ショートステイのリハビリとは?目的・内容やメリットを解説
公開日:2025.11.12

文:伊東浩樹(理学療法士)
近年、在宅介護を続けながら定期的に「ショートステイ」を利用する方が増えています。ショートステイは、介護者の休息や家族の事情での一時的な宿泊利用はもちろん、リハビリを目的としたショートステイのニーズも高まっています。
本記事では、「ショートステイで受けられるリハビリ」について、担当者やリハビリの内容を詳しく解説します。
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ショートステイのリハビリとは?

ショートステイとは、要介護認定を受けた方が、介護施設に1泊から数日間宿泊しながら介護サービスを受けるものです。
ショートステイは、在宅で介護をしている家族の負担を軽減する「レスパイトケア」としてはもちろん、在宅生活の維持・改善を目的としたリハビリを行う目的でも活用されています。
施設の種類や医療体制によってリハビリ内容は異なりますが、大きく分けて「生活リハビリ」「集団リハビリ」「個別リハビリ」の3つの形態があります。
生活リハビリとは
ショートステイのなかでも、短期入所生活介護で中心となるのが「生活リハビリ」です。
生活リハビリは、利用者が自宅で自立した生活を送るために必要な身体機能や動作を維持・回復するための訓練です。日常動作そのものをリハビリとして捉えて、様々な動作を自分でできるように以下のような練習を行います。
●トイレや食堂まで杖歩行で移動してみる
●自分で衣服の着脱を行う
など
生活リハビリは、ADL(日常生活動作)に直結しているため、在宅介護における筋力の低下や、自立性の低下を改善することができます。
集団リハビリとは
集団リハビリは、複数の利用者が同時に参加し、音楽や体操、レクリエーション形式で行われるリハビリです。
筋力・バランスの維持や、認知機能の刺激、社会的交流(コミュニケーション)による意欲の向上などを目的としており、「みんなで座って行う体操」や「ゲーム形式のリハビリ」など、楽しみながら身体を動かす活動が中心です。
集団リハビリは、身体面だけでなく心理面にも良い影響を与え、孤立防止や意欲維持にもつながります。
個別リハビリとは
療養施設や医療対応型のショートステイ(短期入所療養介護)では、個別リハビリが実施されることも多くあります。
個別リハビリは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職が、利用者一人ひとりに合わせて計画的に実施する専門的なリハビリです。
内容としては、関節拘縮予防や、嚥下(えんげ)・発語訓練、症状の進行を防ぐ維持的リハビリなどが中心となり、個々の状態に合わせて医療職との連携が密に行われ、医学的管理のもとで行う点が「生活リハビリ」や「集団リハビリ」と異なる点です。
ショートステイのリハビリを担当する職種

ショートステイでは、施設の種類やリハビリの目的に応じて、関わる職種が異なります。
生活リハビリを担当する職種
生活リハビリは、主に介護職員が中心となって日常生活の中で動作の見守りや支援を行います。
また、理学療法士や作業療法士が定期的に介入し、介護職に対して「どのような支援が効果的か」を助言することもあります。
集団リハビリを担当する職種
集団リハビリでは、理学療法士や作業療法士がプログラム設計や運動内容の考案を担当することが多いです。
集団リハビリを実施の際は、介護職員や看護職員が安全を見守り、参加しやすい雰囲気づくりや声かけを行います。
個別リハビリを担当する職種
個別リハビリは、医療的管理が必要な方に特に適した形態です。そのため、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が中心となって担当します。また、医師や看護師もリハビリ中の健康状態を確認し、医療的安全を確保します。
ショートステイでのリハビリの頻度
ショートステイでリハビリを行う頻度は、施設の方針や利用者の状態によって異なりますが、一般的な目安として、1回20〜40分程度を、1日1回または数日に1回行うことが多いでしょう。
ただし、医療対応型のショートステイ(短期入所療養介護)では、毎日リハビリ専門職が関わり、集団訓練や個別訓練を組み合わせて行うなど、より充実したプログラムを組んでいるところもあります。
介護職中心の「生活リハビリ」が中心の場合は、専門的な訓練は週に数回程度ので行われるケースが多いようです。
ショートステイでのリハビリのメリット
ショートステイでリハビリを受ける最大の利点は、在宅生活の継続がしやすくなることです。定期的に専門職のサポートを受けながら身体機能を維持・改善できるため、在宅での生活に必要な体力や動作能力を保ちやすくなります。
また、ショートステイを利用することで家族の介護負担を軽減できる点も大きなメリットです。介護者が一時的に休息を取ることで心身のリフレッシュができ、より安定した介護を続けやすくなります。
加えて、ショートステイでは理学療法士や作業療法士など専門職による評価や支援を受けられる点も重要です。その評価結果をもとに、今後の介護やリハビリの方向性を家族やケアマネジャーと相談できるため、在宅支援の質を高めることができます。
まとめ:ショートステイのリハビリは利用者・家族を支えるもの
ショートステイでのリハビリは、利用者本人の身体機能の維持だけでなく、家族の安心や生活全体のバランスを整える効果もあり、「在宅生活を維持したい」方にとって特にメリットの大きいサービスです。
理学療法士や作業療法士などの専門職が関わり、身体機能だけでなく生活全体をサポートしてくれるのがショートステイの大きな魅力です。
リハビリ職の方にとっても、ショートステイはやりがいのあるフィールドといえるでしょう。
いつもと違う環境の中で身体を動かすことは、身体だけでなく心にも新しい刺激を与えます。ご本人とご家族の「日常が続くこと」こそがリハビリの本質です。ショートステイでのリハビリでは、その“日常をつなぐ視点”が欠かせません。ご本人とご家族の双方が安心して生活を続けられるよう、専門職がチームで支えること、それがショートステイの大きな魅力です。
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伊東 浩樹(理学療法士)
理学療法士として総合病院で経験を積んだ後、予防医療の知識等を広めていくためにNPO法人を設立。その後、社会福祉法人にて障がい部門の責任者や特別養護ホームの施設長を経験。医療機関の設立や行政から依頼を受けての講演、大学、専門学校等での講師なども勤める。

監修:寺澤 慶大(てらさわ よしひろ)
2007年に長野医療技術専門学校(現在の長野医療大学)を卒業。
長野県松本市にある一之瀬脳神経外科で10年、長野県松本市にある武内整形外科クリニックで5年勤務。
また、介護分野領域でも4年程度の経験あり。
その他、自費診療での施術やスポーツトレーナー等もおこなう。
現在は前述した武内整形外科クリニックでリハビリ科科長として勤務している。
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