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理学療法士の男女比は?女性理学療法士が活躍している背景や今後の需要

公開日:2025.03.10 更新日:2026.02.03

理学療法士の男女比は?女性理学療法士が活躍している背景や今後の需要

文:伊東浩樹(理学療法士/保育士)

理学療法士を目指すうえで、実際に現場で働く理学療法士の男女比がどのようになっているのかを気にする人も多いでしょう。

かつて理学療法士の制度が始まった当初は男性が大半を占めていましたが、時代の変化とともに女性の進学・就職が進み、現在では女性理学療法士の数が着実に増え、その活躍の場も広がっています。

本記事では、理学療法士の男女比の現状をわかりやすく紹介するとともに、なぜ女性理学療法士が増え続け、幅広い領域で活躍できるようになっているのかについて、現役理学療法士の視点から詳しく解説していきます。

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理学療法士の男女比の現状

理学療法士の男女比の現状

国内の理学療法士の男女比はどのようになっているのでしょうか。日本理学療法士協会のデータによると理学療法士協会会員数は以下のように推移しています。

男性会員数 女性会員数 男女比
1970年 999人 113人 9:1
1980年 2277人 496人 8:2
1990年 5523人 2877人 7:3
2000年 1万2678人 1万625人 5:5
2010年 3万8739人 2万7517人 6:4
2015年 5万6028人 3万5036人 6:4
2025年現在 8万6486人 5万6054人 6:4

参考:公益社団法人日本理学療法士協会|医学療法士協会の現在
参考:公益社団法人日本理学療法士協会|統計情報

1970年では圧倒的に男性が多く、男女比は9:1となっていましたが、年々女性の数が増え、2025年現在では6:4の比率となっています。

年齢ごとの理学療法士協会会員数(2025年3月末 現在)
年齢(歳) 男性会員数 女性会員数
21-25 1万61人 7932人
26-30 1万8358人 1万2668人
31-35 1万6599人 1万982人
36-40 1万5673人 8692人
41-45 9729人 6572人
46-50 7596人 4989人
51-55 4451人 2442人
56-60 2327人 1286人
61-65 1061人 405人
66-70 366人 55人
71以上 265人 31人

年齢階級ごとの理学療法士協会会員数を見ると、理学療法士という職種における男女比は年代によって大きく異なり、その変化から理学療法士養成の歴史と社会背景の両方が読み取れます。

まず、若年層である21〜25歳では男性約1万人に対し女性約8000人と、比較的近いバランスになっています。この割合は現在の養成校における学生の男女比と概ね一致しており、近年女性理学療法士が増加していることがわかります。

医療・福祉系職種全体で女性の進学が進んだことや、理学療法士の活躍の場が病院だけでなく地域・産前産後・小児領域・介護予防などへ広がったことが、若年層の男女差が小さくなっている要因と考えられます。

しかし、年代が上がるにつれて男女比は徐々に拡大し、男性が多い傾向が強まっています。この時期はキャリア形成が活発になる年代であり、管理業務、回復期・急性期での体力を要する業務、長時間労働になりやすい環境などが、結果として男性の継続率を高めている可能性があります。

その時期の女性は、結婚・出産・育児といったライフイベントと重なりやすい時期でもあるため、就業形態の変更や離職が一定数存在することが男女比の差につながっているのかもしれません。

さらに注目すべきは40代以降のデータです。40代以降では、年齢が上がるにつれて男女比が2:1に近くなっています。これは、理学療法士の職種としての歴史的背景が強く影響しており、制度発足当初は男性中心の専門職であったことが数字に明確に表れています。当時は医療リハビリの広がりとともに男性の参入が多く、女性が職業選択として理学療法士を選ぶケースは比較的少なかったため、現在の中高年層においては圧倒的に男性が多い構造が続いていると考えられます。

総じて、データから読み取れる最も重要な点は、若年層ほど男女比が縮まり、女性理学療法士の割合が確実に増えていることです。この傾向は今後さらに加速する可能性があり、10年〜20年後には現在の中堅層でも男女比がより均等に近づくことが予想されます。

女性が働き続けやすい職場環境の整備、ワークライフバランスに配慮した勤務体系、訪問・小児・地域リハなど女性の強みを発揮しやすい分野の拡大が、この変化を後押ししていると考えられます。現在の若手層において男女比の差が小さいことは、理学療法士業界全体の多様性が高まりつつあることを示すものであり、将来的には性別に依存しないキャリア形成がより一般的になるといえるでしょう。

理学療法士は男女によって給料は変わる?

理学療法士は男女によって給料は変わる?

令和6年賃金構造基本統計調査から男女別の給与について考えていきたいと思います。

平均年齢 勤続年数 現金支給額 年間賞与・特別給与額
35.5歳 7.8年 32万4,000円 70万9,100円
35.5歳 7.9年 29万7,000円 69万9,700円

データをみて平均年齢・勤続年数・給与額のデータをもとに考えると、理学療法士における男女の給与水準は大枠では大きな差がないものの、現金支給額(=毎月の給与)には一定の差が見られます。一方で、年間賞与額は男女でほぼ同程度で推移しており、給与体系が構造的に大きく異なるわけではないことが分かります。

まず、平均年齢は男女ともに35.5歳と全く同じであり、勤続年数も男性7.8年、女性7.9年とほぼ同水準であることから、この比較においてはキャリアの長さや年齢構成の違いによる給与差は考えにくいと言えます。つまり、このデータセットに限っていえば、「同じ年齢層・同じ勤続年数」での純粋な男女比較が可能であり、年齢・経験年数といった外的要因によるバイアスは少ないと考えられます。

そのうえで、現金支給額(月給)を見ると、男性32万4,000円に対して女性29万7,000円と、約2万7,000円の差があります。この差は単純に男女の基本給の違いを示しているわけではなく、主に役職手当や時間外勤務の有無、勤務形態の違いが影響している可能性があります。

一般的に理学療法士の世界では、主任や係長といった役職に就く割合は男性のほうがやや高く、管理業務を含むポジションでは役職手当が加算されるため、統計上は月給総額が男性のほうが高く算出される傾向があります。また、育児や家庭事情により女性は時短勤務・パート勤務・残業抑制といった働き方を選択するケースが一定数存在するため、フルタイムで残業を行う男性との差として現金支給額に差がつきやすい構造があります。

一方で、年間賞与額を見ると男女ほぼ同額であり、月給ほどの差は出ていません。賞与は基本給をベースに算出されることが多いため、役職手当や残業代といった月額の変動要素が影響しにくく、男女間での差が小さくなります。このことは、理学療法士の基本給そのものには大きな差がなく、職務内容や労働時間の違いによって月給の差が生じている可能性が高いことを示しています。

これらのデータから読み取れるのは、給与体系自体が男女で差別されているのではなく、役割や勤務状況の違いによって月給に差が出ているという点であり、賞与の水準がほぼ同じであることからも、男女間での基本給設定は同水準であると考えられます。

女性理学療法士が増加した背景

女性理学療法士が増加した背景

女性理学療法士が増加している背景には、医療や福祉を取り巻く社会の変化、教育環境の整備、そして働き方に対する価値観の多様化といった複数の要因が重なっており、この流れは一時的なものではなく長期的な構造変化として定着しつつあります。

女性の社会進出

女性の社会進出が進むなかで、専門職として長く働ける職業への関心が高まったことは、女性理学療法士の増加を後押しした大きな要因のひとつです。

医療やリハビリテーションの分野は看護師のように夜勤等が少なく体力的なことを鑑みた上で「資格を取得すれば安定して働ける」「専門性を持つことでキャリアを継続しやすい」という特徴があり、結婚や出産といったライフイベントがあっても復職しやすい職種として女性からの支持を集めてきました。

また、医療職全体で女性の割合が増加したことにより、理学療法士という職種も進学先として選ばれやすくなり、養成校の環境整備やキャリアサポート体制も充実するなど、女性が学びやすく働きやすい環境が整ってきた点も増加の背景にあります。このように、社会構造の変化と女性のキャリア志向の高まりが相まって、理学療法士を目指す女性が自然と増えていったと考えられます。

養成校の増加

日本理学療法士協会のデータによると、全国の理学療法士養成校の数は、1970年には8校しかありませんでしたが、1990年には48校、2000年には118校、2025年現在は277校にまで増加しています。

女性の社会進出化に伴って養成校の数が増加したことも、女性理学療法士の増加に影響しているでしょう。

参考:公益社団法人日本理学療法士協会|統計情報

女性が理学療法士として活躍しやすい理由

女性が理学療法士として活躍しやすい理由

現在、様々な施設で女性理学療法士が活躍している背景には、どのような理由があるのでしょうか。女性が理学療法士として活躍しやすい理由をまとめました。

働き方の多様化

女性理学療法士の活躍を支えている要因として、時短勤務やフレックス制度、育児支援制度など、働き方の多様化が進んだことは非常に大きなポイントです。

近年では職場全体でワークライフバランスを重視する風潮が広がり、出産や育児を経ても専門職としてキャリアを継続できる環境づくりが進んだことで、理学療法士として働き続ける女性が増えています。

実際に育児休業後も仕事を続ける女性の割合は年々増加しており、復職を前提とした柔軟な勤務体系やサポート体制が整ってきたことは、ライフステージに応じた働き方を可能にしています。

これらの制度が普及したことで、従来のように出産を機に退職するという選択肢だけでなく、無理なく働き続けられる環境が一般化し、結果として女性理学療法士の増加と活躍につながっていると言えるでしょう。

女性に適した仕事の増加

女性理学療法士の増加には、女性に適した業務領域が拡大していることも大きく影響しています。

とくに、女性特有の身体の悩みや妊娠・出産に関連したリハビリテーション、小児領域、産前産後ケアなどでは、女性患者が心理的な安心感を得やすいという点から、女性理学療法士が求められる場面が増えています。

例えば、骨盤底筋のリハビリや母体の身体機能ケアなどは、プライベートな内容に踏み込むケースが多いため、女性セラピストの存在が非常に重要視される領域です。

また、臨床現場では安全性や業務効率を考慮し、体格差の大きい患者や移乗介助の負担が大きい場面では男性理学療法士が中心的に対応するなど、業務分担を工夫する施設も増えており、女性が無理なく専門性を発揮できる職場環境が整備されつつあります。

こうした環境改善は、女性に適した仕事内容の増加と働きやすさの両面を後押しし、結果として女性理学療法士の需要と活躍の場をさらに広げていると言えるでしょう。

経験やスキルを積むことでキャリアアップも可能

女性理学療法士のキャリアアップの機会は年々広がっており、近年では主任や科長といった管理職を務める女性も増加しています。

かつては男性中心だった管理職のポジションでも、経験を積み重ねた女性理学療法士がリーダーとして活躍するケースが多く見られるようになり、性別に関係なく能力や実績が評価される環境が整いつつあります。

また、認定理学療法士や専門理学療法士など、専門性を深める資格の取得に積極的に取り組む女性も多く、継続的な研鑽によって高度な専門分野で活躍する道が開けています。理学療法士という職種は、臨床経験やスキル、患者対応力が評価の中心となるため、男女の違いよりも個々の実力が重視される点が大きな特徴です。

そのため、努力次第で管理職や専門分野へのキャリアアップが十分可能であり、女性にとっても長期的なキャリア形成がしやすい職業であると言えるでしょう。

活躍できる職場が豊富

理学療法士は活躍できるフィールドが非常に広く、男女問わず多様な職場で専門性を発揮できることが大きな魅力です。

病院やクリニックといった医療機関だけでなく、介護老人保健施設やデイサービス、訪問看護ステーション、地域包括支援センター、小児施設など、働く場所の選択肢が豊富にあるため、自身のライフスタイルや興味に合わせて職場を選びやすい環境が整っています。

また、理学療法士の資格は全国共通で通用するため、家族の転勤に伴う引越しがあっても比較的スムーズに再就職先を見つけやすく、出産や育児を機に一度退職した場合でも復職がしやすい点は、女性にとって大きな利点です。

このように、資格を活かしてキャリアを柔軟に組み立てられることが、女性理学療法士が長く活躍し続けられる理由の一つになっています。

今後、女性理学療法士の需要が高まる分野

今後、女性理学療法士の需要が高まる分野

女性理学療法士は今後も活躍の場を広げていくことが予想されます。今後特に女性理学療法士の需要が高まると予想される分野についてまとめました。

ウィメンズヘルス分野

ウィメンズヘルス分野は、女性の身体特性やライフステージの変化に伴って生じる健康課題に焦点を当てた医療領域であり、その専門性の高さから女性理学療法士の活躍が特に期待されている分野です。

妊娠や出産に伴う骨盤の変化、腹筋群や骨盤底筋群への影響、月経周期に伴う不調、更年期以降のホルモン低下による尿失禁や骨粗鬆症など、女性は一生涯を通して特有の身体の悩みを抱えやすい傾向があります。

近年では、産前・産後ケアや骨盤底筋リハビリテーション、排尿トラブルへの介入、乳がん術後の肩関節可動域制限やリンパ浮腫の予防など、女性を対象とした理学療法のニーズが急速に増えており、その多くが高い専門性と繊細な対応を必要とします。

また、女性患者の中にはプライバシーや心理的な安心感の観点から女性セラピストの担当を望むケースも多く、こうした背景が女性理学療法士への需要の高まりを後押ししています。

今後も女性の社会進出やライフスタイルの多様化に伴い、ウィメンズヘルス分野はますます重要性を増していくと考えられ、女性理学療法士が専門性を活かして活躍できる場はさらに広がっていくでしょう。

小児分野

小児分野のリハビリテーションは、発達障害や先天的疾患、運動発達の遅れなどを抱える子どもたちに対して、成長段階に合わせた支援を行う非常に専門性の高い領域であり、女性理学療法士の需要が大きい分野のひとつです。

子どもは身体だけでなく情緒面の発達も複雑で、家族との関わり方や日々の生活環境がリハビリの成果に大きく影響するため、丁寧なコミュニケーションや細やかな観察力が求められます。

なかでも、子育て経験がある、あるいは子育て中の女性理学療法士は、自身の経験を背景に子どもの行動特性や成長に対する理解が深く、保護者との関わりにも自然と共感的に寄り添えるため、臨床でその強みが大きく発揮される場面が少なくありません。

また、小児リハビリは保護者との協働が欠かせない領域であり、家庭でのケア方法や生活習慣の改善を一緒に考えていく必要があります。

そのため、母親である患者家族から「女性の理学療法士に担当してほしい」と希望されるケースも多く、女性ならではの視点と安心感が求められる場面が増えています。

こうした背景から、小児分野は今後も女性理学療法士が専門性を発揮しやすい領域として成長し続けると考えられます。

女性アスリート分野

女性アスリート分野における理学療法のニーズは年々高まっており、その中でも女性理学療法士の役割はますます重要なものとなっています。

女性アスリートは月経周期によるコンディションの変動、骨盤周囲の特徴、疲労骨折のリスク、エネルギー不足による無月経など、女性特有の身体的課題を抱えることが少なくありません。

また、スポーツ現場では身体だけでなく心理面へのサポートも求められることが多く、デリケートな相談が必要になる場面では、同じ女性である理学療法士の存在が選手に大きな安心感を与えます。

現状ではプロ・アマチュア問わずスポーツ分野の理学療法士は男性が多い状況にありますが、女性アスリートが競技レベルを問わず増えていることや、女性特有のスポーツ障害への理解が重要視されるようになってきたことから、今後は女性理学療法士へのニーズがさらに拡大すると予想されます。

性別特有の健康課題に寄り添いながらサポートできる女性理学療法士の存在は、スポーツ界においてますます欠かせないものとなるでしょう。

理学療法士は男女問わず活躍できる仕事

今回は、理学療法士の男女比と女性理学療法士が活躍している理由について解説してきました。

理学療法士の男女比を見てみると、その差は埋まりつつあり、今後も男女問わずに活躍できる仕事であるといえます。

加えて、女性の理学療法士のニーズが高まる分野もあり、今後さらに女性理学療法士が活躍できるシーンが増えていくでしょう。

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参考

公益財団法人日本理学療法士協会

参考

令和6年賃金構造基本統計調査
女性理学療法士就労環境調査報告書

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