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作業療法士国家試験に落ちる人の特徴と対策|既卒との合格率の違いも解説

公開日:2026.01.16

作業療法士国家試験に落ちる人の特徴と対策|既卒との合格率の違いも解説

文:かな(作業療法士)

作業療法士国家試験では、毎年合格者と不合格者が出ます。「自分も落ちるのでは」と不安を抱える人もいるでしょう。不合格者には共通する傾向があり、早めに対策することで防げる場合も少なくありません。

本記事では、作業療法士国家試験に落ちる人の特徴と、既卒受験者がつまずきやすい理由、合格するために必要な対策を紹介します。

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作業療法士国家試験に落ちる人の4つの特徴

作業療法士国家試験に落ちる人の4つの特徴

作業療法士国家試験に落ちる人には、能力的な問題よりも学習方法や取り組み姿勢に特徴があります。ここからは、試験に落ちる人によくある4つの特徴を解説します。自分に当てはまる点がないかチェックしましょう。

1.礎が固まっていないまま応用問題を解いている

解剖学や生理学といった基礎科目の理解が不十分なまま、臨床問題や応用問題に取り組むと、正しい選択肢を選びにくくなります。
例えば、神経系の走行や支配領域が曖昧なまま疾患別のリハビリテーションの問題を解いても、根拠を持って選択肢を絞り込むことが難しくなります。
作業療法士国家試験では、基礎知識をベースにした応用的な出題が多く、難問の比率は高くありません。

2.過去問の正解数だけで安心してしまう

過去問を繰り返し解くことは重要ですが、正解数だけを頼りにしてしまうと、理解が浅いまま進んでしまうことがあります。

作業療法士国家試験では、似たテーマでも切り口の異なる問題が出されるため、丸暗記では対応できません。

過去問を解く際は、正解した数や点数ばかりを気にするのではなく、その解答を選んだ理由を自分の言葉で説明できるかを確認しましょう。正しい選択肢の根拠はもちろん、ほかの選択肢が間違っている理由まで押さえることで、応用問題に対応できる力につながります。

3.模試の結果を活かしきれていない

模試の結果を点数だけ見て終えてしまうと、弱点に気づきにくく、対策が後手になります。模試は知識を確認するだけでなく、理解が不十分な分野や解き方に迷いがある問題を把握するためのよい機会です。

本番に向けて力を伸ばしていく人は、不正解だった問題だけでなく「正解したものの自信がなかった問題」もチェックしています。また、関連する基礎知識を教科書で確認し、理解を深めます。

模試は点数を確認するだけのものではなく、自分の現状を把握して次につなげるためのツールです。結果を冷静に見直し、改善するために活用しましょう。

4.計画的に学習できていない

計画が曖昧なまま学習を進めてしまうと、試験直前に慌てて詰め込む形となり、知識の定着が十分でなくなる場合があります。作業療法士国家試験では出題範囲が広いため、短期間でまとめて学習するより、時間に余裕を持って繰り返し復習することが大切です。

また、試験直前の時期に睡眠時間を削ると、体調を崩したり集中力が低下したりして、本来の力を発揮できないことがあります。

既卒受験者が落ちやすいと言われる理由

既卒受験者が落ちやすいと言われる理由

作業療法士国家試験の合格率は、新卒受験者と既卒受験者で差が見られることが、厚生労働省のデータから明らかになっています。過去5年(2025年時点)の新卒受験者の合格率は88~92%程度であるのに対し、既卒受験者の合格率は25~44%程度です。

ここからは、既卒受験者が直面しやすい課題とその背景について解説します。

疑問点を解消しづらい学習環境になる

学生時代は授業や友人とのやりとりのなかで、自然と勉強の流れが作られていましたが、卒業後は1人で机に向かう時間が増えます。疑問点が出てもすぐに質問できる相手がおらず、理解が曖昧なまま先に進んでしまう場合も少なくありません。

また、卒業後は自分で情報を集める必要があり、最新の内容や出題の傾向をつかみにくい状況になることもあります。

仕事と勉強の両立が難しい

筆者の周りでは、既卒受験者はアシスタントとして病院や施設で働きながら、試験勉強をする人が多数いました。

働く経験は理解を深める助けにもなりますが、日中の業務で疲労が蓄積し、帰宅後に試験勉強に集中するのが難しくなることもあります。また、勤務が不規則な場合は、学習時間を決まったリズムで確保しづらくなります。

職場では、既に作業療法士として働いていると誤解されることもあり、受験生である事実を周囲に言いづらくストレスを感じる人もいました。こうした負担が重なると気持ちが途切れやすくなり、勉強を続けるモチベーションを維持するのが難しくなることがあります。

「また落ちるかも」というプレッシャーが大きい

既卒受験者は、一度不合格を経験しているからこそ、「また落ちるのではないか」と感じやすくなります。試験が近づくにつれて緊張が高まり、不安から勉強に集中できなくなるかもしれません。このような状態では、本来持っている実力を発揮できない可能性があります。

合格するために意識したいポイント

ここまで、作業療法士国家試験に落ちやすい人の特徴や既卒受験者が直面する課題について解説しました。では、どのような学習姿勢で取り組めば、確実に力を伸ばせるのでしょうか。

ここからは、合格するために意識したいポイントを紹介します。

基礎を徹底的に固めてから応用へ進む

基礎科目は国家試験全体の土台となるため、解剖学や生理学、運動学といった基本を確実に理解してから、臨床系や応用的な問題に進むことが大切です。

基礎が十分身に付いていれば、初見の問題でも知っている知識を組み合わせて答えを導きやすくなります。例えば、神経系の走行や支配領域などは、基本の知識がそのまま応用につながりやすい分野です。基礎が曖昧なままでは、問題の聞き方が変わっただけで意図が理解できなくなることもあります。

教科書を繰り返し読み、重要な図表を自分でノートにまとめるなど、手を動かしながら覚えていくと知識が定着しやすくなります。

解答に根拠を持つ

問題を解くときは「なぜその選択肢を選んだのか」を自分で説明できる状態を目指しましょう。

正解した問題でも、理解して選んだのか、偶然当たったのかで意味はまったく違います。判断が曖昧な部分があれば、その都度見直しておきましょう。また、不正解だった選択肢についても、どこが誤りなのかを確認することが大切です。

間違えた問題はノートにまとめ、定期的に見返すことで弱点の克服につながります。

苦手や不安を可視化し、周囲に相談する

漠然とした不安を抱えたまま勉強するのではなく、どの分野が苦手なのか、何を不安に感じているのかを書き出してみましょう。苦手や不安を可視化することで、どこを優先して取り組むべきかが分かり、学習計画を立てやすくなります。

また、1人で悩まず、周囲に相談することも重要です。勉強内容に関する疑問だけでなく、進め方そのものについても意見をもらうと、自分では気付かなかった視点を得られる場合があります。こうした外からの助言が、不安の軽減にもつながります。

生活リズムや環境を見直す

勉強時間を増やすことばかりに意識が向きがちですが、生活リズムが乱れていると学習の効率が大きく落ちます。

睡眠不足の状態では記憶の定着が妨げられ、集中も続きません。できるだけ毎日決まった時間に起床・就寝し、十分な睡眠時間を確保しましょう。

また、食事を抜いたり栄養バランスが偏ったりすると、脳のパフォーマンスが落ちることがあります。試験勉強中こそ、規則正しい食事と適度な運動を心がけましょう。

集中が続かない人は、25分間の集中作業後に5分間の短い休憩を挟む「ポモドーロ法」を試してみるのもおすすめです。ゲームやスマートフォンが気になる場合は、手の届かない場所に置く、使用制限をかけるなどの工夫も効果的です。

睡眠や食事のバランスを崩してまで詰め込んで学習するより、心身の状態を整え、健康維持を図りながら規則正しい学習を継続することが、知識の蓄積、学力の向上につながります。

作業療法士国家試験に落ちてしまったときの考え方と次への準備

試験に落ちてしまった場合は、焦って同じ勉強法を繰り返すのではなく、まず原因を整理することが大切です。

具体的には、間違えた分野や迷った問題の傾向、生活リズムや学習時間の管理などを書き出し、次の学習計画に反映させましょう。自力で振り返るのが難しい場合は、学校や講座の先生、同級生に相談することで新しい視点が得られるかもしれません。

国家試験に落ちると大きなショックを受けるものです。そのようなときは、すぐ立ち直ろうと無理をせず、取り組みやすい短期目標を設定してみましょう。短い時間でも机に向かう習慣が戻れば、気持ちの安定につながり、次の一歩が踏み出しやすくなります。

働きながら受験を目指す場合は、仕事で得た知識や経験が勉強に役立つこともあります。一方で、勤務時間や疲れにより生活リズムが乱れ、勉強のペースが崩れやすい面もあります。無理のない範囲で進められるよう、日ごとの学習量や時間帯を決め、計画的に勉強を進めることが大切です。

まとめ|作業療法士国家試験に向けて着実に準備をしよう

作業療法士国家試験に向けて勉強するなかで、不安を感じるのは自然なことです。大切なのは、焦らず、着実に準備を進める姿勢です。

試験に落ちる人には、基礎理解が不十分なまま先に進んでしまう、過去問を丸暗記してしまう、模試の結果を生かしきれない、計画が曖昧といった傾向が見られます。既卒受験者は、学習環境や心理的要因により、集中しづらい状況になることもあるでしょう。

合格するためには基礎を丁寧に固め、正しい選択肢の根拠を説明できる状態を目指しましょう。自分の弱点を客観的に把握し、生活リズムや学習環境を整えながら継続することが大切です。

試験まで時間が限られていても、今できる対策はあります。できることから1つずつ積み上げていきましょう。

参考

第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について
第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について
第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について
第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について
第57回理学療法士国家試験及び第57回作業療法士国家試験の合格発表について
第56回理学療法士国家試験及び第56回作業療法士国家試験の合格発表について

【監修者コメント】
作業療法士国家試験では、基礎理解の不足や学習計画の曖昧さが合否を左右します。基礎を丁寧に積み上げ、選択肢の根拠を説明できる学習姿勢が重要です。既卒者は環境や心理的負担が生じやすいため、早めの計画と周囲の支援活用が効果的です。不安を抱えながら勉強する時期こそ、焦らず一歩ずつ進むことが力になります。どんな小さな積み重ねも、確実に合格へ近づく大切な一歩です。あなたの努力が実を結ぶことを心から応援しています。

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