訪問リハビリは本当に休みづらい?休みにくい理由と働き方の見直しポイントを解説
公開日:2025.09.04

文:かな(作業療法士)
「訪問リハビリは休みづらい」という話を耳にしたことがあるでしょう。しかし、すべての事業所で休みが取りにくいわけではありません。
本記事では、訪問リハビリが休みにくい理由とその対策について解説します。
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訪問リハビリが休みにくい理由

訪問リハビリが休みにくい理由は、単純に「忙しいから」という理由だけではありません。制度の問題と職場環境の課題が絡み合っているのが現状です。
担当制で1人に責任が集中しやすいことや、代わりの担当者を準備している体制が整っていないこと、そして利用者との密接な関係性が生み出すプレッシャーなど、いくつかの要因があります。
担当制と代行体制の不十分さ
訪問リハビリに限らず、担当制をとっている職場は休みにくい傾向にあります。1人のセラピストが同じ利用者を継続して担当するため、休む際には代わりのスタッフが必要です。
しかし、なかには代行体制が十分に整備されていない事業所もあります。
人手が足りず代行が難しかったり、情報共有が不十分で担当者しか分からないことが多かったりします。
その結果、代わりの人が手配できないため、訪問リハビリの予約を履行できないことにもなりかねません。
そのことが担当者は休みが取りにくい原因の一つになっています。
スタッフの人数に余裕があり、普段から情報を共有していれば休みやすくなります。しかし、訪問リハビリ事業所の多くは小規模運営が中心です。たとえ1カ月前に有給休暇を申請しても調整が難しいこともあります。
また、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といった職種ごとの人数も限られているため、専門職同士で代行を手配するのはより難しくなるでしょう。
利用者との関係性や責任感
訪問リハビリは利用者と一対一で関わることが多く、信頼関係を深めやすい仕事です。その一方で、この距離の近さが「休みにくさ」を生む原因になることもあります。
「自分が休むと利用者に迷惑をかけてしまうのではないか」「信頼関係を損ねてしまうのではないか」と不安を抱える人もいるでしょう。
また、利用者によっては、担当者の変更に対する不安を抱き、「いつものセラピストでないと嫌だ」と訴えるケースも珍しくありません。
こうした利用者本人だけでなく、その家族からの期待や信頼もプレッシャーとなり、計画的に休みを取ることをためらう人もいるでしょう。
訪問リハビリで休みを確保するには

訪問リハビリでも適切な休みを確保することは可能です。
しかし、そのためには自分だけで頑張るのではなく、職場全体で仕組みやルールを整えることが必要です。また、最初から休みを取りやすい環境が整っている職場を選ぶことも大切です。
特に、担当制で1人に責任が集中している状態を見直し、代わりに担当できる人がいる体制作りが欠かせません。
チーム制を導入している事業所を選ぶ
これまでの「担当制」から「チーム制」に切り替えている事業所では、休みが取りやすくなります。
チーム制では複数のセラピストが利用者の情報を共有しており、誰かが休むときにもスムーズに代わりのスタッフが対応できます。
利用者にとっても、普段から複数のスタッフと顔を合わせているため、担当者が変わって
も不安が少なくて済みます。
担当制でも複数人で関わる機会が多ければ、実質的にはチーム制に近い環境といえるでしょう。
定期的なカンファレンスを通じて情報を共有できると、利用者への支援の質が向上します。
さらに、スタッフ間での学びやフィードバックが得られ、セラピスト自身の成長にもつながる点が魅力です。
このように、チーム制を導入している事業所では有給休暇を取りやすくなり、スタッフの満足度も高まります。
転職を検討する際は、求人票や面接で「チーム制かどうか」を確認するといいでしょう。
「自分しかできない」環境から抜け出す
「自分しかできない」という状況は、一見すると専門性の高さを示すように思えます。しかし、実際には組織としてリスクが大きい状態です。
1人に仕事が集中するのは、セラピストにとっても利用者にとってもリスクが高まりやすいため、普段から情報を共有しておくことが大切です。
まず、担当利用者の情報を詳細に文書化し、介入方針や注意点をほかのスタッフでも理解できるように記録しましょう。
また、定期的にほかのスタッフと一緒に訪問することで、利用者との関係を築きやすくなります。
さらに、ケースカンファレンスを行い、利用者の状況を報告しながらチーム全体で支援方法を検討する習慣を持ちましょう。
利用者や家族に対しても「チームでサポートしていること」をきちんと伝え、必要なときには代行があることを理解してもらうことが大切です。
まとめ|訪問リハでも休める働き方を選び、自分の生活を守ろう
訪問リハビリでもきちんと休みを取ることは可能です。
しかし、職場によって休みやすさは異なります。チームで利用者に関わり、普段からしっかり情報を共有していれば、ワークライフバランスを保ちながら働けます。
転職を考えるときは、利用者への関わり方や代行体制について確認するようにしましょう。
無理のない働き方は、自分自身の健康と生活を守れることはもちろん、利用者によりよいリハビリを提供することにもつながるでしょう。
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かな(作業療法士)
作業療法士/呼吸療法認定士・福祉住環境コーディネーター2級・がんのリハビリテーション研修修了
身体障害領域で15年以上勤務。特に維持期の患者さんの作業療法、退院支援に携わってきました。家では3人の子ども達に振り回されながら慌ただしい日々を送っています。趣味は読書とお菓子作り。

監修:酒井 康輔
作業療法士
作業療法士として2016年より勤務開始。訪問看護ステーション・急性期病院を経験。現在も病院で勤務しており、高齢者から小児まで幅広い年齢層のクライエントに対して作業療法を実践している。臨床業務の傍ら、自身の得た知識を一般の方に届けたいという想いから2021年よりWebライターとして活動を開始。ブログも運営している。
訪問リハビリは、利用者お一人おひとりに寄り添うやりがいの大きい仕事です。その反面、「自分しかできない」というプレッシャーから休みにくさを感じる場面も多いかと思います。記事でも触れたように、チーム制の導入や情報共有の仕組みづくりによって、セラピスト自身の心身の健康を守りながら、質の高いリハビリを継続的に提供できる環境が整います。皆さんが安心して休みを取れる職場に転職できることを願っています。
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