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理学療法士の派遣は禁止?派遣と正社員との違いについても解説

公開日:2025.07.06

理学療法士の派遣は禁止?派遣と正社員との違いについても解説

文:rana(理学療法士)

理学療法士は、正社員として常勤や非常勤で働くケースがほとんどですが、なかには「派遣」の求人を見かけることもあります。しかし「理学療法士の派遣は禁止されているのでは?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、理学療法士の派遣の可否や、正社員との違いについて解説していきます。

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理学療法士の派遣は禁止されている?

理学療法士の派遣は禁止?派遣と正社員との違いについても解説

結論からいうと、原則として理学療法士の派遣は法律で禁止されています。その理由は、医療や福祉といった専門性の高い職種においては、派遣という雇用形態が、サービスの質低下や責任所在の不明確さを招く可能性があるためです。厚生労働省の資料では、医師、看護師、薬剤師などと同様に、理学療法士も原則として派遣の対象外とされています。

しかし、例外的に理学療法士でも派遣が認められるケースが2つ存在します。

紹介予定派遣の場合
産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の代替業務である場合

なお、例外的に派遣が認められるケースとしては「医師の業務であって、当該業務に従事する派遣労働者の就業の場所が特定の条件に該当する場合」もありますが、本記事では理学療法士に関わる①②のケースについて以下で詳しく解説します。

例外ケース①紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に派遣先の企業や施設で直接雇用されることを前提とした派遣契約です。この場合、一定期間派遣として働くことで、派遣スタッフと派遣先の双方が、実際の業務を通して適性や能力を見極めることができます。理学療法士の場合、まずは派遣という形で働き始め、双方が合意に至れば正社員や契約社員として直接雇用されるという流れです。

例外ケース②出産・育児・介護等の休業による欠員補充の求人

もう一つの例外ケースは、産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の代替として派遣される場合です。この場合、派遣期間は休業を取得した労働者の休業期間に限られます。このケースは、労働者の休業によって発生する、一時的な人員不足を解消するための措置であり、派遣される理学療法士も期間限定での勤務となります。

派遣・正社員・非常勤の違いを知っておこう

理学療法士の働き方には、派遣の他に正社員での常勤・非常勤といった形態があります。それぞれの働き方には特徴があり、給与、勤務時間、福利厚生、責任の範囲などが異なります。

正社員は、雇用期間の定めがなく、フルタイムでの勤務が一般的です。安定した収入や充実した福利厚生が期待できる一方、責任のある業務を任されることが多い傾向にあります。

非常勤は、パートタイムやアルバイトといった形で、勤務時間や日数が正社員よりも短い働き方です。自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働けるメリットがありますが、給与や福利厚生は正社員に比べて少なくなる場合があります。

派遣は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業や施設で働く形態です。給与は派遣会社から支払われ、福利厚生も派遣会社の規定に準じます。勤務時間や業務内容は派遣先によって異なり、契約期間が定められていることが一般的です。正社員のような安定性はありませんが、さまざまな職場を経験できる可能性があります。

理学療法士が派遣で働くメリット・デメリット

理学療法士の派遣は禁止?派遣と正社員との違いについても解説

理学療法士が派遣で働くことにはどのような特徴があるのでしょうか。理学療法士が派遣で働くメリットとデメリットについてみていきましょう。

派遣のメリット

まず派遣のメリットとして、多様な職場を経験できることが挙げられます。短期間でさまざまな医療機関や介護施設を経験できるので、幅広い知識やスキルを習得でき、自分に合った職場を見つけるためのステップとなりやすいでしょう。
また、派遣は求人によって勤務時間や曜日が比較的自由に選びやすいのもメリットです。自分のライフスタイルに合わせて働きたいという方には良いかもしれません。
期間限定の勤務であるため、職場の人間関係に深く関わる必要がない場合がほとんどで、ストレスも少ないでしょう。

派遣のデメリット

派遣のデメリットとしてまず挙げられるのは、雇用の不安定さです。契約期間が定められているため安定した雇用とは言えず、契約更新がない場合は次の仕事を探さなければなりません。また、福利厚生は正社員に比べて劣ることが多く、社会保険や有給休暇などがない場合もあります。

派遣理学療法士の実際の働き方

筆者は、過去に2人の派遣理学療法士の方と一緒に働いた経験があります。2人とも、業務経験を積んでおり、紹介予定派遣の契約でした。
1人は、経験のある分野だったのでテキパキと業務をこなし、患者さんとのコミュニケーションも円滑でしたが、職場の人間関係に馴染めず、雇用には至りませんでした。
もう1人は、初めての分野で慣れないこともありましたが、コミュニケーション能力に長けており、職場の人間関係も良好で、最終的には雇用契約を結ぶ形となりました。
両者とも最終的な形に違いはありますが、実際の現場を経験した上での決断だったので、採用される側、採用する側どちらにとっても良い結果になったのではないかと思います。

派遣理学療法士として働くのも一つの選択肢

理学療法士の派遣は原則として禁止されていますが、紹介予定派遣や育児休業などの代替要員といった例外的なケースでは働くことが可能です。派遣という働き方には、メリット、デメリットも存在しますが、キャリアプランやライフスタイル、何を重視するかを考慮した上で、選択肢の一つとして検討してみるのも良いかもしれません。

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参考

労働者派遣事業を行うことができない業務は・・・|厚生労働省
さまざまな雇用形態|厚生労働省

rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

監修:中原義人

監修:中原義人

札幌医科大学保健医療学部理学療法学科 卒業
急性期病院、訪問看護ステーション、慢性期病院にて勤務。通所・訪問リハビリテーションの立ち上げを経験。
資格:理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、日本糖尿病療養指導士、心臓リハビリテーション指導士、介護支援専門員、米国S&C協会認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)

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