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咳をすると背中が痛い!その原因と対処法について

公開日:2025.09.02

咳をすると背中が痛い!その原因と対処法について

文:伊東浩樹(理学療法士)

季節の変わり目や風邪をひいたときに出る咳。もし、咳をしたときに「背中の痛み」が感じられたら、筋肉や神経、さらには呼吸機能に関わっている可能性があります。
この記事では、咳が引き起こす背中の痛みのメカニズムや、考えられる原因を解説します。また、理学療法士をはじめとするセラピストが、どのように患者さんをサポートできるかを詳しく解説します。
セラピストはもちろん、日常的に咳と背中の痛みに悩まされている方にも役立つ内容をお届けします。

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咳が出るメカニズムをおさらい

咳は、気道に異物や刺激物が入った際に、それを外に排出しようとする身体の防御反応です。この反応は、主に「延髄(脳幹の一部)」によってコントロールされており、喉頭・気管・気管支などが刺激を受けると、反射的に咳が発生します。
咳の原因は様々で、ウイルスや細菌感染(風邪、インフルエンザ、肺炎など)のほか、アレルギー反応、胃食道逆流症(GERD)によっても引き起こされます。また、ストレスが原因で出る心因性の咳もあります。
すぐに収まる咳であれば大きな問題はありません。しかし、繰り返し咳が出ることで筋肉や神経にストレスがかかり、背中や胸、腰など、他の部位に痛みが生じることもあります。

咳をすると背中が痛むのはなぜ?

咳をすることで背中が痛む場合、以下のような原因が考えられます。

筋肉の疲れや炎症

咳が出る瞬間、腹筋や肋間筋(肋骨と肋骨の間の筋肉)、そして背中の筋肉が強く収縮します。長期間にわたって激しい咳が続くと、これらの筋肉が疲労し、筋肉痛や筋膜炎を引き起こすことで背中に痛みを伴うことがあります。

肋骨にかかるストレス

激しい咳が続くと、肋骨に細かいひびが生じる「肋骨疲労骨折」が起きることがあります。これは特に、高齢者や、骨がもろくなっている骨粗鬆症の方に起こりやすく、背中や側胸部(わき腹)に鋭い痛みを感じるのが特徴です。

神経が刺激される

咳をすると、腹部への圧力や、胸の内圧が一時的に高まります。その結果、背骨の神経根(特に胸椎)が圧迫されて痛みが出ることがあります。この痛みは、放散痛を引き起こし、背中や肩甲骨の周囲に痛みが広がることもあります。

咳で痛くなりやすい背中の筋肉

咳をすると背中が痛い!その原因と対処法について

咳をしたときに痛くなりやすい背中の筋肉としては、主に以下が挙げられます。

Ø広背筋(こうはいきん)
背中の下部からわき腹にかけて広がる大きな筋肉で、咳をするときに上半身の収縮に関わります。
Ø脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
背骨の左右にある長い筋肉で、姿勢を保ち、呼吸にも関わる重要な筋肉です。
Ø菱形筋(りょうけいきん)
肩甲骨と背骨の間にある筋肉です。姿勢が悪い状態が続いたり、咳を繰り返したりすると、筋肉がこりやすくなります。
Ø肋間筋(ろっかんきん)
肋骨の間にある筋肉で、呼吸や咳に直接関わっています。咳による筋疲労や肉離れのような損傷も報告されています。

咳による背中の痛みへのアプローチ方法

患者さんが咳による背中の痛みを訴えている場合、理学療法士をはじめとするセラピストとしては以下のようにサポートができます。

評価と鑑別

まず、痛みの部位や性質を評価し、痛みが「筋肉によるもの」なのか「神経が関係しているのか」、あるいは「内科的な病気」が隠れていないかなどを丁寧に確認します。必要に応じて医師と連携しながら判断します。

ストレッチと緊張緩和

広背筋や脊柱起立筋に対して、ストレッチや姿勢改善指導、温熱療法などを用いて筋肉の緊張をゆるめ、痛みの再発を防ぎます。

呼吸リハビリテーション

呼吸が浅くなっていると、筋肉に余計な負担がかかります。「腹式呼吸」と「胸式呼吸」をうまく使い分けられるように、呼吸のトレーニングを行います。

姿勢改善と体幹強化

猫背や反り腰などの悪い姿勢は、咳による筋肉への負荷を大きくします。姿勢指導や体幹トレーニングを行うことで筋肉への過度な負担を軽減します。

長引く咳には要注意

咳をすると背中が痛い!その原因と対処法について

咳が2週間以上続く、あるいは背中の痛みが日常生活に支障をきたすようであれば、単なる筋肉痛ではない可能性があります。以下のような疾患も視野に入れて、早めに医療機関を受診しましょう。

Ø肺炎、気管支炎
Ø胸膜炎
Ø結核
Ø肺がん
Ø胃食道逆流症(GERD)
Ø心疾患(狭心症など)

特に、高熱や痰、体重減少、喀血(血の混じった咳)がある場合は、すぐに内科を受診する必要があります。

まとめ

咳と背中の痛みが同時に起こる場合、その原因は単なる筋肉疲労かもしれませんが、深刻な疾患が潜んでいる場合もあります。
痛みが続く場合は我慢せずに、理学療法士や医師に相談することが大切です。

理学療法士は、咳による筋骨格系トラブルの評価・対処・予防の面で大きな役割を果たしますので、必要なサポートを受けながら、快適な日常生活を取り戻しましょう。

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伊東 浩樹(理学療法士)

伊東 浩樹(理学療法士)

理学療法士として総合病院で経験を積んだ後、予防医療の知識等を広めていくためにNPO法人を設立。その後、社会福祉法人にて障がい部門の責任者や特別養護ホームの施設長を経験。医療機関の設立や行政から依頼を受けての講演、大学、専門学校等での講師なども勤める。

 白水 寛理(しろうず のりとし)

監修:白水 寛理(しろうず のりとし)

長崎大学医学部を卒業。九州中央病院で初期研修行にあたったのち、複数の病院で脳神経外科として従事。その後、九州中央病院 脳神経外科 医長を経て、2023年10月よりしろうず脳神経外科を開業。おもに頭痛、めまい、もの忘れを中心に日々外来診療を行い、地域医療に従事している。

【監修医コメント】
咳が原因で背中の痛みが起こることもありますが、深刻な疾患が潜んでいる可能性もあります。背中の痛みが続く場合は、迷わずに医療機関を受診しましょう。
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