右腰後ろにズキズキとした痛みが出るのはなぜ?具体的な原因や対処法を解説
公開日:2025.07.22

文:内藤 かいせい(理学療法士)
右腰の後ろにズキズキとした痛みが現れるようになり、なにが原因なのか気になる方もいるのではないでしょうか。腰の痛みは筋肉によるものが多いですが、神経や内臓の異常が原因の場合もあります。
この記事では、右腰の痛みが出ている原因やその対処法をご紹介します。原因に応じた対処をすることで、痛みの改善につながるでしょう。
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右腰の後ろが急にズキズキする原因は?

右腰の後ろが急にズキズキする原因には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、具体的な原因を解説します。
筋肉による痛み
右腰の後ろがズキズキと痛む原因として、まず考えられるのが筋肉の問題です。腰まわりには多くの筋肉があり、これらに過度な負担がかかると凝り固まって痛みが発生しやすくなります。腰まわりの筋肉が痛むきっかけとして、以下が考えられます。
●急に重いものを持ち上げる
●無理な姿勢を長時間続ける
また腰の急な激痛をともなう場合、「ぎっくり腰」を引き起こしている可能性もあるでしょう。ぎっくり腰とは突然腰に強い痛みが出る症状で、急に重いものを持つ、身体をひねるなどが原因で発症します。
神経による痛み
神経が原因で、右腰に痛みが出ている可能性もあります。腰の部分には多くの神経が通っており、なんらかの理由で圧迫されると痛みが発生します。神経の問題によって腰に痛みが出る代表的な病気は、以下のとおりです。
●腰部脊柱管狭窄症
●腰椎すべり症
ここでは、それぞれの病気についてみていきましょう。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰の骨(腰椎)の間にあるクッションの役割をしている「椎間板」が、外に飛び出る病気です。椎間板が飛び出すことで神経が圧迫され、痛みやしびれなどの症状が現れやすくなります。圧迫される場所によって症状は変化しますが、重度の場合は筋力低下や排尿・排便障害を引き起こす恐れもあるでしょう。
重いものを持つ仕事や長時間の運転など、腰の筋肉に負担がかかる動作で腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクが高まります。20〜40歳代の、若い世代に多く発症しやすいのも特徴です。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは、背骨にある神経の通り道の「脊柱管」が狭くなることで発症する病気です。脊柱管が狭まって神経が圧迫されると、腰から足にかけての痛みやしびれなどの症状が現れます。
特徴的な症状として、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があげられます。間欠性跛行とは、歩きはじめは問題ないものの、しばらく歩くと足に痛みやしびれが強くなる症状のことです。一方で、休憩すると痛みやしびれが落ち着き、また歩けるようになります。
腰部脊柱管狭窄症が起こるおもな原因は、以下のとおりです。
●靭帯の肥厚(厚くなること)
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは、腰椎が前方や後方にずれてしまう病気です。腰椎がずれると、背骨のなかを通っている神経が圧迫されやすくなり、腰・下半身の痛みやしびれなどの症状が現れます。腰部脊柱管狭窄症と同じように、間欠性跛行が生じるケースもあるでしょう。
腰椎すべり症は、背骨の変形によって起こる「変性すべり症」と、骨が分離して起こる「分離すべり症」に分類されます。加齢による骨の変性のほか、分離すべり症の場合はスポーツによる背骨への強い負荷が原因で発症することがあります。
内臓による痛み
内臓の問題によって右腰の痛みが出ているケースもあります。右腰付近には、腎臓や肝臓などの複数の臓器があり、これらに異常が生じると痛みとして現れる場合があります。内臓の病気の例は、以下のとおりです。
●肝臓の病気:胆石症
●膵臓の病気:急性膵炎
●女性特有の病気:子宮内膜症、子宮筋腫
さらに、がんによって臓器や周辺組織に異常が現れ、腰の痛みが生じる場合もあります。内臓が原因の腰痛は放置すると重篤な状態に進行する可能性があるため、早めに医療機関を受診することが大切です。
右腰の後ろがズキズキと痛み出した際の対処法

右腰のズキズキとした痛みが続く場合、どのような対処をすべきなのでしょうか。ここでは、痛みをおさえるための対処法をご紹介します。
安静を心がける
右腰が急に痛み出した場合、まずは安静にすることが重要です。痛みが出はじめた時期は、腰の筋肉に強い炎症が起きている可能性があります。無理に腰を動かすと症状が悪化し、痛みが強くなる恐れがあるため、負担をかけないようにしましょう。
炎症をおさえるために、患部を冷やすのもおすすめです。氷やアイスパックをタオルでくるみ、右腰の痛みのある部分を冷やしましょう。
腰に負担をかけないような生活を送る
痛みを軽減するには、右腰に負担をかけないようにしましょう。腰の筋肉への負荷をかけないために、長時間同じ姿勢でいることは避けましょう。デスクワークをしている方は、定期的に立ち上がって軽く身体を動かすことをおすすめします。座る際は深く腰掛け、背筋をまっすぐに保つよう意識してください。
また、重いものを持ち上げる際は、腰を曲げて行わないように注意しましょう。膝を曲げてしゃがみ込み、背筋をまっすぐにしながら足の力で持ち上げると、腰への負担が少なくなります。必要に応じてコルセットを使用し、腰部を安定させることも効果的な対策といえます。ただし、長期間の使用は体幹筋の筋力を低下させる可能性があるため、必要なときだけ着用しましょう。
ストレッチをする
腰まわりのストレッチによって筋肉の緊張をやわらげることで、痛みの軽減につながります。おすすめのストレッチ方法についてご紹介します。
【腰まわりのストレッチ:その1】
2.息を吐きながらゆっくりと背中を丸める
3.息を吐きながらゆっくりと背中を反らせる
4.2〜3の手順を繰り返し行う
【腰まわりのストレッチ:その2】
2.つま先に向かって上体を前に倒す
3.痛みの出ない範囲で前に倒した上体をキープする
4.20秒ほどキープしたらもとに戻る
【腰まわりのストレッチ:その3】
2.ゆっくりと腰を左右にひねる
3.10回ほど繰り返す
無理のない範囲で運動習慣をつける
右腰の痛みを軽減するためには、運動習慣をつけることも大切です。筋力が弱いと腰への負担が大きくなり、痛みにつながりやすくなります。運動習慣をつけて筋力が高まれば、体幹が安定して腰の痛みの軽減が期待できます。
運動は、ウォーキングをはじめとした有酸素運動や、腹筋・背筋などの筋トレがおすすめです。有酸素運動の場合は1日10分、筋トレは1種目10回からはじめてみて、まずは無理のない範囲で運動習慣をつけてみてください。運動に慣れてきたら、少しずつ負荷や回数を増やしてみましょう。
腰痛対策のおすすめの筋トレメニューは、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:腰痛におすすめの筋トレは?知っておきたい腰痛対策やおすすめのメニューも解説
医療機関を受診する
右腰の痛みが長引いたり、悪化したりする場合は、早めに整形外科のある医療機関を受診しましょう。なにかしらの病気を発症している場合、痛みをそのままにしていると症状が進行して治療が難しくなることがあります。
とくに、痛みに加えて足のしびれや脱力感がある方は、神経が圧迫されている可能性があるでしょう。早期の受診と適切な治療によって、痛みの改善が期待できます。
右腰の後ろがズキズキと痛み出したら早めの対処を
右腰にズキズキとした痛みが出ている場合、筋肉だけでなく、神経や内臓などに問題が出ている可能性があります。腰の痛みが急に現れたら、まずは安静を心がけ、症状が落ち着いたタイミングでストレッチや筋トレをすることが重要です。
これらのセルフケアでも痛みが続く場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。ぜひ今回の記事を参考にして、痛みへの早めの対処を心がけてください。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

監修:眞鍋 憲正(まなべ かずまさ)
信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar
右腰の後ろにズキズキとした痛みが出る場合、筋・筋膜性腰痛、仙腸関節障害、腰椎由来の神経症状、腎臓疾患など多くの原因が考えられます。本記事では、姿勢や動作、生活習慣に関連する筋骨格系の要因を中心に、専門職にも有益な知識をわかりやすく整理しています。理学療法士・作業療法士にとっては、疼痛の部位や性状から鑑別のヒントが得られる内容であり、一般の方にも日常生活でできるセルフケアや受診の目安が示されています。痛みが長引く、または安静時にも続く場合は、内臓疾患などの可能性も含め、早期に医療機関での評価を受けることが大切です。
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