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学費を抑えて言語聴覚士になるには?学校選びのポイントと支援制度を解説

公開日:2025.09.06

学費を抑えて言語聴覚士になるには?学校選びのポイントと支援制度を解説

文:tokoshi(言語聴覚士)

言語聴覚士(ST)を目指すには、専門的な知識と技能を身につけるための「養成校」に進学する必要があります。とはいえ、大学や専門学校で学ぶには、経済的な負担がつきものです。
本記事では、言語聴覚士を目指すために必要な学費の目安と、学費を抑えるための具体的なポイントについて解説します。

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言語聴覚士になるためには養成校への入学が必須

言語聴覚士になるには、厚生労働省が認めた養成機関(大学・専門学校など)で必要な課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。高校卒業後の進学先としては、4年制の大学や3年制の専門学校が主な選択肢となっており、カリキュラムの構成や費用面にそれぞれ違いがあります。
また、同じ資格取得を目指すにしても、どちらを選ぶかによって学習期間や学びのスタイルが異なります。
進路を考えるうえで、どちらの道がより自分に合っているかを判断する材料の1つとなるのが「学費」です。次章では、大学と専門学校それぞれの学費について、具体的に比較していきましょう。

言語聴覚士になるために必要な学費

学費を抑えて言語聴覚士になるには?学校選びのポイントと支援制度を解説

言語聴覚士になるためには、入学金・授業料・実習費などを含め、数百万円の費用が必要となります。本章では、大学と専門学校で必要なおおよその学費を紹介します。

4年制の私立大学の場合

大学に進学する場合、国公立か私立かで学費に大きな差があります。言語聴覚士を目指せる私立大学では、年間の学費はおおむね150万円前後となっており、さらに入学時には入学金も必要です。そのため、4年間の在学でかかる学費は、約500万~600万円程度を想定しておくのが望ましいでしょう。

3年制の専門学校の場合

専門学校は3年制のカリキュラムが主流で、大学と比べると学費がやや低めに設定されている傾向にあります。言語聴覚士養成の専門学校では、年間の学費がおおよそ130万円ほどとなっており、大学と同様に別途入学金も必要です。3年間の学費は、約300万円から450万円程度になると考えておきましょう。

大学の学費を安く抑える方法4選

学費を抑えて言語聴覚士になるには?学校選びのポイントと支援制度を解説

進路を選ぶうえで、「できるだけ学費が安い方がいい」と考える人は多いのではないでしょうか。特に、大学に進学する場合は学校ごとに学費に大きな差があるため、事前の比較・検討が欠かせません。本章では、大学の学費を安く抑えるためのポイントを4つ紹介します。

1.国公立大学を選ぶ

学費をできるだけ抑えたい場合は、「国公立大学」の進学を選択肢に入れておくとよいでしょう。国立大学や公立大学は、私立大学と比べて授業料が低く設定されているため、全体的な費用を抑えやすい傾向があります。文部科学省の「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年度時点での学費と入学料の平均額は以下のとおりです。

● 国立大学:学費 535,800円、入学料 282,000円
● 公立大学:学費 536,191円、入学料 374,371円
● 私立大学:学費 959,205円、入学料 240,806円

国立大学と私立大学を比べた場合、4年間で約160万円の差が出ることになります。学費を抑えることを重視する方にとって、国公立大学は有力な選択肢の1つとなるでしょう。

2.独自の奨学金制度がある大学を探す

大学ごとに設けられている学内奨学金制度も、進学先を選ぶうえで確認しておきたいポイントの1つです。これらの奨学金には、卒業後の返済が不要な「給付型」が多く、経済的に進学が困難な学生に対する支援が手厚い大学もあります。
奨学金には大学ごとに異なる条件があり、「学業成績の優れた学生を対象としたもの」や「家庭の経済状況に基づくもの」などが代表的な例として挙げられます。なかには、入学時点での申請によって授業料の一部が免除されたり、継続して毎年支給を受けられたりする制度もあるので、活用するとよいでしょう。
志望校を比較・検討する際は学費と併せて、奨学金制度の有無や給付条件、継続基準なども調べることが大切です。

3.自宅から通える範囲の大学を選ぶ

進学を考える際には、学費に加えて生活にかかる費用にも目を向けることが重要です。特に「自宅から通うのか」「下宿するのか」によって、必要な生活費は大きく異なります。下宿する場合は、毎月の家賃に加えて光熱費や食費など、多くの費用が発生します。一方、自宅から通学できる場合はこうした費用を大きく抑えられます。
通学にかかる交通費も立地や通学距離によって差が出るため、通学方法や定期代なども含めて具体的な試算をしておくと安心です。
このように、学費と家賃、生活費、交通費など、生活に必要な総額をシミュレーションしておくことで、進学後の経済的な見通しが立てやすくなるでしょう。

4.その他の支援制度を活用する

学費の負担を少しでも軽くしたい場合は、公的な支援から地域独自の制度など、各種支援制度の活用を検討してみましょう。

実施主体 支援内容
日本学生支援機構 学費の貸与/学費の給付(返済の有無で種類あり)
文部科学省 大学等の授業料・入学金を無償化
地方自治体 独自の奨学金(給付・貸与型など、地域による)
日本政策金融公庫 教育費の低利貸付(教育ローン)

代表的なものとしては、日本学生支援機構が提供する奨学金制度があります。これは、卒業後に返済が必要な「貸与型」と返済が不要な「給付型」の2種類があり、家計の状況や学業成績などに応じて利用できます。
ほかにも、将来の目標に向かって学ぶ意欲を持つ学生が、家庭の経済的事情に関係なく大学や短大などに進学できるよう支援する制度もあります。文部科学省は令和7年度より、多子世帯の学生等を対象に、大学や専門学校などの授業料や入学料の無償化を拡充する「高等教育の修学支援新制度」を実施しています。また、地方自治体や日本政策金融公庫などが実施する制度もあります。
これらの制度はそれぞれ申請時期や対象条件が異なるため、早めに情報を集め、計画的に準備を進めましょう。

学費を抑えながら言語聴覚士を目指そう

言語聴覚士を目指すには、学費に加えて生活費や実習費など、さまざまな費用がかかります。しかし、学費が比較的安い学校への進学や各種奨学金制度を利用することで、経済的な負担を大幅に抑えられます。
将来、言語聴覚士として誰かを支える存在となるために、自分に合った無理のない進路を検討しましょう。

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参考

学校法人 玉手山学園 関西福祉科学大学「言語聴覚士になるための学費はどれくらい必要?」
文部科学省「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」
独立行政法人 日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
港区「給付型奨学金について」
日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
一般社団法人 日本言語聴覚士協会「言語聴覚士になるには」

tokoshi

tokoshi

言語聴覚士
回復期で失語症と高次脳機能障害を中心としたリハビリ業務に携わる。その後転職し、看取り施設で「最期の食事」を言語聴覚士として支援。現在は訪問リハビリやデイサービスでリハビリをしながらライターとしても活動しています。

 

木山 幸子(きやま ゆきこ)

監修:木山 幸子(きやま ゆきこ)

言語聴覚士・公認心理師
元CATV局アナウンサー。30代でSTに転身。大学病院や外資系企業でのリハビリテーション勤務ののち、フリーランスに。

【監修者コメント】
私も30代でSTの専門学校に入学した際、当時あった社会人向けの給付制度を利用しました。後々後悔しないためにも、学費についてあらかじめ見積もっておくのはとても大切です。
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