リハビリの150日ルールとは?制度の詳細や150日を超えた場合の対応を解説
公開日:2025.05.17

文:内藤 かいせい(理学療法士)
リハビリではよく「150日ルール」があるといわれているものの、それがどのようなルールなのか気になる方はいませんか?
150日ルールとは、特定の病気に対してリハビリを受けられる上限の日数を定めた制度です。
この記事では、150日ルールの具体的な概要と、その日数を超えた場合の対応をご紹介します。
この制度を知っておくことで、リハビリ期限に関するトラブルの予防につながるでしょう。
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リハビリの150日ルールとは?

リハビリの150日ルールとは、実際にどのようなものなのでしょうか。ここでは、150日ルールの詳細について解説します。
運動器リハビリを受けられる日数の上限のこと
リハビリの150日ルールとは、医療保険(健康保険)で運動器リハビリを受けられる日数上限のことです。このルールは以下のいずれかの日から適用されます。
● 症状が急性増悪(症状が急に悪化すること)した日
● 診断日
運動器リハビリとは、おもに骨折や捻挫などの疾患に対して行われるリハビリです。この限られた期間内で、できるだけ症状の改善や機能回復を目指していくことになります。
そのほかの疾患のリハビリ上限日数
リハビリの上限日数が設けられているのは、運動器リハビリだけではありません。そのほかの疾患の上限日数は、以下のとおりです。
● 廃用症候群リハビリ:120日
● 呼吸器リハビリ:90日
● 心大血管疾患リハビリ:150日
このように、リハビリ科によって日数が異なることがわかるでしょう。150日ルールだけを覚えるのではなく、その方の疾患にあわせた上限日数をおさえておくことが重要です。
リハビリの150日を超えた場合は?

運動器リハビリの150日ルールを踏まえたうえで、その期間を超えてもリハビリを続けたい場合、どのような対応をすればよいのでしょうか。
ここでは、150日の期間を超えた後の対応について解説します。
介護保険によるリハビリを行う
150日を超えた場合、介護保険によるリハビリに切り替えることが推奨されます。ここでは、介護保険によるリハビリについて詳しく解説します。
介護保険と医療保険の違い
介護保険と医療保険では、リハビリの目的や適用条件が大きく異なります。医療保険によるリハビリは、病気やケガの治療を目的としており、症状の回復・機能の改善を目指します。
一方、介護保険によるリハビリは、日常生活の自立支援や生活の質の維持・向上を目的としているのが特徴です。
また医療保険のリハビリはおもに病院や診療所で行われ、急性期や回復期の患者さんが対象となります。
介護保険のリハビリは、在宅や介護施設で行われ、維持期・生活期の方が対象です。このように、それぞれの保険制度の特徴を把握しておくことが大切です。
介護保険によるリハビリを行う際の条件
介護保険によるリハビリは、誰もが受けられるわけではありません。介護保険によるリハビリを受けるための要件は、以下のとおりです。
● 要介護認定または要支援認定を受ける
被保険者は「第1号被保険者(65歳以上の方)」と「第2号被保険者(40歳以上65歳未満で特定疾病のある方)」に分けられます。そして市区町村の窓口に申請し、認定調査や主治医意見書をもとに要介護認定・要支援認定が判定されます。
認定されると要支援1・2、要介護1〜5のいずれかに区分され、それに応じてサービスを受けることが可能です。その後はケアマネジャーと相談し、その方に適したリハビリサービスを利用します。
介護保険で利用できるリハビリのおもな種類
介護保険で利用できるリハビリには、おもに以下の種類があげられます。
● 訪問リハビリ
通所リハビリは、介護老人保健施設や病院などに通ってリハビリを受けるサービスです。
施設には専門的なリハビリ機器が用意されており、理学療法士や作業療法士などが個別にリハビリを提供します。
また、食事や入浴などの生活支援サービスも受けられるのも特徴です。
訪問リハビリは、理学療法士や作業療法士が利用者の自宅を訪問し、生活環境にあわせたリハビリを提供するサービスです。
自宅でのリハビリなので、実際の生活動作や環境に即した訓練ができるメリットがあります。いずれのサービスも、要介護度や身体状況に応じて適切に選択することが大切です。
150日を超えてもリハビリを続行するケースもある
医療保険での運動器リハビリは150日が上限ですが、実際にはこの日数を超えてリハビリを継続できるケースもあります。
そのケースとして、医師が「リハビリの継続によって改善が期待できる」と判断した場合です。リハビリ継続の必要性が認められれば、150日を超えてもリハビリを続けられることもあります。
ただし、150日を超えてリハビリを続ける場合、回数に制限が設けられている点に注意しましょう。具体的には、1か月に13単位(1単位20分)までと定められています。
リハビリの継続については、主治医やリハビリ専門職と十分に相談して決定することが重要です。
労災でもリハビリの150日ルールは適用される?
労災でリハビリを受ける場合、150日ルールが適用されないことがあります。
労災によるケガは医療保険ではなく、労災保険による対応が行われるからです。労災保険と医療保険は別の制度であり、運用ルールが異なります。
医療保険ではリハビリの上限日数が設けられていますが、労災保険ではこのような制限は設けられていません。
ただし、病院側が医療保険と同様に扱うケースがある点に注意が必要です。労災でも病院側が150日ルールが適用されると誤って判断し、リハビリを打ち切ってしまうケースもゼロではありません。
その際は、労災には150日ルールが適用されないことを病院側に伝えて確認してもらいましょう。
リハビリの150日ルールの仕組みを知っておこう
リハビリの150日ルールとは、医療保険で運動器リハビリが適用される場合の上限日数のことです。上限日数は疾患によって異なるため、それぞれの日数についてもおさえておくことが大切です。150日を超えた場合は、介護保険によるリハビリに切り替えるか、リハビリを継続すべきかを検討する必要があります。
例外として、労災によるケガのリハビリでは150日ルールが適用されない点もおさえておきましょう。ぜひ今回の記事を参考にして、150日ルールに関する知識を深めていきましょう。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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