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片方の足の付け根に痛みが現れる原因とは?女性特有の問題や対処法をご紹介

公開日:2025.06.25 更新日:2025.07.01

片方の足の付け根に痛みが現れる原因とは?女性特有の問題や対処法をご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

片方の足の付け根(股関節)に痛みが現れるようになり、どんな原因なのか知りたい女性はいるのではないでしょうか。股関節の痛みにはさまざまな原因があり、なかには女性特有の病気が潜んでいる可能性もあります。

この記事では、片方の股関節が痛む原因や、その対処法をご紹介します。どのような対応をすべきかを知ることで、股関節の痛みの改善につながるでしょう。

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女性で片方の足の付け根に痛みが生じる原因は?

女性で片方の足の付け根(股関節)に痛みが生じる原因として、股関節に関係する組織のものと、それ以外のものに分かれます。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

股関節が原因のもの

ここでは、股関節が原因のものについてみていきましょう。

変形性股関節症

変形性股関節症とは、片方または両方の足の付け根にある軟骨がすり減ることで起こる病気です。股関節を作る大腿骨(太ももの骨)と骨盤には、足の動きをスムーズにするための軟骨がついています。しかし、以下のような原因で軟骨がすり減ることで、股関節の内側の痛みや炎症などの症状が現れるのです。

● 加齢
● 体重の増加
● 運動や仕事による過剰な負荷
● 先天的な関節の異常

発症初期は、立ち上がりや歩きはじめに股関節に痛みが現れます。症状が進行すると痛みが強くなり、動きが制限されることもあります。軟骨のすり減りが顕著になると、手術が必要となるケースもあるでしょう。

関節リウマチ

関節リウマチとは、身体を守る免疫システムに異常が起こり、関節の破壊が進む病気です。
関節リウマチによる症状は、おもに以下のとおりです。

● 関節の腫れ
● 痛み
● 朝のこわばり
● 関節の変形

症状は左右対称に現れることや、片方の足の付け根から発症しやすい点が特徴です。進行すると股関節にも影響が現れ、生活に支障をきたすことも珍しくありません。関節リウマチの原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝的要因や環境要因が関係しているとされています。また、関節リウマチは男性よりも女性に多く発症する傾向にあります。

大腿骨骨頭壊死症

大腿骨骨頭壊死症とは、大腿骨の頭の部分に血液がうまく流れず、骨が壊死してしまう病気です。大腿骨骨頭壊死症のおもな症状は、股関節の痛みと動きの制限です。壊死した骨の部分が大きくなると、体重を支えきれなくなって大きな痛みを引き起こすこともあります。股関節以外の部分が痛むことも多いため、この病気だと気づくのに時間がかかるケースもあります。

大腿骨骨頭壊死症の原因は、以下のとおりです。

● ステロイド剤の服用
● アルコールの過剰摂取
● 外傷によるもの

臼蓋形成不全

臼蓋形成不全とは、大腿骨の骨頭を覆う臼蓋(きゅうがい)と呼ばれる部分の発達が不十分な状態のことです。臼蓋が不十分なため、骨頭がはみ出てしまい、股関節の負担の増加や動きの悪さなどが生じます。

初期段階では、症状が出ないケースも珍しくありません。しかし、時間の経過とともに軟骨が少しずつ傷み、最終的に変形性股関節症へ移行することがあります。日本人の臼蓋形成不全の割合は、成人男性は0〜2%、女性は2〜7%とされています。

股関節以外が原因のもの

ここでは、股関節以外の原因によって痛みが出ているケースについてみていきましょう。

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは、鼠径部(股関節の付け根)で腸や脂肪組織が飛び出てしまう状態のことです。鼠径ヘルニアを発症すると、鼠径部の膨らみだけでなく、不快感や痛みをともないやすくなります。歩いたり動いたりすると、さらに痛みが強くなることもあるでしょう。

鼠径ヘルニアにはいくつかの種類があり、女性は内ももの付け根部分に起こる「大腿ヘルニア」が発症しやすいとされています。この病気は生まれつき発症する方と、以下のような原因で後天的に発症する方がいます。

● 立ち座りによる股関節の負荷
● 加齢による股関節の組織の衰え

鼠径ヘルニアを発症すると自然治癒は期待できないため、適切な治療を受けることが重要です。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮の内側にある内膜組織が外部で育ってしまう病気です。子宮内膜症を発症すると、子宮外にできた内膜組織が出血と炎症を繰り返し、下腹部や股関節に痛みが生じやすくなります。性交痛や排便痛をともなうこともあり、重度になると不妊の原因にもなります。

症状の程度は月経周期によって変化しやすく、月経中に痛みが強くなりやすいのが特徴です。月経のタイミングで股関節や腹部の痛みが強くなる場合は、子宮内膜症の可能性があります。そのため、気になったら婦人科を受診することをおすすめします。

片方の足の付け根に痛みが出ている場合の対処法

片方の足の付け根に痛みが現れる原因とは?女性特有の問題や対処法をご紹介

片方の足の付け根に痛みが出ている場合、どのような対処をすべきでしょうか。ここでは、具体的な対処法を解説します。

股関節まわりの筋肉をストレッチする

変形性股関節症をはじめとした病気で、股関節まわりの筋肉が硬くなっている場合、ストレッチがおすすめです。筋肉が硬くなると関節の可動域が狭くなり、日常の動作が制限されて痛みが悪化する恐れがあります。ストレッチによって筋肉の柔軟性を高めることで、関節への負担が減って痛みの軽減につながります。

股関節まわりの具体的なストレッチ方法は、以下のとおりです。

【太もも前面の筋肉のストレッチ】

1. イスや手すりの前に立つ
2. イスや手すりに手を添えつつ、膝を曲げて片方の足を持つ
3. かかとをお尻に近づけて、その状態をキープする
4. 20秒ほどキープしたらもとに戻る
5. 反対の足で行う

【太もも後面の筋肉のストレッチ】

1. 座った状態で両足を伸ばしつつ、左右に広げる
2. 膝を伸ばしたまま、右方向に向かって上体を倒す
3. できるだけ倒した状態を20秒ほどキープする
4. 左方向で行う

【お尻の筋肉のストレッチ】

1. あお向けになって両足を伸ばす
2. 両手で片方の膝裏を抱える
3. できるだけ膝を胸に近づける
4. 20秒ほどキープしたらもとに戻る
5. 反対の足で行う

ストレッチを行う際は、痛みを感じない範囲でゆっくりと呼吸を止めずに行いましょう。

股関節まわりの筋トレをする

筋トレで股関節まわりの筋力をつけることで、痛みの軽減につながります。足の付け根に痛みをともなうと、自然と筋肉を使わなくなり、筋力低下が進行します。筋力が衰えると股関節の安定性が低下し、痛みがさらに悪化する恐れがあるのです。

股関節まわりの具体的な筋トレ方法は、以下のとおりです。

【スクワット】

1. 立った状態で両足を肩幅程度に開き、足を前に向ける
2. 背筋を伸ばしつつ、膝と股関節を曲げる(膝が足より前に出ないようにする)
3. 膝と股関節を90度ほど曲げたら、ゆっくりともとに戻る
4. 2〜3の手順を15〜20回×2〜3セットを目安に行う

【お尻上げ】

1. あお向けになって両膝を立てる
2. お尻を上げて上半身と太ももを一直線にする
3. ゆっくりと下げる
4. 2〜3の手順を10〜20回×2〜3セットを目安に行う

【横向きでの足上げ】

1. 横向きに寝る
2. 下側の足を曲げ、上側の足を伸ばす
3. 上側の膝を伸ばしながら、ゆっくりと上げる
4. ゆっくりと下げる
5. 3〜4の手順を10〜15回×2〜3セットを目安に行う

股関節に負担がかからない生活を心がける

日常生活では、股関節に過度な負担をかけないことを心がけましょう。普段から股関節に負担をかけない生活を送ることで、痛みの軽減や症状の悪化防止につながります。

股関節に負担をかけない生活習慣としては、以下のとおりです。

● 長距離の歩行を避ける
● 階段の上り下りを頻繁に行わない
● 重い荷物の持ち運びを避ける
● 長時間の立ち仕事を控える
● 股関節を深く曲げない
● 杖を使用する

医療機関を受診する

足の付け根の痛みが続く、または悪化する場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。このような場合、先述したような病気を発症している可能性があります。とくに女性の場合、子宮内膜症をはじめとした婦人科系の疾患が原因となっているケースもあるでしょう。

医療機関で検査と診断を受けることで、痛みの原因を特定でき、適切な治療を受けられます。早期発見・早期治療のために、痛みが気になったら迷わず整形外科(または婦人科)のある医療機関の受診を検討しましょう。

片方の足の付け根に痛みが続く場合は医療機関の受診を

片方の股関節が痛む原因として、変形性股関節症や関節リウマチなどが疑われます。また、女性の場合は子宮内膜症をはじめとした病気の可能性もあります。

股関節に痛みが出ている場合、ストレッチや筋トレを行いつつ、普段から関節に負担をかけない生活を送ることが重要です。それでも痛みが続く場合は、医療機関への受診を検討してみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

眞鍋 憲正(まなべ かずまさ)

監修:眞鍋 憲正(まなべ かずまさ)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

【医師コメント】
片側の股関節痛には、関節そのものの異常(変形性股関節症、大腿骨頭壊死など)に加え、骨盤内臓器や神経、筋・腱の問題など、さまざまな原因が考えられます。特に女性では、婦人科疾患や骨粗鬆症による疲労骨折も見逃せません。痛みが長引く、夜間も痛む、歩行に支障が出るといった場合は、医療機関での画像検査が必要です。PTやOTは痛みの部位や動作による変化を丁寧に評価し、必要に応じて医師と連携することが重要です。早期に適切な対応を行うことで、回復の見込みが大きく変わります。
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