理学療法士から一般企業への転職は可能?メリット・デメリットも解説
公開日:2025.07.12 更新日:2025.07.16

文:畑中めぐみ(理学療法士)
理学療法士は国家資格です。しかしせっかく国家資格を取ったにもかかわらず、「人間関係に疲れてしまった」「体力的に今後続けていくのは厳しい」などと感じ、一般企業への転職を考える理学療法士の人もいるでしょう。
今回は理学療法士が一般企業への転職を行うために考えておくべきことや、メリット・デメリットなどを解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
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目次
理学療法士から一般企業への転職はできる?
理学療法士から一般企業への転職は可能です。しかし理学療法士の資格を持っている人の約80%は医療分野に、約10%は介護分野に勤務しており、一般企業で働いている人はとても少ないのが現状です。また、理学療法士の資格を活かして一般企業に転職しようと思っても、求人は病院ほど多くはありません。ただし、求人がまったくないわけではないため、興味のある方はぜひチャレンジしてみましょう。
理学療法士が一般企業に転職する前に考えるべきことは

一般企業に転職を考えた場合、事前に考えておくべきこととして次のようなものがあります。
一般企業へ転職したい理由を明確にする
なぜ病院ではなく一般企業に転職したいのか、その理由を転職活動を行う前に明確にしておくと、面接などで聞かれたときに慌てずに済みます。また転職後に「やっぱり理学療法士の仕事のほうがよかった」と後悔することも少なくなるでしょう。
やりたいことの方向性を明確にする
一般企業で働く場合、理学療法士の資格や経験を活かせる仕事か、それともまったく関係のない分野の仕事かの2タイプがあります。自分の今後のキャリアを見据えてやりたいことの方向性を明確にしておくと、転職先を探すのがスムーズになります。
必要に応じて転職エージェントの使用も検討し、進みたい分野に関する情報をリサーチしておくとよいでしょう。
また、転職後にどのくらいの収入を得たいのかもこの段階で考えておくと、収入面の不安も解消できます。
理学療法士経験者が働くおすすめの場所は
理学療法士の資格を活かして働ける一般企業の例は以下の通りです。
・住宅関係の企業
・ヘルスケア産業系の企業
・インストラクター
・養成学校の教員
・整体院
それぞれ詳しく見ていきましょう。
医療・福祉機器関係の企業
車いすや介護用ベッドなどの医療・福祉機器を扱う企業では、顧客に対して適切な機器を選定し、レンタルや販売などを行う必要があります。患者さんと接してきた理学療法士としての知識と経験は強い武器になるでしょう。
住宅関係の企業
求人はあまりありませんが、理学療法士の知識と経験を活かして住宅関係の企業で働く理学療法士もいます。高齢者向けの住宅やバリアフリー住宅の設計などで携われる可能性のある分野です。
ヘルスケア産業系の企業
身体の使い方講座や美容・健康のために、さまざまなサービスを提供するヘルスケア産業系の企業も、身体に関する知識を持つ理学療法士が活躍しやすいといえます。
・インストラクター
理学療法士の資格を活かしてインストラクターの道に進むという選択肢もあります。理学療法士の中には、スポーツインストラクターとしてプロチームと契約している人もいます。スポーツジムやフィットネスジム、パーソナルジムなどでのインストラクターの仕事も、理学療法士の知識や経験を活かせるでしょう。
養成学校の教員
理学療法士の養成学校で教員をするという選択肢もあります。ただし、理学療法士としての臨床経験が5年以上必要であったり、講習会を受講する必要があったりなど、教員になるには一定の条件があるため注意が必要です。
参照元:一般社団法人日本理学療法教育学会「教員基準について」
整体院
整体師が働く整体院ですが、身体のプロである理学療法士を採用したいと考えているところもあります。理学療法士としての知識や経験を直接活かせる転職先といえるでしょう。
ただし、整体院は医療機関ではなく、保険診療外の民間施設であるため、職域の違いや患者への説明責任に注意が必要です。
理学療法士から一般企業へ転職するメリット

人間関係をリセットできる
職場の人間関係に疲れてしまったという人は、人間関係をリセットして新たな環境で仕事ができます。ただし、今の職場に対する不満が人間関係だけなら、一般企業ではなく他の病院や介護施設への転職で問題が解決する場合もあります。
体力的な不安が減る
理学療法士は、身体が不自由な患者さんを介助したり支えたりする必要があり、体力が必要な仕事です。立ち仕事が多い上に、患者さんの介助で腰などを痛める理学療法士も少なくありません。一生続けていくには体力的に不安があるという人には、一般企業へ転職することで体力面の不安を軽減させることができるかもしれません。
給与がアップする可能性がある
職種によっては給与がアップする可能性もあります。今勤務しているところより高い給与の一般企業に転職することで、収入が増える可能性があります。
やりたいことへの挑戦がしやすい
理学療法士は国家資格のため、病院であれば比較的就職先を見つけやすいという特徴があります。そのため、一般企業に転職した後でも理学療法士の仕事に戻りやすいといえるでしょう。「いざとなったら自分には理学療法士の資格がある」という安心感があることで、やりたいことに思い切り挑戦できるメリットもあります。
理学療法士から一般企業へ転職するデメリット
理学療法士から一般企業への転職は、メリットだけでなく、次のようなデメリットもあります。
資格を活かして働くことが難しい
一般企業で働く場合、理学療法士の資格を活かして働くことができる場所は限られています。もし資格を活かして働きたいのであれば、どんな分野で資格を活かせそうか、求人はあるのかなど事前にリサーチを行っておく必要があります。
未経験から仕事を覚えるのに時間がかかる
一般企業への転職後は、基本的に未経験からのスタートになります。どんな仕事への転職に関してもいえることですが、新たな仕事内容を覚えるのに時間がかかることは覚悟しておきましょう。
企業や職種によっては給与アップするとは限らない
一般企業へ転職すると年収が上がると思われがちですが、企業や職種によっては給与が上がるとは限りません。未経験からの中途採用となるため、給与が下がる可能性のほうが高いと考えておいたほうがよいかもしれません。そのため、自分がどのくらいの収入を得たいのかをしっかりと考えてから転職することをおすすめします。
理学療法士から一般企業に転職するのがおすすめな人は
以下のような方は一般企業に転職すると働きやすくなる可能性があります。
・理学療法士の仕事が向いていないと感じる人
・病院や介護施設で働くことが苦痛に感じる人
・給与が安く将来に不安を感じている人
・体力的に理学療法士の仕事を続けていく自信がない人
理学療法士から一般企業に転職しないほうがよい人は
今の職場に不満はあるものの、理学療法士の仕事自体は好きだと感じている人は、一般企業へ転職すると働きにくくなってしまう可能性があるため、他の病院か介護施設に転職することをおすすめします。
まとめ
理学療法士から一般企業への転職は可能ですが、資格を活かして働ける場所はあまり多いわけではありません。しかし、一般企業への転職は、病院や介護施設では味わうことのない新しい刺激があるのも事実です。
一般企業への転職を成功させたいのであれば、一般企業でなくてはならない理由や、今後やりたいことの方向性を明確にし、進みたい分野に対しての事前リサーチをしっかりと行うようにするとよいでしょう。
新たな世界を覗いてみたい人は、ぜひ挑戦してみてください。
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参考

畑中めぐみ(理学療法士)
2015年に理学療法士の資格を取得し、総合病院にて主に脳疾患や神経疾患、呼吸器疾患の患者さんの入院・外来リハビリに携わる。現在は病院に勤務する傍らライターとしても活動中。セールスコピーライティングを得意とし、美容・健康・医療などの分野を中心に執筆している。

監修:関 勇宇大(理学療法士)
2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。
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