児童発達支援管理責任者(児発管)とは?PT・OT・STから目指す方法
公開日:2025.07.11

文:tokoshi(言語聴覚士)
発達に特性のある子どもたちが安心して成長できる環境を整える専門職として、注目を集めているのが「児童発達支援管理責任者(通称:児発管)」です。個々の発達段階や家庭の状況に応じた支援計画を立て、スタッフや保護者、関係機関と連携しながら実践する役割を担います。
本記事では、児童発達支援管理責任者の役割や業務内容、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ職種から目指すための流れを解説します。キャリアチェンジを考えている方や、児童発達支援管理責任者という仕事に関心のある方は参考にしてください。
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目次
児童発達支援管理責任者(児発管)とは
児童発達支援管理責任者(通称:児発管)は、放課後等デイサービスなどの児童福祉施設において、支援計画の作成やモニタリング、調整を行う専門職です。子どもたち一人ひとりの特性に合わせた目標と支援方法を定め、現場スタッフの動きを管理し、ときには助言を行いながら、チームとして質の高い支援を行います。
名称が似ている「サービス管理責任者(通称:サビ管)」という職種も存在しますが、こちらは主に18歳以上の障がい者を対象とし、就労継続支援や生活介護などの支援を行います。対象年齢や提供サービスに応じて、職種が分かれています。
| 児童発達支援管理責任者 (児発管) |
サービス管理責任者 (サビ管) |
|
|---|---|---|
| 主な対象 | 児童(0〜18歳未満) ※放課後等デイサービスは就学児(6歳以上)が主な対象 |
主に障害を抱える18歳以上の成人 |
| 担当する施設・サービス | 児童発達支援、放課後等デイサービスなど | 就労継続支援、生活介護、グループホームなど |
児童発達支援管理責任者の業務内容

児童発達支援管理責任者の主な業務は「個別支援計画」の作成とその進行管理です。子どもの発達状況や家庭の要望を踏まえて、支援の目標と方針を明確にし、スタッフと連携しながら計画を立てていきます。
また、支援が計画通りに行われているかを確認し、必要に応じて助言や指導を行うことで、チーム全体の支援力向上を図ります。
保護者に対しては、定期的な面談を通じて子育てに関する悩みや不安に寄り添い、安心して育児ができるようサポートします。さらに、教育機関や医療機関、自治体などと連携し、地域全体で切れ目のない支援を提供できる体制づくりを行うことも重要な役割です。
リハビリ職種が児童発達支援管理責任者になるには

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は、発達支援の現場でも専門性を活かして活躍できます。リハビリ職種の知識や経験は、子どもの発達を支える支援計画づくりにも大いに役立つでしょう。
児童発達支援管理責任者になるには、「一定の実務経験」と「研修の修了」が必須です。
本章では、児童発達支援管理責任者になるために必要な「一定の実務経験」と「研修の修了」について、詳しく解説していきます。
1.必要な実務経験を積む
児童発達支援管理責任者になるには、福祉や医療、教育などの分野での一定年数の実務経験が求められます。事業所の種類や担当業務によって、要件が異なるため注意が必要です。
PT・OT・STは「③有資格者等」に該当し、次の2つの要件を満たす必要があります。
・ 障がい者や子どもを対象とした相談業務または直接支援業務を3年以上
※PT・OT・STそれぞれの国家資格に基づく業務へ通算5年以上従事している必要があります。

出典:厚生労働省「サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の猶予措置について」
「5年の実務経験」と「3年の支援業務経験」は並行して積むことが可能です。例えば、リハビリ専門職として障がい児施設で常勤勤務している場合は、勤務時間を「実務経験」と「支援業務経験」の双方としてカウントできます。
実務経験は単純な年数だけでなく、年間の勤務日数も要件に含まれます。具体的には従事した日数が1年あたり180日以上必要です。
また、実務経験の対象とされる施設や事業所の種類については、児童発達支援や放課後等デイサービス、医療機関、特別支援学校などが該当します。自分の勤務先が対象かどうかは、勤務証明書の発行元や研修主催者に事前に確認すると確実です。
必要な経験年数や該当施設の詳細は、厚生労働省のガイドラインや都道府県の指定研修案内にも記載されています。制度改正などにより要件が変わる可能性もあるため、最新情報を随時確認しておくといいでしょう。
2.各種研修を修了する
児童発達支援管理責任者になるには、実務経験を積んだうえで所定の研修を順に修了する必要があります。
2. 一定のOJT期間
3. 「実践研修」を修了
基礎研修では、相談支援の基本的な知識や考え方、制度、支援の基本を学びます。この基礎研修は、実務経験の要件を満たす2年前から受講可能です。実践研修では現場で役立つ実務的なスキルを学びます。
研修は各都道府県単位で年に数回開催されており、勤務先を通じて申し込むのが一般的です。
児童発達支援管理責任者に関するよくある質問
最後に、児童発達支援管理責任者に関する質問とその回答を紹介します。これから児童発達支援管理責任者を目指す方や転職を検討している方は参考にしてください。
児童発達支援管理責任者は未経験からでも目指せる?
完全な未経験から児童発達支援管理責任者を目指すことは難しいものの、必要な実務経験や研修を経れば、児童分野が初めてでも活躍できます。
特にリハビリ職や保育士など、関連分野での経験があり、スムーズにキャリアチェンジできます。
児童発達支援管理責任者の平均年収は?
児童発達支援管理責任者の平均年収は地域や事業所の規模により異なりますが、概ね300万円〜400万円台とされています。管理職としての責任を担うため、児童指導員や保育士と比べて給与水準はやや高めです。
また、相談支援専門員などの資格を持っていたり、現場でのマネジメント経験が豊富だったりすると、より高い待遇が期待されます。
児童発達支援管理責任者に向いている人は?
児童発達支援管理責任者として求められるのは、「子どもや保護者が抱える課題への理解」と「支援現場を円滑に運営するためのマネジメント力」です。また、柔軟な対応力や子どもの成長を長期的な視点で支える姿勢も重要です。
福祉や教育への情熱を持ち、他職種と連携しながら取り組める方に向いています。
児童発達支援管理責任者はやりがいのある仕事
児童発達支援管理責任者は、専門性を活かして子どもの発達を支えるやりがいのある仕事です。リハビリ職など医療・福祉分野での経験を活かせる点も魅力で、キャリアの幅を広げるチャンスとなるでしょう。
社会的ニーズが高まっている分野でもあり、今後の活躍がますます期待されます。「これまでのスキルを子どものために活かしたい」「福祉の現場で新たな挑戦をしたい」と考えている方は、キャリアチェンジを検討してみてはいかがでしょうか。
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参考
厚生労働省「サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の猶予措置について」
厚生労働省「令和5年 障害福祉サービス等経営実態調査結果」

tokoshi
言語聴覚士
回復期で失語症と高次脳機能障害を中心としたリハビリ業務に携わる。その後転職し、看取り施設で「最期の食事」を言語聴覚士として支援。現在は訪問リハビリやデイサービスでリハビリをしながらライターとしても活動しています。

監修:中原 義人(理学療法士)
札幌医科大学保健医療学部理学療法学科 卒業
急性期病院、訪問看護ステーション、慢性期病院にて勤務。通所・訪問リハビリテーションの立ち上げを経験。
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