動物理学療法士とは?給料事情や仕事内容、目指し方について解説
公開日:2025.11.09

文:rana(理学療法士)
ペットの高齢化や動物医療の発展により、動物に対するリハビリ需要も高まっていることをご存知でしょうか。そんななかで動物へのリハビリを提供する専門職が「動物理学療法士」です。
本記事では、動物理学療法士とは何か、仕事内容や給料事情、動物理学療法士になるためのポイントをわかりやすく解説します。動物に関わる仕事に興味のある方や、キャリアの幅を広げたい理学療法士はぜひ参考にしてください。
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動物理学療法士とは?

動物理学療法士は、一般的に、理学療法士の資格を持ちつつ、犬や猫などペットのリハビリに関わる方を指します。
国家試験である理学療法士に対して「動物理学療法士」は国家資格ではありません。しかし、近年ペットの高齢化や医療の進歩により、手術後や病気・ケガからの回復をサポートするリハビリの必要性が増していることから、動物理学療法士が注目されています。
動物に対するリハビリテーションの歴史を見ると、1970年代に国内で初めて馬を対象に始まったのがきっかけといわれています。その後、獣医療の発展とともに小動物へのリハビリの必要性も認識され、徐々に広がりました。
その後、動物理学療法の研究や、動物理学療法士の教育・育成を行うための機関「日本動物理学療法協会」が初めて日本に設立されました。この頃から理学療法士が動物リハビリに従事する動きが本格化しています。
動物理学療法士の仕事内容
動物理学療法士は、理学療法士の知識を活かして、犬や猫などのリハビリテーションをサポートする仕事です。主に動物病院が活躍の場となり、業務内容の例として以下が挙げられます。
●運動療法……水中トレッドミルや専用プールを用いて、可動域訓練、筋力増強訓練、生活動作訓練などを行います。
●物理療法……温熱療法、寒冷療法、マッサージなど、動物の症状に応じた物理的アプローチを実施します。
●小動物診療の補助……動物看護師の業務の一部を担当し、診療の補助や飼い主への説明・サポートを行います。
動物理学療法士は、神経疾患や整形外科疾患のリハビリだけでなく、健康維持や加齢による筋力低下防止のための運動も実施します。
これらの業務を通じて、動物の回復を支え、飼い主と動物の生活の質向上に貢献するのが動物理学療法士の役割です。専用機器を活用したリハビリや健康維持プログラムを提供できる点が、仕事における大きな特徴と言えます。
動物理学療法士の給与事情

日本国内では「動物理学療法士」という国家資格は存在せず、職種としても確立されていません。そのため、公式な統計や厚生労働省によるデータがなく、給与の平均を示すことは難しいでしょう。また、動物理学療法士の求人もまだ少なく、地域や施設によって大きく差があるのが現状です。
とはいえ、動物病院などで動物理学療法士を募集しているケースも見られ、求人がまったくないわけではありません。求人サイトの情報を見ると、理学療法士としての実務経験3年以上で、月給23万円~と提示されているケースが多いようです。
動物理学療法士として働きたいと考えている場合、給与で判断するよりも、やりがいや動物に関わる経験を重視する方に向いていると言えます。資格や経験を積みながら、将来的なキャリアアップや独立などで収入を伸ばすことも選択肢の一つになるでしょう。
動物理学療法士になるには?
動物理学療法士になるための明確な資格はありませんが、まずは理学療法士として国家資格を取得し、そのうえで、一般的なリハビリ現場でしっかりと経験を積むことが重要です。
動物理学療法士の求人はまだまだ少数で、多くの施設では理学療法士としての実務経験を持つ人材が求められています。そのため、まずは病院やクリニックなどで臨床経験を積み、基礎的なリハビリ技術や評価力を身につけておくとよいでしょう。
また、動物リハビリ関連の求人は非常に限られているのが現状です。常に求人サイトや動物病院の採用情報をチェックし、募集が出たタイミングで早めに応募できるよう準備しておきましょう。
動物理学療法士は、理学療法士の新たな活躍フィールド
「動物理学療法士」という国家資格は現時点では存在しませんが、理学療法士の知識や技術を動物医療に応用する専門職として注目されています。
犬や猫などのリハビリを行う場では、動物病院やリハビリ専門施設で勤務するケースが多く、動物の健康維持・回復をサポートする重要な役割を担います。
ただし、求人はまだ限られており、応募条件として理学療法士としての臨床経験を求めるケースも少なくありません。そのため、まずは理学療法士としてしっかりと経験を積みつつ、動物リハビリ分野の求人情報を日常的にチェックしておくことが大切です。
動物医療の発展に伴い、今後さらに注目が高まることが期待される分野です。人と動物の両方の「回復」に寄り添う仕事に興味がある方は、早めに情報収集を始めておくとよいでしょう。
動物理学療法士はまだ一般的な知名度が高くないため、その存在を知らないという人が大半です。しかし理学療法士として培った知識と経験を動物医療の分野に生かせる新しいキャリアであり、理学療法士の新たな職域として大きな可能性を秘めています。人と動物の「動き」には多くの共通点があり、理学療法の視点が大いに役立ちます。まだ確立途上の分野だからこそ、臨床経験を重ねながら少しずつ道を切り拓いていく姿勢が大切です。興味をお持ちであれば、ぜひ学びの一歩を踏み出してみませんか?
参考

rana(理学療法士)
総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

監修:寺澤 慶大(てらさわ よしひろ)
2007年に長野医療技術専門学校(現在の長野医療大学)を卒業。
長野県松本市にある一之瀬脳神経外科で10年、長野県松本市にある武内整形外科クリニックで5年勤務。
また、介護分野領域でも4年程度の経験あり。
その他、自費診療での施術やスポーツトレーナー等もおこなう。
現在は前述した武内整形外科クリニックでリハビリ科科長として勤務している。
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