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肋骨骨折でやってはいけないこととは?治療内容や早く治すためのポイントを解説

公開日:2025.06.26 更新日:2025.07.01

肋骨骨折でやってはいけないこととは?治療内容や早く治すためのポイントを解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

肋骨骨折が生じたときに、日常生活で避けるべきポイントについて詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。症状の改善を目指すためには、骨折部位に負荷がかからないように生活を送ることが重要です。

この記事では、肋骨骨折の治療内容や、やってはいけないことをご紹介します。どのような点に注意すべきかを知ることで、早期の改善につながるでしょう。

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肋骨骨折でやってはいけないこととは?治療内容や早く治すためのポイントを解説

「肋骨を骨折したときやひび(不全骨折)が入ると、どのような感じなの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょう。肋骨の骨折、またはひびによって現れるおもな症状が、受傷した部位の痛みです。

肋骨は肺の膨らみにあわせて動く骨なので、深呼吸時に痛みが強くなることも特徴です。くしゃみや咳をしたときにも、強い痛みを感じることもあるでしょう。そのほかにも、以下のような症状がみられます。

● 骨折部位の圧痛(触れると痛む)
● 内出血や腫れ
● 身体をひねったときの痛み
● 息苦しさや呼吸のしにくさ

このように、呼吸しているだけでも痛みを感じることがあるため、日常生活に支障をきたす可能性があります。

肋骨骨折の原因

肋骨骨折のおもな原因は、外部による衝撃です。たとえば、家具の角に胸をぶつける、スポーツ中に接触事故を起こすことなどがあげられます。交通事故や高所からの転落など、激しい外傷によって骨折するケースも珍しくありません。このような強い衝撃を受けると、複数の肋骨の骨折だけでなく、内臓の損傷をともなうこともあります。

また、骨がスカスカになる病気の「骨粗鬆症」の方はとくに注意が必要です。骨がもろくなっているため、軽い転倒や咳を繰り返すだけでも肋骨骨折を引き起こす可能性があるのです。肋骨骨折は全外傷の約10%を占めるとされているため、決して珍しくないケガである点をおさえておきましょう。

肋骨骨折の合併症

肋骨骨折は比較的よくある骨折ですが、重大な合併症を引き起こす可能性もあります。肋骨骨折のおもな合併症は呼吸器系や消化器系の内臓の損傷です。

肋骨は呼吸にともなって動いており、肺を膨らませるためのサポートをしています。しかし、肋骨を骨折すると動きが悪くなり、呼吸が浅くなる恐れがあるのです。

とくに注意すべき合併症として、気胸があげられます。気胸とは、折れた肋骨で肺が傷つき、しぼんでしまう状態のことです。気胸になると、さらに呼吸を行いにくくなります。折れた肋骨がほかの臓器を傷つけると、さらに別の症状が現れる可能性もあるでしょう。

肋骨骨折の治療内容

肋骨骨折の治療では、ほとんどの場合特別な手術は必要なく、自然治癒を促す保存療法が行われます。保存療法でよく行われるのが、骨折部位の固定と安静です。骨折した肋骨に余計な負担がかからないようにすることで、痛みをおさえ、治癒を促進させます。具体的には、バンドやベルトを用いて骨折部位を圧迫・固定する方法です。

痛みの程度に応じて、痛み止めが処方されることもあります。内服薬や湿布などを使って痛みをコントロールして、日常生活を楽に送れるようにします。肋骨骨折は通常、2~4週間程度で痛みが落ち着きますが、完全に癒合するまでには約3か月かかることが一般的です。治療期間には個人差があるので、自然治癒を待ちながら、痛みの軽減と合併症の予防に努めることが重要です。

肋骨骨折でやってはいけないこと

肋骨骨折になったときに、不適切な行動をとると痛みが悪化する恐れがあります。ここでは、肋骨骨折でやってはいけない行動について解説します。

激しい運動をする

肋骨骨折をしているときは、激しい運動は避けましょう。激しい運動をすると呼吸が速くなるので、肋骨が大きく動きます。そのため、骨折部位に強い負担がかかって、痛みが出やすくなります。

運動時に肋骨への物理的な刺激も入りやすくなるので、痛みがより悪化するでしょう。運動する際は必ず医師に相談し、どの程度の範囲まで身体を動かしてよいかを聞いてみてください。

身体を大きくひねる

肋骨骨折の方は、身体を大きくひねるような動作も控えましょう。身体をひねる動作は肋骨も動きやすいため、骨折部位に負荷がかかって症状を悪化させる恐れがあります。繰り返し身体をひねると、骨折部位がずれたり、さらに損傷したりする可能性もあります。

日常生活では、振り返る動作や後ろにある物をとる動作など、無意識に身体をひねる動きをすることが多いです。そのような動作を避けて、痛みの軽減と早期回復に努めましょう。

湯船に浸かる

肋骨骨折を受傷した直後は、湯船に浸かることを避けましょう。骨折直後は炎症反応が強く出ているため、湯船に浸かって血行が促進しやすくなります。その結果、患部の痛みや腫れが悪化する場合があります。

痛みや炎症が強い時期は、しばらく湯船ではなくシャワー浴で済ませましょう。

肋骨骨折やひびを早く治すポイント

肋骨骨折でやってはいけないこととは?治療内容や早く治すためのポイントを解説

肋骨骨折やひびを早く治すためには、どのようなことを心がけるべきなのでしょうか。ここでは、具体的なポイントを解説します。

痛みが強い時期は安静になる

肋骨骨折の痛みが強い時期は、できるだけ安静にすることが重要です。骨折中に無理な動きをすると患部への負担が増し、症状が悪化する恐れがあります。痛みが強い状態が続くと、日常生活にも支障をきたしやすくなります。先述したように、激しい運動はもちろん、身体をひねったり重いものを持ったりすることは避けましょう。

痛みが落ち着いてきたら、医師と相談しながら少しずつ活動範囲を広げていくことが大切です。無理のない範囲で身体を動かし、肋骨の回復を促しましょう。

寝るときに肋骨を圧迫させない

寝る際は、骨折部位を圧迫しないような姿勢の工夫が必要です。とくに、骨折している側を下にして寝ることは避けましょう。体重が骨折部位に長時間かかって、強い痛みを引き起こす原因となります。

理想的な寝方は、骨折した側を上にして横向きに寝る、またはあお向けに寝ることです。必要に応じてクッションや枕を使って身体の向きを調整し、安定した姿勢をキープしましょう。

肋骨骨折でやってはいけないことをおさえておこう

肋骨骨折を発症すると、患部の痛みだけでなく、呼吸のしにくさをともなうことがあります。肋骨骨折になった際は、激しい運動や身体を大きくひねるような動作は避けましょう。

肋骨に負担をかけると痛みが悪化し、肺や臓器にも問題が生じる恐れがあります。ぜひ今回の記事を参考にして、やってはいけないことを把握しつつ骨折の回復に努めてみてください。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

眞鍋 憲正(まなべ かずまさ)

監修:眞鍋 憲正(まなべ かずまさ)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

【医師コメント】
肋骨骨折は多くが保存的治療で改善しますが、痛みにより呼吸が浅くなり、肺炎などの合併症を招くリスクがあります。そのため、適切な鎮痛と呼吸リハビリは非常に重要です。また、骨折部位に過度なストレスを与えないことはもちろん、早期から無理のない範囲で身体を動かすことも、回復を早める要素になります。PTやOTによる介入は、呼吸機能の維持や姿勢・動作指導において大きな役割を果たします。患者さんには、安静にしすぎず、痛みをコントロールしながら日常生活を調整していくことをおすすめします。
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