可能です。
ただし、それぞれ異なる教育課程のため、専門学校や大学で別々に学ぶ必要があります。2つの資格を同時に取得することはできないため、どちらかの資格を取得後にもう一方の資格取得を目指す形になります。
このように、理学療法士と看護師のダブルライセンスを取得するには時間も費用もかかり、チャレンジする人の数が少なく、筆者自身も実際に出会ったことはありません。
看護師資格の取得方法
看護師になるには、看護大学または看護師養成校などで3年以上の教育を受けて看護師国家試験に合格する必要があります。
看護師になるための主なルートは以下の通りです。
【高校卒業後】
・4年制の看護大学に通う
・3年制の看護短期大学に通う
・3年制の看護師養成所(看護専門学校など)に通う
ただし、上記は全日制のカリキュラムであることが多く、理学療法士として働きながら通学するのは難しい可能性が高いでしょう。
働きながら看護師資格の取得を目指す場合は、まずは2〜3年制の准看護師の養成所(半日制や、週3回ほどの全日制などがあります)に通い「准看護師」を取得してから、夜間コースなどを設けている看護師専門学校などに通い、「看護師」取得を目指す方法があります。
理学療法士と看護師の違い
理学療法士と看護師はどちらも医療系の国家資格ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
仕事内容
理学療法士は身体に障がいのある方に対して、機能回復や、基本動作能力の改善などを目的にリハビリを提供するのが主な仕事内容です。
一方、看護師は医師の診療や治療の補助を行い、患者さんのケアをするのが主な仕事内容です。
看護師は業務独占資格(その資格を持っている人のみが業務を行える資格)のため、点滴・採血といった診療補助などを看護師以外が行うことは基本的にできません。
働く場所
理学療法士が働く主な施設としては、以下が挙げられます。
・リハビリテーション科のある病院
・クリニック
・老人保健施設
・介護施設
・スポーツジム・フィットネスクラブ など
一方、看護師が働く主な施設には、以下が挙げられます。
・病院
・クリニック
・介護施設
・訪問看護ステーション
・企業・学校・保育士などの医務室
・保健所 など
理学療法士は、リハビリを提供している医療施設やスポーツ施設などが主な活躍のフィールドになる一方で、看護師はさまざまな医療現場・介護現場で活躍できるのが特徴です。
勤務形態
理学療法士は日勤で働くケースがほとんどで、基本的に夜勤はありません。一方、看護師はシフト制であることが多く、病院や入所施設などによっては夜勤があります。
理学療法士と看護師のダブルライセンスのメリット

理学療法士の専門領域であるリハビリと、看護師の領域である身体ケアの両方の知識を身につけることで、より幅広い視点で1人の患者さんと関われるのが大きなメリットといえます。
また、看護とリハビリテーションを一体的に提供する「訪問看護ステーション」は、理学療法士のみでは開業できないルールになっていますが、看護師と理学療法士のダブルライセンスがあれば、看護師として訪問看護ステーションを開設できるだけでなく、リハビリにも強みを持つ訪問看護ステーションとして地域医療に貢献できるでしょう。
この場合、理学療法士としてではなく、看護師として「看護の一環としてのリハビリ」を行うべき点には注意が必要ですが、培ってきた理学療法士の視点は大きく役立つでしょう。
理学療法士と看護師のダブルライセンスのデメリット
理学療法士と看護師のダブルライセンス取得はメリットだけではありません。考えられるデメリットについてまとめてみました。
資格取得に時間とお金が必要
看護師の資格取得には、養成校に通うための学費と時間が必要です。働きながら通える養成校となると選択肢も限られるため、時間とお金に余裕がないとダブルライセンスの取得は難しいかもしれません。
各領域の専門性を深めづらくなる
理学療法士も看護師も医療の専門家です。資格取得後も経験を積んで学びを深め、スキルや知識を磨いていくことが求められます。
しかし、ダブルライセンスを活かして働く場合でも、実務上は理学療法士もしくは看護師のどちらかとして働くことになるため、両方のスキルを同時に磨くことは難しく、どちらか一方の専門性が疎かになるかもしれません。
給料アップには直結しにくい
理学療法士の給料は診療報酬によって決められているため、看護師とのダブルライセンスを取得しても施設の収益向上には直結しません。
施設によっては、独自の資格手当などがつく可能性もありますが、診療報酬の視点から、大きく給料がアップするケースは少ないでしょう。
自分のキャリアを考えたうえでダブルライセンスを検討しよう
理学療法士と看護師のダブルライセンスを取得する人は少数ですが、「訪問看護ステーションを立ち上げたい」「看護ケアの視点も取り入れたい」といった意思があるのなら、ダブルライセンスを目指すのも一つの選択肢です。
ただし、2つの資格を取得するには時間とお金がかかりますし、メリットばかりではありません。
自分のキャリアを見越したうえでダブルライセンスを検討してみましょう。
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参考

rana(理学療法士)
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。
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